取り出しやすくしまいやすい、冷気の通りまで意識した冷蔵室収納(2/4回)

これからの季節、食品は油断するとすぐに傷んでしまいます。「冷蔵庫に入れたから安心」と思っていても、中がごちゃごちゃしていて必要なものを取り出せなかったり、入れたものを忘れてしまったりしては、結局は食品をムダにすることに。生活研究家・阿部絢子さんに正しい冷蔵庫の整理収納術を教わりました。

冷蔵庫に収納する食材の量は、6割程度が目安

さて、買物から帰ってきて冷蔵庫に食品をしまう前に、するべきことがあると阿部さんは言います。前回『食品ロスを生まない、冷蔵庫管理の極意』、買い物の際に「食べきれない量の食品を家の中に持ち込まない」という注意点について述べましたが、パック入りの食品など、どうしても使い切れないこともあります。その場合は下ごしらえが必要です。

「傷みやすい挽肉は炒めておけば、そぼろなどにアレンジできます。足の早いモヤシは湯がけば日持ちしますし、ネギは刻んで冷凍しておけば少量使いたいときに便利です」
こうした工夫で食品をおいしく保存でき、ムダにせずに済むのです。

食品の下処理が終わったら、いよいよ冷蔵庫に保存します。ここで阿部さんの冷蔵庫を見てみましょう。現在使っているのは無印良品の300リットル弱の冷蔵庫で、ドアが1つ(冷蔵室は棚が3段)、冷凍室と野菜室は引き出しになっているタイプです。阿部さんは「冷蔵庫が大きくなるほど、整理にかかる労力も大きくなる」と考えています。

「この冷蔵庫を選んだ基準は、私の身長より低く、奥行きが深すぎないシンプルな構造であること。いずれも、冷蔵庫の中に死角を作らないためのポイントです。冷蔵庫を選ぶ際は家族の数や食生活を考慮してサイズやデザインを選ぶべきですが、むやみに大きなサイズを求めるのは電気のムダになり、管理が大変になることを忘れずに」

使いかけの食材や、小分けになったひと口サイズのものなどはトレイに入れて管理。バラバラになって散らかるのを防ぎます

使いかけの食材や、小分けになったひと口サイズのものなどはトレイに入れて管理。バラバラになって散らかるのを防ぎます

一般に、冷蔵庫に収納する量の目安は、全体の6割程度がよいとされます。これ以上に詰めてしまうと庫内に冷気が行き渡りにくく、雑菌が繁殖する原因となることも。適度なすき間を確保すれば食品の出し入れもスムーズで、ドアを開けている時間も短縮できます。

「よく残り物を鍋や皿のまま冷蔵庫に入れる人がいますが、衛生面から考えると望ましくありません。冷蔵庫内も無菌ではないので、保存するなら密閉容器に移すこと」

食事の際に使用するふりかけや佃煮などの「ごはんのお供」は、専用のトイレをつくってひとまとめに。トレイごと食卓に運ぶことが可能です。

食事の際に使用するふりかけや佃煮などの「ごはんのお供」は、専用のトイレをつくってひとまとめに。トレイごと食卓に運ぶことが可能です。

その際の密閉容器の選び方にもポイントが。見た目のきれいさを優先して、中身の見えない同じ形の容器でそろえがちですが、阿部さんのおすすめは透明で丸や四角の容器を組み合わせること。透明であれば中身が一目瞭然にわかり、そして丸や四角の容器を組み合わせれば、スタッキングした時に同じ形・サイズの容器より庫内にすき間ができ、冷気が通りやすくなる、それが理由です。

では、冷蔵室に食品を収納していきましょう。これまでにも紹介してきた「物に指定席を決める」考え方は、ここでも有効です。

まず、食品を「①最もよく使うもの」「②頻繁に使うもの」「③たまに使うもの」と使用頻度ごとに分けます。それから、①②③の順に取り出しやすい場所へしまっていきます。

阿部さんの場合は冷蔵室のうち、すぐ手に取れるドアポケットと目線の高さの2段めの棚に①最もよく使うもの(牛乳、ヨーグルト、作りおきおかずなど)をしまっています。「目線より高い位置に置くと使いづらいので、もしも冷蔵庫の背が高ければ、中身を5割程度に抑えたり、上段の食品はトレイにまとめるなどして取り出しやすくする工夫が必要です」

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次に②頻繁に使うもの(卵やミネラルウォーターなど)を、取り出しやすい最上段に。3段目には、③たまに使うもの(びん詰めにした保存食など)をしまい、チーズやみそなどは、チルドルームを定位置と決めています。
奥行きが深すぎないので、ただ食品を入れただけでも奥の物を忘れることはなく、収納用品を使う必要もないので管理がラクだそう。チョコレートなど小さなものだけはトレイにひとまとめにし、散らかるのを防いでいます。

「『冷蔵庫に何があるかな?』と考えた時、画像が浮かんでくるぐらいに把握できるのが理想。見やすく取り出しやすい冷蔵庫は、管理をラクにしてくれますよ」

(つづく)

5月のテーマ「食品・保存食品の整理収納」