今週は、ライターの増渕が椅子の多様な活用方法についてお届けします。

ライター・増渕

ライター・増渕

旅行・ドラマ・映画・絵本・ネコ・クジラ・カマキリなど生き物が大好き。都内で 2 匹のネコ たちと同居中。整理収納アドバイザー。

リビングの主役になる大きなソファと違って、ダイニングに置かれている椅子は、なんとなく脇役的な存在になりがち。今回は、そんな椅子に注目しました。椅子といっても、北欧テイストのスタイリッシュなデザインや、趣のあるアンティーク調のもの、シンプルな天然木のもの、機能重視のデスクチェアや簡易な折りたたみチェアなど、素材やデザインは実に多彩。ゆったりと過ごすブックカフェなどでは、思い思いの寛ぎを演出するために、あえて違うデザインの椅子を取り入れることで居心地のいい雰囲気をつくっていますよね。

わが家にもソファのほかに椅子はありますが、ゲストが訪れない限り、なかなか出番がないのが現状。そこで空いている椅子を小さなディスプレイスポットにして、リビングのインテリアにしています。海外で入手した絵本や、作家さんの雑貨、多肉植物など、飾るものはさまざま。椅子の座面は、猫さん御用達のお昼寝スポットでもあるため、飾りつけ途中にちょいちょい破壊されますが…(笑)。

また、シンプルなデザインの椅子は、カバーリングやクッションなどの小物使いでイメージが一新できるので、夏は涼しげなリネン素材のレースを掛けたり、冬はモフモフ素材のクッションを置いたり、季節を感じさせるアレンジも楽しいですね。

むかしむかし、基地やお城になった椅子

こどものころ、椅子は一人遊びのメインステージでした。椅子を逆さにしたり、横倒しにしたりして、あるときは人形たちのお城に、またあるときは、ヒーローと怪獣が戦う舞台になったりしていました。大人になると同じように椅子を倒してみても、オリジナルの冒険ストーリーが誕生することはすっかりなくなってしまいました。そういえばこどものころは、道に落ちているキレイなボタンとか、変わった形の石とか、道端に咲く可愛い野花とか昆虫とか、色んな宝物を見つけていたのに、わくわくしながら歩いたあの道は今、大急ぎで歩く単なる通路になってしまった気がします。こどものころの視線に戻れたら楽しいだろうな…。

暮らしに寄り添う、椅子の使い方って?

わが家では日常空間のアートスポットとして活躍してくれる椅子。それ以外にも、ソファの横に置いてカフェタイムのサイドテーブルになったり、高い所からモノを取り出すときの踏み台になったり、よく使うバッグや洗濯物の一時置きスペース(ついつい便利なので)になったり…。椅子は暮らしの中で、いろんな役割をさらりとこなしてくれています。それでも、きっと一番幸せな椅子は、ほっこり寛ぎながら誰かに座ってもらうこと。テーブルを囲むみんなの賑やかな会話を聴きながら、家族とともに楽しい想い出を紡いでいく。ちょこんと置かれた小さな椅子に、ちょっと注目してみませんか?