HOUSTO編集部でさまざまな記事を執筆しているライターが、小学5年生と1年生、2人のこどもを連れて、ニュージーランドへ短期親子留学! 前後編にわたって体験記をお届けします。前編では、学校選びや持ち物など準備にまつわるあれこれを現地よりレポート。

佐藤望美

佐藤望美

ライフスタイル全般を手掛けるエディター・ライター。インテリア、整理収納、家事のコツ、ミニマリスト関連の書籍も数多く編集、執筆。トラベルエディターとして子連れ旅情報をまとめたWebマガジン「FOOTABY!」を運営中。

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なぜニュージーランド? 日本の教育とどう違う?

暮らしまわりの取材や執筆をしているライター、佐藤望美です。

現在、ニュージーランドのオークランドに3ヶ月予定で滞在中。こどもたちは現地の公立小学校に通って授業を受けています。

私たちが留学を決意した最も大きな理由は、ニュージーランドは公立でも充実した教育制度が提供されているから。そして短期間であっても留学生の受け入れを行っている学校が多いことです。

ここは移民大国。ニュージーランドで生まれた子も、親やその祖父母は違う国のルーツを持っているというケースがとても多い。そのため、国籍や肌の色を超えた多文化の共生がごく自然に行われています。

クラスに留学生がいることは当たり前。側から見ていると、誰が留学生で誰が在校生なのかは全く分かりません。

ニュージーランドの教育と日本の教育、最も大きい違いは「学びの主役がこどもにある」ことだと私は考えています。ここでは授業中にいわゆる教科書は使いません(ドリルは別)。型にはまった教え方で知識を吸収させるのではなく、生徒一人ひとりに合わせて学び方やゴールを変えているからです。テストもほとんどなく、暗記よりも自分の考えを表現することや新しいアイデアを出すことを重視しています。

留学スタート時点で、わが家のこどもたちの英語力はほぼゼロ。「ハロー、マイネームイズ…」くらいしか話せない状態で、しかも英語でこうした授業を受けるのは、彼らにとって高いハードルであることは確かです。

でも、私が考える最終目標は「英語を話せるようになること」ではなく、「英語をベースにして自分の能力を発揮していくこと」。まずはお試しの3ヶ月留学ですが、こうした学びの場に身を置くことにこそ価値がある。それこそが、実際に親子で留学する大きなメリットです。そう思い、はるばるニュージーランドまでやってきました。

親子留学の学校選び。自分の勘を信じていい!

留学の最初の難関は、学校と住まい探しです。数ある小学校から自分たちに合うところを見つけるのは難しい気がしますよね。方法は大きく分けて2種類。留学エージェントに依頼するか、自分で探して申し込むかです。

自分で申し込む場合、一定レベルの英語力が必要。情報を読み込んで理解し、英語のメールで何度もやり取りをする必要があるからです。私自身は、当初はエージェントにメールで相談しましたが、ある程度英語を理解できるため自分自身で申し込みを完了させました。

実際に学校探しを体験してみた今、最も参考になるのは第六感です。意外かもしれませんが、私にとってはこれが真実。

これは入学後に学校スタッフから聞いて初めて知ったことですが、ニュージーランドの教育カリキュラムは公立小学校の間で統一されているそうです。基本的な教育はどこもほぼ同じで、学校ごとにプラスアルファの教科(デジタルテクノロジー、科学など)を教えています。

だから、学校によって当たり外れがあるというよりは、自分たちに合うか合わないかのほうが大きいかもしれません。実際に通ってみないと分からないけれど、どこも詳細な公式ウェブサイトを公開していて、動画や学校によっては月間のニュースレター(学校だより)が閲覧できたりする場合もあります。わが家もそれらを見て「よさそう! 楽しそう!」という直感が働いた学校に決めました。

結果から言うと、大正解。学校生活については後編で詳しくご紹介したいと思います。

こだわりのある食べ物は持参。制服があれば、私服はほぼ必要なし

私たちは学校近くでホームステイ中。寝室1部屋と独立キッチン、シャワー&トイレを借りています。もちろん食器や調理道具、家電つき。

だから渡航の準備・持ち物で心がけていたことは、「現地でなるべくモノは買わないようにする」ことです。

日本の自宅にすでにあるのにニュージーランドでもまた同じモノを買う。こんな無駄なことはありません。持ち帰ったときに用途が被るモノは邪魔になるだけ…。これは数々のミニマリスト、整理収納アドバイザーを取材して痛感していることです。だから、はさみ、爪切り、ボールペン、充電器など必要最低限の生活用品は厳選してスーツケースの中へ。

食べ物に関しては、日本で準備して多めに持参。ニュージーランドにもアジア食品を扱うスーパーや食材店はたくさんあり、日本製食品の多くは手に入りやすい環境です(もちろん高いけれど)。

でも私は食へのこだわりが強め。自分の好きなモノは日本のスーパーで流通していないことが多いため、日本で準備して多めに持って行きました。こちらで使い切ってしまう予定なので、帰りのスーツケースの重量オーバーも心配なし。

服はさらに厳選。ニュージーランドでは、多くの小学校で制服が導入されています。短期留学でも制服を購入する必要があるかどうかは、学校しだい。私たちが通う小学校では、5週間以上在籍するなら必須でした。

つまり、月曜から金曜まではほぼ制服しか着ない生活。パジャマ(ルームウェア)があれば、あとは私服が2、3パターンあれば十分。服は意外とかさばるので、とても助かりました。ちなみに制服はオンラインで事前に購入し、ホームステイ先で受け取っておいてもらいました。

子連れなら、渡航は直行便がベスト。ニュージーランド航空のスカイカウチが最高

日本からニュージーランドの玄関口・オークランドまでは、ニュージーランド航空のフライトで。成田空港から日本で唯一の直行便を毎日運行しています。シドニー経由、香港経由、中国経由など、乗り継ぎ便なら経路はいろいろありますが(乗り継ぎ便のほうがやはり安い)、こどもへの負担を考えると直行便がベストです。直行便でもフライト時間は11時間弱。

ニュージーランド航空は、おもてなしに定評のあるエアライン。機内のデザインも洒落ていて、テンションが上がります。何より素晴らしいのは、「スカイカウチ」!

スカイカウチとは、エコノミーシート1列(3席)がソファに変身する特別シートのこと。離陸後、足を伸ばしてゆっくりしたり、横になって眠ることができます。マットレスや枕も提供されるため、いわば機上のベッド!

成田発のフライトは夜をまたぐ運行スケジュール。ただでさえ長旅で疲れるので、こどもたちにゆっくり寝られる環境を作ってあげたい。スカイカウチは、ニュージーランド航空を選ぶ大きなポイントになりました。

こども2人がゴロンと寝転ぶことができる、ゆとりの広さ。足を伸ばせることで、リラックス度は段違いに高まるようです。

わが家は、帰国便もスカイカウチを予約済みです。

後編では、ローカル小学校の授業の様子やこどもたちの成長ぶりについて詳しくお届けする予定です。お楽しみに!

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