前回に引き続き、棚の使い勝手をリペアする方法をご紹介。今回は段数を増やして収納力をアップさせる方法を直伝!(前回の記事はこちら
段数を増やす<上級編>
BEFORE
上に飾り棚が付いたタイプの昭和30年代の本箱。棚板はゆったりと高め。今回はこの棚板を足すことで段数を増やし、収納力を上げる。
この棚の仕組み
棚受けは、ニカワなどの接着剤で貼り付けた上、釘で固定されている。この棚受けを一度外して、棚を増設する。
STEP1 棚受けを外す<直伝!真似テク>
革漉きという道具を使い、棚受けを外す。本体に接着剤が残っていたら、ヤスリなどで擦り落としておく。
STEP2 既存の棚受けを整える<直伝!真似テク>
既存の棚受けは再利用するので、刺さっている釘は抜き、サンダーかヤスリで接着剤や汚れを落としておく。
STEP3 新しい棚受けを作成<直伝!真似テク>
既存の棚受けを、同じ厚みの木材に当ててサイズを測り、同じ長さにカットする。角はヤスリで丸くしておく。
STEP4 配置を決める<直伝!真似テク>
厚さ12mmの棚板を合計2枚にする場合、棚の内側の高さ(625mm)から2枚分の棚板の厚み(約25mm)を引いた600mmが、使える空間の大きさとなる。その範囲内で、収納したい物に合わせて空間の割り振りを決める。
STEP5 棚板の高さを決める<直伝!真似テク>
今回は3段の収納スペースのすべてを200mmの高さにする。まずは下段をつける位置を、下から200mmのところに鉛筆で印をつける。上段をつける位置は、下の線に板厚(12mm)を足したところから200mmのところに印をつける。
STEP6 棚受けを固定する<直伝!真似テク>
STEP3で作った新しい棚受けにキリで釘穴を開ける。穴の位置は、既存の棚受けとできるだけ揃える。次にオイルステインで着色。より強度を出すため接着剤を塗り、貼り付けたら釘で固定する。
STEP7 棚板を作る<職人技!>
既存の棚板と同じサイズに板をカットしたら、カンナでまっすぐにし、全体にヤスリをかけて表面の毛羽立ちやトゲを取る。
STEP8 オイルステインでなじませる<直伝!真似テク>
STEP7でカットした棚板をオイルステインで着色し、既存の棚板と色味を合わせる。打ち付けた棚受けに乗せたら完成。
AFTER
棚板を新設し、使いやすい大きさの3つの空間に分けられた。棚受けは、釘よりネジで留めた方が強度は出るので、収納したい物の重さによって変えてもいい。
まとめ
棚板の高さを変えたり、棚板を増設するだけで、使い勝手はぐっと良くなる。今回リペアした本箱にはさまざまなタイプがあり、A4の書類、食器や洋服、CDやDVDなど、大切なコレクションを雰囲気良く収納してくれる。和家具の使い方は、思いのほか自由なのだ。
時代和家具の店 アンティーク 山本商店
下北沢で70年続く時代和家具の専門店。明治、大正、昭和初期の時代和家具と雑貨が、常時1500~2000点ほど揃う。地下1階から2階まで所狭しとディスプレイされたアンティークの和家具は、すべてメンテナンス済み。「使ってこそ良さを実感できる」とのポリシーから、仕入れた和家具は1点ずつ丁寧に職人が手入れし、新たな命を吹き込んでいる。お手入れ方法や家具の特性は、和家具を愛するスタッフがアドバイスしてくれる。価格も数千円からとリーズナブルで、幅広い年代の和家具ファンが足繁く通う人気店。
- 時代和家具の店 アンティーク 山本商店
- 東京都世田谷区北沢5-6-3
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