建築設計事務所というと堅いイメージがありますが、今回お邪魔したのは、ショールームのようにおしゃれで開放的なスタジオ。高橋さんが手がける空間づくりには、マイホームのイメージを膨らませるユニークな収納のアイディアが数多く組み込まれていました。

HOUST 編集部

HOUST 編集部

HOUSTO公式アカウントです。当サイト独自の目線で、毎日の暮らしがちょっと豊かになる情報を定期的にお届け中です!

https://www.instagram.com/ouchinoshunou/

高橋康さん

「ハウスイズム建築設計事務所」代表

暮らしを彩るヒントが詰まったスタジオ

横須賀を拠点に、主に新築のデザイン住宅を施工しているハウスイズム建築設計事務所。代表の高橋さんをはじめ、設計士が直接クライアントに対応するというスタイルで、オリジナリティ溢れる家づくりを行っています。

昨年秋に移転オープンした新しいスタジオは、自動車工場だったという建物をリノベーションしたもの。天井が高くて開放的な空間は、クライアントとのミーティングスペースと、スタッフが自由に動けるフリーアドレスオフィスとしての機能を兼ねています。

広々としたスタジオ

広々としたスタジオ。カウンターの上に渡したガーデンルーフなど、遊び心いっぱいの空間です。

「スタジオ内には、リビング、キッチン、水回りなど、家のイメージづくりのヒントになるようなスポットを設置しています。これが収納の提案にもなっているようで、お客様からは好評なんですよ」(高橋さん、以下同)。

造作棚とメーカー家具をミックスさせて

人気のカリフォルニアスタイルを思わせるおしゃれなスタジオには、いくつもの収納棚が目につきました。

「オリジナルの造作棚と、気に入っているショップの家具を両方使っています。私自身、ホントは片付けが苦手なんですが(笑)、ショールームなので、基本的にはオープンなディスプレイにしています。設計事務所という仕事柄、ペーパー類が多くなるので、なるべく見やすく収納するようにスタッフみんなで心がけていますね」。

エントランスに設えた造作収納棚

エントランスに設えた造作収納棚。左側のボックス型収納は、上のロフトへ続く階段になっている。

造作棚

こちらも造作棚。ドキュメント類はなるべく目線の下にきっちりと収納し、棚の上部は抜け感を。こうすることで、圧迫感を軽減しています。

カップボードや棚は、インテリアショップ「クラッシュゲート」で選んだもの。キッチン収納のヒントとしてディスプレイしています。

キャスターを活用したオリジナル収納

フリーアドレスオフィスでもあるスタジオは、スタッフが自由に動ける工夫がなされています。その一つが、キャスター付きのオリジナルボックス。スタッフの発案で、大工さんに造作してもらったそう。ミーティングに来るクライアントからも好評で、自邸に採用したいという申し出も多いという優れモノなのです。

「丈夫なラーチ合板でつくった、シンプルなボックスなんですが、収納力も高くて、使いやすいんですよ。サイドに取り付けたフックに、それぞれのバッグを掛けています。スムーズに移動させられて、カウンターの下に並べて収納することができます」。

オリジナルのキャスター付きボックス

オリジナルのキャスター付きボックス。下段は、下面が内側に傾斜させてあり、動かしたときにモノが落ちにくいよう、工夫がなされています。

必要な書類や道具をボックスごと持ってきて、打ち合わせもスムーズに進めることができます。

ボックスを3つ、カウンターの下に収めたところです。「お子さんそれぞれの収納ボックスとして活用されたお客様もいます。フックにはランドセルを掛けて使っているそうです」。

もうひとつ、キャスターを使ったオリジナルの造作をスタジオで見つけました。木の質感が素敵な、観葉植物置きです。
「これも大工さんに相談してつくってもらったものです。掃除もしやすいですし、見た目もいいですよね。観葉植物だけでなく、いろいろとインテリアに活用できると思います」。

しっかりとした造りで、重さのあるものも移動が楽々。使い方のイメージも膨らみます。

多様なオーダーから、収納の発想が生まれる

クライアントから、毎日さまざまなオーダーを受ける高橋さん。なかには、「家のなかに滑り台を付けてほしい」というユニークなオーダーも。

「子どもが喜ぶ、おもしろいアイディアですよね。小上がりに階段を付け、上からは滑り台で降りてくる、というかたちをご提案しました。小上がりの下には、収納を付けることで、空間を活用しています」。

収納付き小上がり

これから施工する予定の収納付き小上がり。危なくないように、滑り台の傾斜は計算しています。

「お客様からのオーダーから、逆に新しい発想が生まれて、これが収納のアイディアにもつながったりします。そういうときは、設計していてもすごく楽しいですね」。

そう笑顔で話す高橋さん。これからも新たな収納アイディアが、このスタジオから生まれていくことでしょう。