収納の定義を幅広く捉え、書店スタッフが推しの収納関連本3冊を紹介!
本のプロが選ぶ“収納本”とは?

HOUST 編集部

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選んでくれたのは…Readin’ Writin’ BOOKSTORE

古い材木倉庫をリノベーションした浅草・田原町に居を構える個人書店。天井が高く開放感がある売り場には、話題の本やロングセラーなどに混じって、小さな出版社やインディレーベルと直取引したレアな書籍や雑誌も。中二階には畳敷きのリーディングスペースがあり、購入した本は、1Fで販売するコーヒーやビールなどを楽しみながらゆっくり読むこともできる。2017年4月のオープン以来、作家やジャーナリストによるトークイベントや、ライティングなどのワークショップも開催している。 今回は『収納・整理のモチベーションを上げる!』をテーマに選んでいただきました!

選書人

Readin’ Writin’ BOOKSTORE 店主 落合博

1冊目『片づけたい』内澤旬子 佐野洋子 沢野ひとし ジェーン・スー 柴田元幸 松浦弥太郎 ほか/河出書房新社

片づけベタの苦悩、別れがたき品、掃除道具へのこだわり……“片づけ”には、その人の生きかたが表れる。古今の作家たちが綴ったエッセイ32篇。気持ちよく暮らすヒントが見つかるかも。

選書理由:

「生きた時代も作風も違う作家によるエッセーを編成した本書。ジェーン・スーさんや柴田元幸さんなど現在人気の書き手から、澁澤龍彦や谷崎潤一郎といった文豪までが名を連ねていて、それぞれの片付けに対する考え方、ひいては生き方までを知ることのできる本。ひとことで“片付け”と言っても、時代によっても作家によってまったく考え方が違い、自分とは異なる視点を得られるのも魅力です。文字の組み方も、当時の雑誌に掲載した時のままだったりして、時代を感じられるのも楽しい。最後のページには、個性に合わせた片付け方がわかる『タイプ別診断』もあるので、このページから読み始めるのも楽しいかもしれません。どんなタイプの人でも参考にできる視点が見つかる、間口の広い“片付け本”です」(落合さん

2冊目『STANDART5号』/STANDART

コーヒーをテーマにしたインディペンデントマガジン。ロースターからバリスタ、スペシャルティコーヒーを愛するカスタマーまで、幅広い層に向けた専門誌。

選書理由:

「片付いた部屋でゆったりと楽しむコーヒーは格別ですよね。そのコーヒーについて、いろんな切り口で教えてくれる雑誌です。ヨーロッパで創刊し、世界中の編集者が順番に手がけていて、この5号は日本人編集者が担当。学術的、社会的にもコーヒーに迫る意欲的な誌面作りがいいんです。コーヒー豆生産国の生活環境や、輸入されて日本に届くまでの流通、バリスタの給与など、経済的な側面にも切り込んでいて、コーヒーを通して社会を知ることができます。スタイリッシュな表紙はインテリアとしてもいいし、中のイラストや写真も美しく、世界各国のコーヒーショップのスタイリッシュな内装などは参考になるのでは? お部屋を整えるモチベーションを上げてくれる一冊です」(落合さん

3冊目『See You Tomorrow』宮崎信恵/ELVISS PRESS

『GINZA』や『Casa BRUTUS』をはじめ、多数の雑誌や広告を手掛けるイラストレーター、宮崎信恵(STOMACHACHE.)による絵本。絵の中に実写を織り交ぜたり、一度描いたものを切ったり貼ったり。多様な表現方法で描かれた日々のこと。「こうして終わっていく一日」「また明日」、詩のような文と爽やかな絵が心地よい大判の一冊。

選書理由:

「名古屋の書店『ON READING』の自主レーベルが出版している絵本。知り合いの本屋で見かけ、一目惚れして仕入れました。イラストに加え、さまざまな柄の布や写真のコラージュもまじえた美しい一冊です。主人公の『ぼく』の暮らしには、何も起こりません。でもページをめくるたびに、部屋の中にじっとしても人の心は動いていることが伝わる、詩的で叙情的な内容です。そして『また明日』と終わるこの絵本には、何も起こらない一日も大切な一日なんだと教えられる気もします。人の暮らしは、朝起きてコーヒーを淹れ、朝食を作って食べ…と、毎日の“普通”の積み重ねでできています。普通のことをするのは、意外と難しい。毎日の暮らしが愛おしくなり、部屋を整える気持ちも湧き上がるのではないでしょうか」(落合さん

存在感のあるZINEや小冊子はディッシュスタンドでディスプレイすれば、サイズ違いでもスッキリした印象に。

棚の中にさらに木箱を入れ込めば、背の低い書籍もデットスペースを作らず収納できる。

本棚は木本来の色味を生かして、ナチュラルな雰囲気で統一。

ブックスタンド代わりに木片で隙間を埋め、背表紙を見せて収納。

もともとあった柱や骨組みを棚として活用。時を感じられる味わいも魅力。

絵本のワンシーンのような可愛い小物も本棚のあちこちに並ぶ。

表紙のデザインが面白い自費出版本や絵本は、面で展示。省スペースで収納力は抜群。

まとめ

天井まであるガラス窓の外には、浅草の穏やかな町並み。ゆっくりと時間が流れる中、可動式の本棚を動かせば広々と使えるフリースペースが現れ、限られた空間を最大限に使う知的な工夫にも刺激をもらえる魅力的な書店です。

Readin’ Writin’ BOOKSTORE

  • 住所:台東区寿2-4-7
  • 営業時間:12:00~18:00
  • 定休日:月曜
  • 問い合わせ:03-6321-7798
  • http://readinwritin.net/