第8回目は、バルミューダ広報の秦泉寺里美さん(@jzjstm)が建てた注文住宅を訪問。テーマは「人が集まり、それぞれの時間を楽しめる家」。1フロア1室のゆるい間取りが特徴的な、16坪の3階建て住宅をご紹介します。前編はこちら

HOUSTO 編集部

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ツレヅレハナコさんプロフィール

食と酒と旅を愛する文筆家・料理研究家。書籍、雑誌、WEBなどへの寄稿やレシピ提案だけでなく、調理器具のプロデュースなども手掛ける。『女ひとり、家を建てる』(河出書房新社)『まいにち酒ごはん日記』(幻冬舎)、『世界の現地ごはん帖』(光文社)、『47歳、ゆる晩酌はじめました。』(KADOKAWA)など著書も多数。
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秦泉寺さん宅のプロフィール

住まいの種別:注文住宅
築年数:2年
地域:東京都
床面積:約86㎡
施工会社:ホープス
間取り:2LDK
家族:夫との二人暮らし

1階は水回りと寝室。スケルトン階段と大きなミラーで抜け感を確保しています

ハナコ:では1階を拝見。玄関を入ってすぐ土間になっていますね。

秦泉寺:ハナコさんの著書『女ひとり、家を建てる』を読んで、土間は絶対に欲しいと思っていたんです。L字型と広めにとって、階段下はコートなどを掛けられるスペースにしました。

ハナコ:うちとの共通点が満載です! 土間があるとかなりいい雰囲気になりますよね。

秦泉寺:1階は廊下と階段があるぶん狭く見えがちなので、いかに圧迫感をなくすかが課題でした。階段をスケルトンにして階段下収納をつくらなかったことで、かなり抜けが生まれたと思います。あとこだわったのは、突き当たりの洗面スペース。大きな鏡を入れて、広く見せる工夫をしました。玄関側から見ると分かりますが、鏡のおかげで奥行きを感じられるんです。

ハナコ:洗面台下の収納に扉がないのも、開放的に見せるための工夫のひとつですね。それにしても土間って、冬はつらくないですか? わが家も玄関まわりがめちゃくちゃ寒いんですよ…。

秦泉寺:おっしゃる通りで、夏はひんやりしていいんですが冬は厳しいです。だから寒い時期は洗面台の下にガスヒーターを置いて、サーキュレーターで暖かい空気を循環させています。

ハナコ:さすが、サーキュレーターもバルミューダ(笑)!

3階はテレワークに対応できる書斎に。広めのバルコニーもつくりました

ハナコ:1階は寝室と水回り、2階はキッチンとリビングダイニング、3階は書斎。3階建てですが、ゆとりのある空間が生まれていますね。

秦泉寺:仕切りがほとんどない、シンプルな家です。夫婦ともにテレワーク勤務の日も多いので、3階の書斎は必要不可欠でした。

ハナコ:ご夫婦で仕事できるようになっているんですね。デスクも広い!

秦泉寺:わが家はキッチンも洗面所も書斎も、2人並んで同時に使えるようにしています。お互い譲り合わない(笑)。ここは3階だから日当たりがいいんですよ。仕事に集中できる、お気に入りのスペースです。

ハナコ:デスクの下は本棚になっているのですね。右横にも大きな本棚が。

秦泉寺:可動棚の本棚は施工会社が提案してくれました。特別にこだわってつけたわけではないのですが、棚を動かせるのはやっぱり便利。書斎の本棚のほか、キッチンと寝室にあるちょっとした収納スペースも可動棚になっています。

ハナコ:デスクの反対側はバルコニーですね。

秦泉寺:広めに確保しました。天気のいい日は外で朝ごはんを食べたり、お酒を飲んだり…。

ハナコ:最高じゃないですか! 隣の家と距離がとれるのもいい。やっぱり住宅密集地はそれが課題ですよね。

秦泉寺:リビングを2階にしたのも、バルコニーをつくったのも、隣の家が近い圧迫感をどうなくすかという理由が大きいです。2階にも別の方角にコンパクトなバルコニーを設置。2つもいらないかな?と思ったけれど、お隣と適度に距離がとれてよかったです。

秦泉寺:バルコニーの窓を掃き出し窓にしなかったのも理由があるんです。バルコニーに高さをつけたぶん、真下のリビングは折り上げ天井にして2階の空間を広げています。狭さをいかにカバーするか、施工会社がいろいろ工夫してくれました。

終の住処にするつもりはなく、将来は売却も視野に。何回でも家を建てたい!

ハナコ:このおうち、満足度はどれくらいですか?

秦泉寺:それはもう、100%です! そもそも土地が狭いことで妥協しているので、家づくりで我慢したポイントは特にないですし。強いて言えば、壁紙くらいかな? あまりこだわらず、白の中から選んだので、剥がれやすくなっている気がします。

ハナコ:壁紙って、サンプルを見ても違いがよく分からなかったりしますよね。私の家は建築士さんにセレクトをお任せして、和室用の壁紙を使いました。さすがに心配して「和モダンみたいにならないですか?」と尋ねましたが、洋室と和室用壁紙はおすすめの組み合わせだから大丈夫だと。でも結果的にはうまく馴染んでいます。

秦泉寺:一度家づくりをすると、「次はこうしたい」といろいろ考えちゃいますね。私ももう1軒くらい家を建てたい! もちろん今の家には当分住むつもりですが、終の住処だとは思っていないんです。

ハナコ:売却する可能性もあるんですね。

秦泉寺:そのことも考えて、売却に有利な立地を選びました。次はやっぱりもう少し広い家がいいですね。平屋にも憧れる!

ハナコ:平屋への憧れ、わかる〜。家づくりは決めなきゃいけないことが多いから、それを楽しめるか楽しめないかの差って大きい気がします。楽しめる人だったら、ぜひ自分らしい家を何度でも建ててほしいと思う! そうじゃない人は建売でもいいし、大手ハウスメーカーを選んである程度お任せするのもいいですしね。

秦泉寺:私たちの場合は、何を尊重して暮らしたいかをしっかりヒアリングして尊重してくれる小さな会社が合っていたと思います。最初に問い合わせてワークショップの対応をしてくれた方が、最後の引き渡しまでずっと私たちを担当してくれました。営業、設計と担当が分かれることなく、一気通貫でお互いの意思疎通がきちんと取れていることは安心できたポイントのひとつです。「絶対いい家をつくりましょうね!」と言って、一緒に走ってくれている感じにも好感が持てました。

ハナコ:施工会社との関係性って、やっぱり大事なんですね!

ハナコの取材後記

この取材では初の3階建て住宅。でも圧迫感を感じさせないつくりでびっくりです。「私の本を読んで建てることにしました」とインスタにメッセージをいただくことも多いのですが、実際にそういうお宅を訪問するのは初めてだったからうれしかったなぁ。どんどん広がれ、家づくりの輪〜!

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