東日本大震災以降、高まる地震対策への意識。けれど、住まいの家具類の耐震をお忘れでは?
ここでは耐震収納の必要性と正しい知識を紹介。毎日の生活に無理のない範囲で安全性に配慮した美しい収納をめざしましょう。

HOUST 編集部

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住まいにおける安全な家具の配置を行ったあとは、「“3ない”のチェックを行います」と語るのは災害リスクアドバイザー・松島康生氏。
松島氏によれば、「大地震発生時、家具類は凶器へと変貌します。安全対策として倒さない、出さない、落とさない、の3つがポイント。家具と対策器具の特性を把握し、効果的な対処を講じることが大事です」
まずは、転倒防止策。地震発生時に最も危険とされる家具類の転倒を防止する一般的な対策器具として、L型金具、つっぱり棒などがあります。家具類が倒れるときは揺れによって後部が浮き上がるので、その後部の浮きを防ぐ固定を行うことが肝要。こうすることによって縦揺れの地震にも横揺れの地震にも備えることができます。
L型金具は、大きな効果が期待できますが、取付け壁や柱に穴を開ける必要があるため、抵抗を感じる人は、粘着タイプを。つっぱり棒は取付ける位置に注意。家具の前面ではなく、壁側の天井の桟にかかる位置に取付けます。但し、背の低い家具には不向きです。このほか、吸着力で固定する耐震マットや、床と家具の間に差し込む傾斜板など、さまざまなバリエーションが販売されている転倒防止アイテム。家具類をがっちり固定したものの、日々の生活が不便になってしまった…なんていうケースに陥らないために、無理のない範囲でライフスタイルにあったものを選んでいきましょう。 「実は、空の段ボール箱も思いがけない活躍をするんです」と松島氏。背の高い箪笥やクローゼットなど天井までの隙間が30〜40cmほど*なら、空の段ボールでしっかり隙間を埋めて固定すれば十分効果を発揮。一度に全ての部屋を完璧にしようとすると時間もお金もかかってしまいます。取り入れやすい器具を活用しながら上手に工夫していきたいものです。
*段ボール箱の高さでしっかり隙間が埋められる程度

(つづく)

ゲストプロフィール

松島 康生さん


東京都出身。災害リスク評価研究所代表。災害リスクアドバイザー。これまで行政向け防災コンサルタントとして地震被害想定調査や地域防災計画、ハザードマップの業務に携わる。現在は災害リスク評価研究所を設立し、住宅や企業向けに地震や風水害が発生した時の危険度をあらかじめ調査し、防災対策のアドバイスを行う。
→http://www.saigai-risk.com

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