長く使える良い収納家具と出会いたい…。そんな願いから今回、注目したのが「和家具」。一点物の存在感に加え、壊れても直せて何十年と使い続けられる和家具は、もっともエコな家具と言えるかもしれません。使ってこそ良さが実感できる和家具に、新たな命を吹き込む術を、創業70年の和家具アンティークの専門店「アンティーク山本商店」に伺います!
お題「引き手の付け替え」
グラついたまま使うと、取れたり折れたりしてしまう引き手は、緩んだらすぐに締め直すのが長く使うコツ。実は、意外と簡単にお手入れできるんです!
<初級編>小引き出し箱の引き手のグラつきを簡単メンテ!
BEFORE
40~50年前の小引き出し箱。作りはしっかりしているものの、引き手を固定している金具が緩んでグラグラしている。
カバーを外せば簡単に増し締めできる仕組みの引き手
引き出し部の穴に引き手金具を押し入れ、裏でナットを締める仕組み。丸いカバーで隠してあるのが一般的。
ペンチで締め直してグラつき解消<直伝!真似テク>
引き手にグラつきが出たら、裏側の金具をペンチで増し締めすれば、すぐに固定できる。コツさえ押さえれば、初心者でも簡単!
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STEP1
丸いカバーを外す。ペンチの丸い部分で挟めば金具を痛めない!
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STEP2
グラついた引き手を元の位置に押し戻す。
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STEP3
ペンチでナットを締め直してしっかり固定!
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STEP4
カバーの小さな突起を穴に合わせ、金槌で押し込むだけ!
AFTER
裏のナットを締め直すだけで、空いていた隙間もピッタリとなくなり、グラつきはまったくなくなった。
<中級編>茶棚の“ブラカン”の付け替え
BEFORE
引き出しの揺れる金具は“ブラカン”と呼び、デザインもさまざま。これは昭和初期の茶棚で、ブラカンが緩んで取れそうになっている。
ブラカンの仕組みは裏で開いて留めるだけ
ブラカンを固定する仕組みは、金具を差し込み、裏で左右に開いて留めるというシンプルなもの。中級者なら比較的簡単に交換できる。
ブラカン交換は裏ワザで強度UP!<直伝!真似テク>
リペアする時は、左右に折って固定した金具に、もう1カ所プラスして折り加工を!強度が増して長持ちする。
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STEP1
グラついたブラカンを引き抜く。
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STEP2
新しいブラカンを奥まで差し入れる。
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STEP3
金具を左右に開いたら、先から2~3mmのところをペンチで90度に曲げる。
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STEP4
金槌で本体に垂直に打ち込む。
AFTER
グラつきがなくなり、使い勝手は格段にUP!新しいブラカンは、ホームセンターやインターネットで好みのものを探して。
次回は、上級編の「取っ手のアンティーク加工」をご紹介します。
時代和家具の店 アンティーク 山本商店
下北沢で70年続く時代和家具の専門店。明治、大正、昭和初期の時代和家具と雑貨が、常時1500~2000点ほど揃う。地下1階から2階まで所狭しとディスプレイされたアンティークの和家具は、すべてメンテナンス済み。「使ってこそ良さを実感できる」とのポリシーから、仕入れた和家具は1点ずつ丁寧に職人が手入れし、新たな命を吹き込んでいる。お手入れ方法や家具の特性は、和家具を愛するスタッフがアドバイスしてくれる。価格も数千円からとリーズナブルで、幅広い年代の和家具ファンが足繁く通う人気店。
- 時代和家具の店 アンティーク 山本商店
- 東京都世田谷区北沢5-6-3
- 営業時間 11:00~19:00
- 定休日 月曜日 ※祝日の場合営業し、翌火曜日が振替休日
- 問い合わせ
- 03-3468-0853
- http://www.antique-yamamoto.co.jp/