クローゼットづくりのルールを知る(前編)

自分にとってほんとうに必要なものはなにかを“選ぶ”が、
ファーストステップ。

鈴木さんとご主人の衣類を収納したクローゼット。ご家族の分とすっきり分けて整理された空間を実現されています。

鈴木さんとご主人の衣類を収納したクローゼット。ご家族の分とすっきり分けて整理された空間を実現されています。

自宅のクローゼットを見渡してみると、頻繁に着ている服、もう何年も着ていない服、存在すら忘れてしまっていた服が混在しているなんてケース、多いのではないでしょうか。

「クローゼットの中になにが入っているのかわからない状態なのにも関わらず、
みなさん『どうやってしまおうか』ということばかりを考えているんですよね」というのは、クローゼットオーガナイザー 鈴木尚子さん。

今でこそ、スッキリ美しく整ったクローゼットを維持している鈴木さんですが、
アパレル関係のお仕事をされていたときは9m分のポールに服を所持していたほどのファッション好きで、片付け下手だったのだというのだから驚きです。
どうしたら、鈴木さん宅のような理想のクローゼットを手に入れられるのでしょうか。

「クローゼットづくりを考えるとき、自分にとってほんとうに必要なものはなにかを“選ぶ”というのが第一段階。ただし、選ぶことは、なにを捨てようかについて考えることではありません。自分のこれからの人生やキャリアをどうしていきたいのか、どう暮らしていきたいのかを考え、それに見合った服を選ぶことです。必要な服を選ぶことは、クローゼットづくりにおいてだけでなく自分を表現していくための大事なポイントといえます」

自分の理想のライフスタイルに合わせた使いやすいクローゼットをつくるために、まず「選ぶ」。鈴木さんの選ぶ基準は、以下の4項目。

  • ①「好きでよく使う」
  • ②「好きではないが使う」
  • ③「好きだけど使わない」
  • ④「好きではないし使わない」。

「もっている服を『使う』『使わない』に分けるのはみなさん普通にやっている方法。ですが、それでは分けられない服もあります。そこで『好き』『好きではない』という気持ちも尊重して分けてみるとよいでしょう」

そうすると、必ずでてくるのが「好きではないし使わない」もの。これはすぐに処分し、それ以外の服を残していきます。

「みなさん『もったいない』とおっしゃいますが、ほんとうにもったいないのは、使わないことであり、スペースのムダ使いをしていることです。ここで1度しっかりと自分の服と向き合うことでその後のもったいないを確実に減らしていくことが可能に。選ぶ作業は痛みを伴いますが、理想のクローゼットを手に入れるための学びだと思いましょう」

必要な服を選んだ後は、“仮置き”の期間を。

こうして自分の持つ服をすべて把握し選んだら、次のステップは「しまう」。しまう作業を行う際にポイントとしておさえておきたいのは、選ぶ作業をしながら、しまう作業について考えないこと。「選ぶ」と「しまう」作業は使用する頭が全く異なるもの。多くの方はこの2つの大変な作業を同時にやろうしてしまうため、挫折してしまうのだと鈴木さんはいいます。

さらに鈴木さんの収納ルールでは、この時点でのしまう作業はあくまで「仮置き」期間とみなします。

『好きでよく使う』『好きではないが使う』ものだけをクローゼットに戻し、すぐに取り出せる場所に収納。『好きだけど使わない』ものはボックスなどに入れて別の場所に保管します。このときは、まだ仮で構いません。アイテム別、色別など、なんとなくスペースを確保するくらいで充分。自分にとって必要なものだけに絞ると、それだけでクローゼットはぐっと使いやすくなります。そのことを実感することが何よりも大事です」

余っている収納用品などを使用し仮置き期間を経た後は、どこになにを置くと出し入れがしやすいか? どのような収納方法が適切か? を検討しやすくなっています。そうなったときに、好みのスタイルに合う収納用品を購入し、本置きを行っていきましょう。「好きだけど使わない」と迷うものも、スペースが許せば無理して捨てる必要はないのです。

自分の収納スタイルを見つけ「維持する」。

収納は一度しまったから完璧ということはなく、よりよく使うためにはどうしていくかということを常に考えていきます。一度、「選ぶ」「しまう」の作業を行い仮置きしてみたときに、「なんとなくやりにくいな」と感じた気持ちを有耶無耶にしてはいけません。

「ちょっとしたストレスを見逃さないこと。どうやったらうまくいくかなと考えていくと、クローゼットも暮らしもどんどん整い心地よくなっていくと思います」

季節の変わり目などに計画的に手持ちの服を見直したり、自分に合ったやり方に改善していくことが、維持するためには大切なこと。見直しのときは、また選ぶ工程から繰り返していきましょう。

「整理されたクローゼットがないと自分を表現するための服も決められませんし、おしゃれも楽しめません。すべてつながっているのです」と鈴木さん。

クローゼットの大切さをもっと理解して自分の収納スタイルを見つけられたら、いままで隠す場所だったクローゼットも扉を開けるたびに心が躍る心地よい空間に変わりそうです。

(つづく)