キッチンの動線を考える(1/4回)

暑い日が続く中、「料理を作るだけで疲れる」という方は、もしかしてキッチンでの物の置き方・しまい方に原因があるのかもしれません。ムダに動きまわることなく、手早く調理できるキッチンとは? 生活研究家・阿部絢子さんに教わりました。

自身の動線を把握し、作業効率のよいコンロまわりについて考える

「キッチンでのものの配置と収納で重要なことは、適切な”動線”を意識することです」と生活研究家・阿部絢子さんは語ります。

動線とは、キッチン内を移動するときに通る道すじを線で表したもの。動線が長すぎたり、ジグザグに行ったり来たりしていたら、それは調理中の動きにムダが多いということ。必要最低限の動きで済むように、物の配置と収納を見直しましょう。ポイントは、

  • ①不要な調味料や調理器具を溜めこんでいないか見直し、必要な物だけにしぼる。
  • ②適切な動線になるよう、配置・収納する。

の2つ。①は第2回『調理において必要な調理器具、調味料の整理分類』で、②の収納については第3回『動線をふまえた指定席を決める』で詳しくご紹介します。

まずは動線にムダのないキッチンとはどういうものか、阿部さん宅を例に見てみましょう。

イラストのように、入り口から時計回りに冷蔵庫→棚→食器棚、向かいにガスコンロ→作業台→シンクとなっています。この配置なら、

  • ①冷蔵庫から食材を取り出す
  • ②向かいのシンクで洗う
  • ③隣の作業台で食材を切る
  • ④隣のガスコンロで加熱調理する
  • ⑤後ろの食器棚から食器を取り出す
  • ⑥隣の作業台で盛り付ける
  • ⑦シンク前のカウンターに載せる(→キッチン横のリビングへ運びやすくする)
  • ⑧多めに作った料理を、シンク後ろの棚にしまってある保存容器を取り出してしまい、冷蔵庫へ保管する

という一連の調理作業が、一方通行で円を描く動線で表せます。つまり、行ったり来たり、作業中にいろいろな場所から物を取り出すような余計な動きをせずに調理できるということ。

「調理には”流れ”があるので、それに逆らわずに動ける物の配置・収納が合理的です」

ご自宅のキッチンを振り返り、調理中の流れを思い出してみましょう。理想は阿部さん宅のような「回遊型」。もし左右前後に動き回ったり、あちこちひっくり返さなければ目当てのものが出てこないようなら、配置・収納を見直す必要があります。

さらに、阿部さんのキッチンで特徴的なのは、ガスコンロやシンク周りにほとんど物がないことです。

「ガスコンロ周りに調味料や調理器具をじかに置けば、手に取るのはラクでしょうが、掃除のときは物をいちいちどかさなければならないのでとても大変になります。調理後の汚れをサッと拭き取れるよう、あえてものを置かないようにしています」

キッチンは食品を扱う場所なだけに、不衛生にならないよう調理後の掃除までスムーズにできることを重視しているのです。

このように、キッチンで行う作業すべてが滞りなく行えるように考えた上で、ものを配置するようにしましょう。細かい収納の仕方は、第3回『動線をふまえた指定席を決める』でご紹介します。

(つづく)

7月のテーマ「動線を考えたコンロ・シンクまわりの整理収納」