グリーンに囲まれて暮らしたい。でも、やみくもに鉢を増やした結果、ゴチャゴチャしてしまったという経験、ありませんか? グリーンの置き方も、ひとつの収納テクニック。今回は、グリーンコーディネーターの新井奈緒子さんに、お話を伺いました。
深呼吸したくなる、緑いっぱいの工房
都内の人気インテリアショップなどでグリーンコーディネートを手がける、グレナトレドの新井奈緒子さん。多肉植物、エアープランツを使いこなし、高感度なインテリアグリーンを展開しています。 今回は、新井さんが横須賀市で運営する予約制の工房にお邪魔しました。新井さんがものづくりに専念するアトリエであり、リースやフラワーアレンジ教室を行うスペースでもあります。
工房は、小さな平屋建ての一軒家。 扉を開けると、ユニークなかたちのさまざまなグリーンが目に飛び込んで来ました。室内には、1000鉢以上はあるそうです。これだけの物量がありながら、すっきりと清涼感のある空間に見えるのは、なぜなのでしょうか。
空間に広がりを与えるグリーンの並べ方
近年、インテリアグリーンに囲まれた暮らしは、注目の的。雑誌のグラビアのように、たくさんのグリーンを置きたいという人が増えています。 初心者でも簡単にできる、グリーンの並べ方のコツはありますか? 「重い色のものは、上に置かない。重たいグリーンが上のほうにあると、印象が暗くて、狭く感じてしまうんです。お花のアレンジと同じで、明るい色のものを上に、濃いものは下に、とおぼえておくといいですよ」(新井さん、以下同)。
「スペースを有効に使って、印象的なインテリアを目指すなら、ぜひハンギンググリーンを取り入れてみてください。吊るすタイプなら、場所も選ばず、垂れ下がったフォルムが空間にスパイスを加えてくれます。また、窓辺などに鉢ごと置いて、長い葉を垂らしておくのもおしゃれです」
流木やアンティーク雑貨を組み合わせて
たくさんのグリーンがところ狭しと置いてあるわりには、圧迫感のない工房内。その秘密は、新井さんの整理整頓とディスプレイのテクニックにありました。 「花の市場から大量に買い付けてくるので、ジャングルみたいになることもあるんですけどね(笑)。種類ごとに整理して、植物同士が息苦しくないように置いてあげることを心がけています」。 「グリーンには、流木をよく組み合わせます。流木って、湿気がたまるんですよ。その木から水分が発せられる。それがグリーンにすごくいいんですよね。ぜひ、お家でも取り入れてみていください」。
「アンティークや、お気に入りの雑貨とグリーンを組み合わせるのもおすすめです。特に古いものは、グリーンの新しさがコントラストを与えて、インテリアに深みが出ると思います。わざわざ買わなくても、おばあちゃんの家で見つけた古い箱とか、そういうものでもいいんですよ。それだけでは古ぼけて見えたものが、グリーンと合わせることで、とても新鮮に見えるんです」。
植物のケアをしながら、整理整頓
「グリーンを育てる際、一番気をつけてほしいのは、風通し。風で湿気を当てることで、生き生きと育つんです。最近のマンションは気密性が高いので、留守がちという方は、ある程度強い植物を選ぶ必要があると思います」。 留守がちな人や、毎日の風通しや水やりに自信がないという人には、サボテンなどの多肉植物がおすすめ。少しずつ増やしていきましょう、と新井さん。 「グリーンって、好きになると、すぐにどんどん増えていくもの。でも、埃がたまって劣化させたり、枯れてしまった鉢をそのまま放置していたりすると、逆に家の中をごちゃつかせて見せてしまいます。種類に合わせたケアを忘れずに、同時にグリーンを飾るスペースの整理整頓をまめにすることが大切ですね」。
ディスプレイしたカボチャも、立派なインテリアグリーン。できるところから始めて、グリーンをバランスよく取り入れた彩りのある空間を目指したいですね。