今月から、HOUSTOの編集部「中の人」のコラムがスタートします! 今週は、編集部・栗谷川が、暮らしづくりのヒントにしている本を紹介します。
みなさま、はじめまして。
HOUSTO編集部の栗谷川です。
2020年の2月、毎日記事を楽しみに、訪れてくださるみなさまに支えられ、
HOUSTO おウチの収納.comは5周年を迎えます。
いつも遊びに来ていただいて、本当にありがとうございます。
5周年を記念して、今月からHOUSTO編集部員によるコラムをスタートします。
取材の中で感じたこと、暮らしに生かしていること。
また普段の暮らしの中で実践している収納テクニックなどをお伝えしていきたいと思っています。
箸休めになるような、ゆるーい更新になると思いますが、どうぞよろしくお願いします。
さて、一回目は私が「暮らしと収納」について影響を受けた本をご紹介。
値段にできないモノの価値を知ること
家が散らかり、片付けができない最大の理由が「ものの多さ」。
私もこの問題に悩まされるひとりです。
私は引越しが多く、ここ10年で6回引越しをしています。
その度に大量に不要物をリサイクルセンターに売りに行っていて、「わ!臨時収入!」なんて喜んでいるのですが、そもそも買った時は売った時の何倍の金額で買っているの……と思うと、かなり気持ちが凹みます。
「次から次にモノが増えていくのは、生活していれば自然のこと!」と思っていたのですが、私はモノのセレクトがかなり甘いのかもしれません。
覚悟なく買うから、次々と手放していくことになるんですよね。
ということで、紹介したい1冊がこちら。
私のホームタウン、岩手県の手仕事「ホームスパン」を1冊まるまる贅沢に使って紹介した本です。
HOME(家で)+SPUN(紡ぐ)。
羊を育て、その羊毛を洗い、その土地の草木で染め上げ、自ら紡ぐ。
長い時間をかけてできあがったウールを使って作られた毛織物が、ホームスパンです。
通常、大量生産のラインでつくられるウール製品ですが、北国・岩手では昭和初期から自宅で羊を飼う本当のスタート地点からこの工程でつくられ、その固有の手仕事がおばあちゃんから娘へ、そして孫へ伝えられながら守られています。
丁寧な工程の生産者を追っかけて、綿密な取材をして作られたこの本。
羊の命から作られ、草木を使って染めていく丁寧さを知ると「一つのモノ」の価値が驚くほど変わります。
値段には変えられない価値と感じるけれど、ホームスパンは芸術品ではなく売り物で、そしてやはり高価です。
身の回りすべてのものにこだわりを持って選んでいくことはお財布的にも時間的にも難しいもの。
でも、買い物中に「わー!かわいい!欲しい!」となってしまった時、この本のことを思い出して、それを数年後大切にできるのか、問いかけるようにしています。
収納のテクニックを磨くその前に、アイテムを見定める目もしっかり磨いていきたいと感じる今日このごろです。
編集部・栗谷川