HOUSTO編集部によるコラム。今週はライター・山野井が、家の中に点在するモヤモヤ問題(ゴチャゴチャスペース)を一つずつ潰している近状をお届けします。
何年も放置していたオープンスペース
緊急事態宣言も解除され、徐々に日常が戻ってきつつありますが、なんとなく、五月病のような気持ちになっているのは、私だけでしょうか。
さて今回は、最近私が手をつけた、家の中のモヤモヤ問題の一つ、「ピアノの上」について書きたいと思います。
押入れ、冷蔵庫、食器棚など、“クローズなスペース”がごちゃごちゃしているということはよくありますが、ごちゃついたまま放置している“オープンなスペース”っていうのも、実はけっこうあると思いませんか?
なんとなく飾りつけた気分ではいるものの、ずっと同じものを置き続け、さらにモノが増え、ホコリもたんまり…みたいな、チェストの上、カウンター、窓枠といった、ディスプレイできるスペース。ありますよね。
わが家の場合は、ピアノの上が、そういうスペースでした。
こどもの写真を中心に、家族のフォトフレームをワンサカ置いて(アメリカ人みたいなイメージ、でも違う)、どこかで拾ってきた思い出の石やら、植木鉢やらを置いているうちに、だんだん、思い出の墓場みたいな状態になってしまった、わが家のピアノの上。
息子が赤ちゃんだった時代の写真をコラージュした額にはうっすらホコリが積もっていました。その前で、ダルそうにピアノを練習している小学生の息子は、真っ黒に日焼けをし、生え変わり途中で前歯もなく、赤ちゃんの面影はどこへやら。
見て見ぬふりを続けてきましたが、ああ、もう限界か、と、ついに重い腰を上げた私。
ピアノの上の思い出グッズとお別れすることに決めて、ピアノカバーも一新しました。
思い出グッズにわが家を占領されたくない!
写真をはじめ、こどもたちが園や学校から持ち帰る作品、サイズアウトしたお気に入りの洋服など、思い出グッズは日に日に増える一方です。どれも、愛着があって捨てづらいもの。
しかし、それら思い出のために、限られた家の中のスペースを圧迫されてしまうのはいかがなものか?と、だんだん思うようになり…。
思いきって、ピアノの上の思い出グッズを撤去してみたら、清々しい気持ちになりました。
どうしても記憶に残しておきたいものは、撮影をしてデータ化しておきました。
しかし、もう失ったものを、もう一度見ることはないだろうな、と思います。
いつまでも、こどもはかわいいままの赤ちゃんでいてはくれません。私自身も気づかないうちにしっかりとエイジングが進み、趣味嗜好も変化していきます。
これからは、年齢と、その時の気分に合った暮らしを楽しみたい。
選び抜いたものだけに囲まれた、大人なインテリアに憧れています。
そのためには、これからも何度か、思い出グッズとの決別をしていく必要があるんだろうな、と思います。