今週は、ライターの増渕が日常で見つけた小さなモノについてお届けします。
「四季に寄り添う、ていねいな暮らし」など、豊かなライフスタイルをテーマにした取材を通じて学ぶことがたくさんあります。自分自身は日々わちゃわちゃと仕事に追われ、「ていねい」とは縁のない毎日ですが、心の奥底ではゆとりのある暮らしをいつも思い描いています(笑)。今回は、取材で学んだことを通して、日常で見つけた小さなモノたちをご紹介します。
その1:旬の恵みを楽しむ、「干し野菜」
昔から保存食として親しまれてきた「干し野菜」ですが、近年は自宅で手軽につくれる自然食として注目を集めています。ミニチュアの椅子に置かれた小さなバッグに入っているのが、取材先でいただいたキノコや人参を天日で干した野菜たちです。
見た目はシナシナですが、太陽の日差しをたっぷり浴びて旨みがギュッと凝縮。炊き込みご飯や味噌汁に入れると、ふっくらと膨らんで新鮮な野菜に戻り、保存も効くし、とても便利なんです。食材を切って干すだけなら、私にもできるぞ!ほら、ほんの少しずつ「ていねいに紡ぐ暮らし」に近づいている…はず(笑)。
その2:きちんと向き合う、「ふきん」の一生
「キッチンで使うふきんってすぐ汚れるし、100円ショップで十分でしょ」と思っていましたが、ある取材先で昔ながらの蚊帳ふきんの魅力を知ってから、「ふきんの一生」を考えるようになりました。ふきんの一生というと、ちょっと大げさですが、生まれたての新品のときはお皿拭き、成長したら台ぶきん(写真左)、ボロボロになったら(写真右)床掃除に使うというストーリーです。
昔から愛用されてきた蚊帳ふきんは、最初はパリパリなのに洗うとふんわり柔らかくなるし、たっぷり水気を吸うのに風通しがよくて乾きやすい。固形せっけんでゴシゴシ洗うと、キレイになって気分もすっきり爽快!とことん使いきることこそ、モノへの愛情なのだと感じる今日この頃です。
その3:すくすく愛着を育む、手づくりの作品
ハンドメイドは苦手だけど、「つくれたら楽しいだろうな」という憧れはずっとあります。取材先で教えていただいたこの可愛いポプリ入れは、余ったレースの端を重ねて縫い、リボンで結ぶだけという、まさにぶきっちょな私でも試してみたくなる初心者向けの作品。久々のお裁縫に苦戦しつつ、なんとか完成。
中には、ポプリの代わりにハーブの香りをつけた小さなポンポン玉を入れてみました。さて撮影しようと置いた途端、さっそく猫さんに発見され、目新しいおもちゃとして没収されました(笑)。
「ほら、簡単でしょ?」は、きっと魔法の言葉。「苦手だし、ちょっと面倒くさい」と避け続けてきたことにチャレンジしてみたくなる、不思議な言葉なんです。そして、見慣れた家の中にも、これまで注目されたことのない小さなモノたちが、自分たちが主役になる日を心待ちにしているかもしれません。
ライター・増渕