かさばる布団を傷めずお手入れ&収納

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収納する前後のお手入れで差がつく布団ケア

1日のおよそ1/3の時間を眠って過ごす私たちにとって、寝具は欠かすことのない大切なアイテムです。眠りの質を左右する寝具は、清潔さを保ちながら長く使い続けたいもの。
ですが、布団や毛布などは厚くてかさばるものが多く、シーズンオフの時季にお手入れや収納に困ってしまうご家庭も多いようです。

生活研究家 阿部絢子さんいわく、
「シーズンオフの寝具については、収納している間の湿気などを心配する方が多いのですが、実はしまう前後のお手入れこそが肝心。これをおろそかにすると、収納している間にカビたり虫がついたりといったトラブルのもとになりますし、いざ使う時にベストなコンディションを保てません」
今回は布団を中心に、寝具のお手入れと収納について紹介します。

布団をしまう前のお手入れとして阿部さんが最も重視するのが「風通し」。湿気を飛ばすことで、カビやダニなどのダメージを抑えることができます。
布団を干す際は、
「誤解しがちですが、日光よりも『風』に当てるのが目的。物干しざおに二つ折りにして掛けると風が通りにくいので、さお2本に渡したり、椅子などを活用してM字になるようにするとよいでしょう」(阿部さん)
干すタイミングも重要です。天気のよい日の「10時〜13時」までがベストタイム。夕方まで干しっぱなしにすると、空気が湿って逆に湿気を吸ってしまう結果に。
「掛け布団、敷布団ともに、取り込む前に洋服ブラシで表面を払いましょう。湿気を取り除くことで、布団についていたダニは弱っています。そこで、取り込んでからまんべんなく掃除機をかけると、残ったダニを吸い取ることができるのです」
あればふとん用アタッチメントを付け、なければ「床用の“弱”」に設定して、縦→横と十文字になるようにゆっくりとかけましょう。
お手入れが済んだら、収納します。くわしい収納の仕方は後述をごらんください。

次に、使用前のお手入れについても確認しましょう。
「布団は使用する2日前には収納場所から出し、しまう前のお手入れと同じやり方で風を通します。中に空気が入ってふんわりとし、保温力がアップしますよ」と阿部さん。
特に客用布団が必要な時は、直前になってあわてないよう余裕を持ってお手入れしましょう。

布団の素材を確認し、収納する

「布団の収納はどれも同じ」と思い込んでいませんか? 実は中に入っているものの素材ごとに、気を付けるべきことなどは異なります。タグの製品表示を、さっそく確認してみましょう。よく使われているのは、次のような素材です。

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●ポリエステル
合成繊維でできており、耐久性が高い。大量生産できるため、リーズナブルなものが多い。
「水分をほとんど吸わないため、内容量が1㎏ならばほぼその通りの重さになります」(阿部さん)

●羽毛・羽根
軽く、保温性にすぐれているのが特徴。メーカーや種類によっては高額なものもある。ダウンが50%以上含まれているものを羽毛布団、スモールフェザーが50%以上含まれているものを羽根布団と呼ぶ。

●木綿・混綿
ふっくらとした弾力性を持ち、あたたかく、吸湿性も高い昔からおなじみの素材。ポリエステルなどの合成繊維を混ぜているものも。
「吸湿性にすぐれる反面、そのために重量以上に重く感じることがあります。放湿が苦手なので、湿気には要注意です」(阿部さん)

●羊毛(ウール)
吸湿性・放湿性ともに高く、あたたかく高級感のある素材として知られる。
「敷布団に使われる素材。家で洗濯できないので、クリーニングが必須です」(阿部さん)


寝具は、ふだん使いなら出し入れの際に風が通るので、押し入れやクローゼットの下部にしまっても大丈夫。
シーズンオフの布団は、布団ケースに入れてから収納するのが基本です。ホコリなどを防げるだけでなく、かさばりがちな寝具がまとまり、出し入れもしやすくなります。ただし、重くなるものは天袋に入れると出し入れの際に大変なので、下の方へしまいましょう。
「マンションなど昔ながらの押し入れがない場合、筒形や4つ折りにできるタイプの布団ケースを使いましょう。収納スペースが少ない場合は、圧縮袋を使うのも手です」
その際、素材ごとに注意するべき点をチェックしましょう。

●ポリエステル
変化に強く、扱いやすい素材。
「丸めたりたたんだりと場所に合わせて変形させて大丈夫。圧縮袋を使えば省スペースで収納できます」(阿部さん)

●羽毛・羽根
「『ダウン』と表示されているなら、ダウンボール(胸毛)だけなので弾力性が高く、圧縮袋に入れても大丈夫。『スモールフェザー』は羽軸を持つため、圧縮すると折れたりちぎれたりしてしまうので避けましょう」(阿部さん)

●木綿・混綿
木綿は空気や水分をそれほど含まないため、みっしりと重く、圧縮しづらい素材。「筒形の布団ケースに入れ、立てて収納すれば取り出しやすいですよ」(阿部さん)

●羊毛(ウール)
天然素材を圧縮したもの。「圧縮袋には入れない方がいいでしょう」(阿部さん)

その他の寝具のお手入れも忘れずに

最後に、布団以外の寝具のお手入れや収納についても阿部さんに伺います。
「羊毛(ウール)製品は、布団と同様にクリーニングへ出します。家で洗える素材の寝具は定期的に洗うと清潔に保つことができます」
洗った後の干し方は、布団と同様です。

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●毛布・肌がけ・キルトケットなど
洗える素材で洗濯機に入る大きさのものは、「大物洗い」「毛布洗い」などのコースで洗う。洗濯機に入らなければ、肌に触れて汚れやすい襟もとの部分を、中性洗剤を薄めた水に浸して固く絞ったタオルで叩き拭きする。

●枕カバー
汗や皮脂の付きがちな枕カバーは、こまめな洗濯を行う。

●ベッドカバー、シーツ
洗える素材で洗濯機に入る大きさのものは、洗濯機で洗濯。
阿部さんは、「私はシーツのアイロンがけが苦手なので、洗える素材でもあえてクリーニングに出しています。手間や時間を考えて、上手に外注サービスを利用するのも手です」

●電気毛布・電気ひざかけ
コードを取り外して洗える製品もあるが、阿部さんは万が一のトラブルを考えるとおすすめしないそう。
「布団と同じように風干しとブラッシングをします。汚れがひどいようなら、中性洗剤を薄めた水に浸して固く絞ったタオルで拭いてから乾かしましょう」
収納する際は、専用の布団ケースが付属していない場合が多いので、シーツなどにくるんでからしまいましょう。

最後に、阿部さんが提案するのは、汚れを予防するためのひと工夫。「あらかじめ掛け布団に襟カバーを付ける」など、カバーを活用することで、お手入れをラクにできます。