ライター山野井が、取材先の田舎町でふと見つけたかわいいディスプレイについてご紹介します。気分がほっこりしました。

ライター・山野井

ライター・山野井

思春期まっただ中の10代男子と、天然な夫との3人家族。鎌倉の小さな家で、インコとワンコと共に暮らしています。趣味は旅と料理、マイペースでフランス語を勉強中。

梅雨もなかなか明けない先月のこと。取材のため、静岡県へ向かいました。
目的地は、人気Youtuberさんが暮らす、伊豆のとある田舎町。早朝からのロケだったため、近くの温泉街で前泊することになりました。

西伊豆から南伊豆にかけて点在する海沿いの田舎町はどこも静かで、独特の雰囲気が漂っています。「寂れた」とか「鄙びた」という言葉がしっくりきますが、そこがまた、このエリアの魅力。私は廃屋を眺めるのが好きなのですが、あちこちに好みの廃屋があって、萌え萌えしながら歩きました。

好きです!廃屋。色あせた壁、錆びた窓枠。退廃の美学を感じます。いや本当に。

宿の近くに、廃屋かな?と思うような、寂れたビルがありました。
誰も住んでいないのかな。と思って近づいてみると、一部の窓が開け放たれています。
窓の外にはブロック塀がカウンターのように設けられており、そこに、小さなお花のディスプレイがありました。

なんというかわいらしさ! どんな人がつくったのでしょうか。想像が膨らみます。

ポット鉢に入ったお花が5つほどまとめて置かれ、周りはサザエの貝殻で飾り付けてあります。
シャビーな外観と、このキュートなディスプレイとのコントラストが、なんというか、ドラマチックすぎて、一瞬クラッときた私でした。

地元のこどもたちがつくったのか。
お花が好きな中年女性。はたまた、おばあちゃん?
いやいや、ひょっとしたら、男の人だったりして?
お花のそばには、サザエの貝殻と、フタがたくさん置いてありました。

サザエが大好きな人が、たくさん食べたんだろうなあ。

ふとそのビルの上を見上げてみると、またびっくり。
屋上に、鳥居があるではありませんか。
これはなんとも、ありがたや。

宿泊したホテルの窓から、この小さな神社を見下ろすことができました。

偶然見かけた小さなディスプレイは、梅雨空の合間にいただいた、誰かからのプレゼントのよう。屋上の神様に感謝したい気持ちになりました。

翌朝の取材は、おかげさまで順調!
とてもいいお話を伺うことができました。その模様は、ぜひ連載「HOUSTOで待ち合わせ」をチェックしてみてくださいね。(8/26公開予定)

そして……
この取材は、長雨の中の一瞬の晴れ間で行うことができたのですが、私たち取材班が帰った翌日、伊豆は暴風雨に見舞われました。ニュースを見て、ビックリ…。
天候に恵まれたことも、奇跡的だったかも。

この小さなディスプレイとの出会いから、自然とは、緑とは、誰かひとりのものではないのだなあ、とつくづく思いました。

私も、通りがかりの人の目を楽しませるグリーンディスプレイをしてみよう!と考えています。

取材先のお宅で見かけた、疏水脇に咲く小さな花。ホッと気分が和みました。