HOUSTO編集部によるコラム。今週はライター・山野井が、家の中に点在するモヤモヤ問題(ゴチャゴチャスペース)を一つずつ潰している近状をお届けします。

ライター・山野井

ライター・山野井

思春期まっただ中の10代男子と、天然な夫との3人家族。鎌倉の小さな家で、インコとワンコと共に暮らしています。趣味は旅と料理、マイペースでフランス語を勉強中。

何年も放置していたオープンスペース

緊急事態宣言も解除され、徐々に日常が戻ってきつつありますが、なんとなく、五月病のような気持ちになっているのは、私だけでしょうか。

さて今回は、最近私が手をつけた、家の中のモヤモヤ問題の一つ、「ピアノの上」について書きたいと思います。

押入れ、冷蔵庫、食器棚など、“クローズなスペース”がごちゃごちゃしているということはよくありますが、ごちゃついたまま放置している“オープンなスペース”っていうのも、実はけっこうあると思いませんか?

なんとなく飾りつけた気分ではいるものの、ずっと同じものを置き続け、さらにモノが増え、ホコリもたんまり…みたいな、チェストの上、カウンター、窓枠といった、ディスプレイできるスペース。ありますよね。

わが家の場合は、ピアノの上が、そういうスペースでした。

こどもの写真を中心に、家族のフォトフレームをワンサカ置いて(アメリカ人みたいなイメージ、でも違う)、どこかで拾ってきた思い出の石やら、植木鉢やらを置いているうちに、だんだん、思い出の墓場みたいな状態になってしまった、わが家のピアノの上。

息子が赤ちゃんだった時代の写真をコラージュした額にはうっすらホコリが積もっていました。その前で、ダルそうにピアノを練習している小学生の息子は、真っ黒に日焼けをし、生え変わり途中で前歯もなく、赤ちゃんの面影はどこへやら。

見て見ぬふりを続けてきましたが、ああ、もう限界か、と、ついに重い腰を上げた私。
ピアノの上の思い出グッズとお別れすることに決めて、ピアノカバーも一新しました。

BEFOREはお見せできませんでしたが、かなりごちゃついていたピアノの上。ピアノカバーが見えないほどいろんなものをぎっしり置いていました。今はスッキリ、花も生き生きして見えます。

観葉植物も所狭しと置いてありましたが、絞りこみました。小さなプテリスの鉢と、一輪挿しだけにして、余計なものは、もう置かないぞ!

思い出グッズにわが家を占領されたくない!

写真をはじめ、こどもたちが園や学校から持ち帰る作品、サイズアウトしたお気に入りの洋服など、思い出グッズは日に日に増える一方です。どれも、愛着があって捨てづらいもの。

しかし、それら思い出のために、限られた家の中のスペースを圧迫されてしまうのはいかがなものか?と、だんだん思うようになり…。

思いきって、ピアノの上の思い出グッズを撤去してみたら、清々しい気持ちになりました。
どうしても記憶に残しておきたいものは、撮影をしてデータ化しておきました。
しかし、もう失ったものを、もう一度見ることはないだろうな、と思います。

いつまでも、こどもはかわいいままの赤ちゃんでいてはくれません。私自身も気づかないうちにしっかりとエイジングが進み、趣味嗜好も変化していきます。

これからは、年齢と、その時の気分に合った暮らしを楽しみたい。
選び抜いたものだけに囲まれた、大人なインテリアに憧れています。

そのためには、これからも何度か、思い出グッズとの決別をしていく必要があるんだろうな、と思います。

このピアノは、私が小学生の時、両親からプレゼントされたものです。鍵盤は黄ばみ、塗装もところどころ剥げたりしていたのですが、実家から移送してくる際に、きれいにオーバーホールしてもらいました。お世辞にもインテリアのセンスがあると思えない田舎の両親が、どうしてこんなデザインのピアノを、当時選んだのか、とても不思議なのですが、今やアンティークのような風格を備えたこの小さなピアノは、わが家の宝物。なかなか上達しない息子も、ずっと大切にしてくれたらいいなと思っています。