長く使える良い収納家具と出会いたい…。そんな願いから今回、注目したのが「和家具」。一点物の存在感に加え、壊れても直せて何十年と使い続けられる和家具は、もっともエコな家具と言えるかもしれません。使ってこそ良さが実感できる和家具に、新たな命を吹き込む術を、創業70年の和家具アンティークの専門店「アンティーク山本商店」に伺います!

HOUSTO 編集部

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お題「棚板の位置や数を変える」

和家具も、収納したいものに合わせ、棚板の位置や数は変えられます。初心者でもできる簡単な方法から職人技まで、3つの方法を教えてもらいました。

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山本商店3代目店主・山本さん

本箱に食器や洋服をしまったりと、本来の用途にとらわれず暮らしに合わせて自由に使うのも、和家具の楽しみ方です。A4の書類やCD、食器のサイズに合わせ、棚板の位置や数は変えられますよ。

棚板の位置を変える<初級編>

BEFORE

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波ガラスの開き戸がレトロな温かみを醸し出す、昭和30年代の本箱。2枚の棚板の高さは、それぞれ3、4ヶ所の切り込みの範囲内で変えられる。

この棚の仕組み

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内側の四隅にある切り込みに「棚受け」という棒を渡し、その上に棚板を渡す仕組み。高さを変えるのにいちばん簡単なのは、板で棚受けを作るやり方。

板で棚受けを新設する<初級編>

STEP1 棚板の高さを決める<直伝!真似テク>

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棚板の高さは、今回は単行本(18cm強)が収納できる20cmにする。ちなみに文庫本の高さは約15cm、CDは約12cmなので、それぞれ指1本が入る隙間を足した高さにすると良い。

STEP2 棚受け板を作る<直伝!真似テク>

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板の20cmのところに印を付け、同じサイズで2枚カットする(ホームセンターでもカットしてもらえる)。カットしたら実際に棚に置いてみて高さをチェック!

STEP3 オイルステインで着色<直伝!真似テク>

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本体の色味に合わせ、オイルステインで着色する。

AFTER

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棚受け板を左右に立て、その上に棚板を乗せるだけで、簡単に好みの高さに変えられる。棚受け板は、収納物の重みで倒れないので、固定しなくても良い。

棚受けを新設して棚の位置を変える<中級編>

もし引っ越しなどで棚受けを紛失してしまっても、作ってしまえば大丈夫!同じ棚でも、初級編の棚受け板よりも見た目がスッキリし、完成度の上がる方法だ。

STEP1 既存の棚受けからサイズを測る<直伝!真似テク>

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既存の棚受けを使って購入した棒に同じサイズとなるよう印を付ける。古い家具は経年により木材に歪みが出ていることもあるので、実寸で測るのが基本。

STEP2 同じサイズにカット<職人技!>

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ノコギリでカットし、電動ヤスリで表面をならす。高さが違う場合は糸鋸でカットする。

STEP3 調整してはめ込む<直伝!真似テク>

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カットしたらカンナでまっすぐにし、触れてもケガをしないよう紙やすりで角を丸くする。ピッタリはまるかチェックし、キツければサンダーで微調整しながら仕上げる。

AFTER

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新しい棚受けも、違和感なく収まった。カットする時、短くなってしまったら取り返しがつかないので、鉛筆の印を少し残すようにカットし、少しずつ削りながら調整するのがポイント。 食器や雑貨など、収納したい物に合わせて棚の高さは自在に調整できる。空間を自分好みに変えて使えば、家具への愛着もまた深まりそうだ。

次回は、上級編の「段数を増やす」をご紹介します。

時代和家具の店 アンティーク 山本商店

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下北沢で70年続く時代和家具の専門店。明治、大正、昭和初期の時代和家具と雑貨が、常時1500~2000点ほど揃う。地下1階から2階まで所狭しとディスプレイされたアンティークの和家具は、すべてメンテナンス済み。「使ってこそ良さを実感できる」とのポリシーから、仕入れた和家具は1点ずつ丁寧に職人が手入れし、新たな命を吹き込んでいる。お手入れ方法や家具の特性は、和家具を愛するスタッフがアドバイスしてくれる。価格も数千円からとリーズナブルで、幅広い年代の和家具ファンが足繁く通う人気店。

  • 時代和家具の店 アンティーク 山本商店
  • 東京都世田谷区北沢5-6-3
  • 営業時間 11:00~19:00
  • 定休日 月曜日 ※祝日の場合営業し、翌火曜日が振替休日
  • 問い合わせ
  • 03-3468-0853
  • http://www.antique-yamamoto.co.jp/