ミラノサローネ2016(後編)

こんにちは!
GWも終わって日増しに気温も上がってきたこの頃ですが、前回の続きということで、ミラノサローネの視察で気になった家具や照明、インテリアアクセサリーなどを取り上げたいと思います。

素材そのものを活かしたミニマルなプロダクトデザインが主流?

まず今年に発表された新作家具などの傾向を思い返すと、展示会場やショールームの演出や空間構成などに趣向をこらしたブランドが多かった反面、プロダクトとしては非装飾的、ミニマルなデザインが目立っていたように思います。

素材としては近年のトレンドが継続している感じですが、真鍮やゴールドに加え、大理石などの天然石を使ったものは相変わらず多く、これは家具や照明、小物など全般的に共通していました。

ポール・コクセッジがデザインした一人掛けソファ

オランダのブランド「モーイ」から発表された、ポール・コクセッジのデザインした一人掛けソファ。大理石の本体にシートクッションを設置してあります。

オランダのブランド「モーイ」から発表された、ポール・コクセッジのデザインした一人掛けソファ。大理石の本体にシートクッションを設置してあります。

さて、そんなことを思い出しながらこれからは単純によかったもの、強く記憶に残ったものを紹介していきます。
まずは目にしてとにかく驚いた、「モーイ」から発表されたソファです。

思わず触りたくなる量感のあるこのフォルム。なんと本体は6トンもの大理石の塊から切り出して作られています。
一体この状態でもどのくらいの重さなのか、どうやってここまで運んだのかなど、色々気になってしまいますね。

それにしてもこのサイズで一人掛けにしかならないあたりも凄いです。

「フリッツ・ハンセン」の新しいアクセサリーライン『オブジェクツ』

ミラノのショップ内で、キャンドルホルダーやフラワーベース、クッションにブランケット、トレイなどが揃う新しいアクセサリーライン『オブジェクツ』を発表した「フリッツ・ハンセン」。複数壁に取り付けた円形のミラーは、スタジオ・ロソのデザイン。

ミラノのショップ内で、キャンドルホルダーやフラワーベース、クッションにブランケット、トレイなどが揃う新しいアクセサリーライン『オブジェクツ』を発表した「フリッツ・ハンセン」。複数壁に取り付けた円形のミラーは、スタジオ・ロソのデザイン。

続いては「フリッツ・ハンセン」から登場した壁付けの円形ミラーです。

このミラーはステンレススチールの表面に様々な特殊加工を施してあり、虹を連想させる色のグラデーションを纏っています。
何とも言えないその雰囲気に魅了され、とたんに欲しくなってしまったほどです。会場となったショップ内は、デンマーク人のスタイリスト、クリスティーヌ・ルドルフが、”アトリエ”をテーマにスタイリングしていて、その演出も見事でした。

コンスタンティン・グルチッチが魅せる新作家具

中央に置かれた黒いテーブルのような家具が、コンスタンティン・グルチッチの新作。市内の「カッシーナ」のショールーム内で発表されたものです。サイズや形状の異なる全5種類のデザインが揃います。会場では合わせて置かれた小物などのアレンジも勉強になりました。

中央に置かれた黒いテーブルのような家具が、コンスタンティン・グルチッチの新作。市内の「カッシーナ」のショールーム内で発表されたものです。サイズや形状の異なる全5種類のデザインが揃います。会場では合わせて置かれた小物などのアレンジも勉強になりました。

次はこちら、「カッシーナ」から発表された、コンスタンティン・グルチッチの新作です。

これは、テーブルとして、または小物やオブジェを載せる什器としてや、間仕切りとしてなど、ユーザーが自由にその使い道を見出す家具となっています。5mm厚の金属板をレーザーカットし、その後に折り畳んで成形されています。グルチッチが昔に「クラシコン」というメーカーから発表したサイドテーブルのシリーズを思い出しましたが、見た目も造形もより男性的。店舗什器などにも使えるなと思いました。

フランスの建築家、ルディ・リチオッティの置き型ランプ

イタリアの照明メーカー、「ネモ」のショールームで発表された、建築資材としてお馴染みのH鋼そのままの置き型ランプ。デザインはフランスの建築家、ルディ・リチオッティによるものです。

イタリアの照明メーカー、「ネモ」のショールームで発表された、建築資材としてお馴染みのH鋼そのままの置き型ランプ。デザインはフランスの建築家、ルディ・リチオッティによるものです。

そして、これと似た雰囲気で、かつ良かったのが「ネモ」から発表された照明です。

建築資材としてよく使われている鋼材のH鋼に光源をセットしただけという感じのもので、ハードなルックスにやられてしまいました。
縦にしても横にしても使えるようになっています。素材や造形を生かして新しい機能を付加させた、その転用の手法が秀逸です。
このラフで重厚な素材感もとても新鮮に見え、現場で購入したい欲が湧きました。

「ロッサナ・オルランディ」が手がける、リベスキンドのレジデンス!

ミラノの家具業界ではお馴染みのデザインギャラリー兼ショップ、「ロッサナ・オルランディ」がスタイリングしたレジデンスがサローネ期間にお披露目に。ここは1Fのロビー空間。このレジデンス自体はスタジオ・リベスキンドが設計している。

ミラノの家具業界ではお馴染みのデザインギャラリー兼ショップ、「ロッサナ・オルランディ」がスタイリングしたレジデンスがサローネ期間にお披露目に。ここは1Fのロビー空間。このレジデンス自体はスタジオ・リベスキンドが設計している。

では最後に、家具や照明の組み合わせ方がとても好みだった展示を紹介して締めくくりたいと思います。

毎年必ずサローネ期間に足を運ぶギャラリー兼ショップ、「ロッサナ・オルランディ」が、リベスキンドによって設計されたレジデンスのペントハウスのスタイリングを手掛けていると聞きつけ見に行きました。

実際はレジデンスの高層階の一室がその会場になっていてそちらも興味深かったのですが、自分はそこよりも1Fのロビーに釘付けになりました。ダニエル・リベスキンドがデザインした「モローゾ」のソファに、ストゥディオデフォルムがデザインしたチェコのブランド「ラスヴィット」のフロアランプ、アート作品などを組み合わせた空間…。

コンテンポラリーなデザイナーズ家具をブランドに関係なく、アートと組み合わせ自由に編集して構成していく空間作り。自分にとっては、やはりここに面白みを感じるのです。日本ではあまり体験できない空間作りのエッセンスを存分に吸収でき、興奮した瞬間でもありました。

以上、2016年のミラノサローネで見たもの、感じたことをご紹介させて頂きました。

では、また!