みなさま、こんにちは! インテリアスタイリストの川合将人です。 今日は、アートとインテリアの関係について考えてみたいと思います。

川合 将人

川合 将人

雑誌や広告、住宅メーカーのモデルルームなどで活躍中のインテリアスタイリスト。近年はコンサルティングや空間演出等も展開。

http://kawaimasato.com/

インテリアのトレンドにアートが浮上

最近、スタイリングを手がけた展示の写真が読売新聞に掲載されました。 記事は「アートのある生活」をテーマにした内容で、近年、若い世代を中心に、 部屋の中に絵や写真、オブジェなどを飾って楽しむ人が増えているということが書かれていました。

中では、自宅に数多くのアートを飾るジュエリーブランドのデザイナーの方や、ネット販売でアートを取り扱う「タグボート」の代表の方のお話のほか、家具と一緒にアートを販売する「イデーショップ自由が丘店」や、アート作家を支援する団体のこと、アートのレンタルサービスについてなどが掲載されていて、どれもとても興味深い内容でした。
写真が掲載されたのは、アート写真を取り扱うフランス発のギャラリー「イエローコーナー」の日本進出について触れたところで、昨年に開催した、イタリアの家具ブランド「マジス」と「イエローコーナー」とのコラボレーションイベントの会場の一部が掲載されたのでした。

アート写真で部屋の印象は変わる!

このイベントは、”インテリアとして楽しむアート写真のある暮らし”がテーマとなっていて、「マジス」の家具をメインに構成したインテリアに「イエローコーナー」のアート写真を組み合わせ、複数の生活シーンを提案したものです。この時は企画の立案から会場構成とスタイリングまでを手がけさせて頂きました。そこで今回のブログでは、インテリアとアート写真との簡単な組み合わせ方などについて書きたいと思います。

イエロー インテリア

©SHINICHI ICHIKAWA

こちらが掲載された写真で、上記のイベントで20〜30代の音楽やアート写真が好きな男の子の部屋を想定してスタイリングした空間です。エレキギター、アンプ、レコードプレイヤー、写真集などをアレンジし、男の子の趣味部屋をつくってみました。壁は左に置いたラウンジチェア 《サムソン》のカラーと同じようなマスタード色に塗装し、シェルフやコンソールデスク、デスクチェアで使用しているブラックの色との対比で男性的な力強い印象を与えています。
そして「イエローコーナー」の写真も、モノクロや黒い色味を主体にした作品をセレクトし、額縁もブラックで統一しました。さて、この額縁のセレクト。写真を飾るフレーム次第で、インテリアの印象は随分と違って見えるものです。

グリーン インテリア

©SHINICHI ICHIKAWA

これは、ファッションやアート写真が好きな女の子の部屋を想定した空間。ここでは、額縁はホワイトで統一しました。アート写真の作品自体が持つカラーが鮮明に映えるだけでなく、額縁のホワイト色の効果で空間を明るく演出しています。またここでは、”アクリルマウント”という、写真のプリント面にアクリル板を圧着させた、額縁を使用しない写真の飾り方をした作品も組み合わせています。
アクリルマウントの作品の利点は、額縁がないので作品自体の持つ色や印象が引き立つことが挙げられます。また、複数の写真を壁に飾る場合には、額縁に入れたほかの作品と相性良く組み合わせができるところもポイントです。

HARTMANN BERNHARD インテリア

©SHINICHI ICHIKAWA

こちらがそのアクリルマウントで飾られた大きな作品をメインに飾ったダイニングの空間です。
ヴェネチアにあるフェニーチェ歌劇場を撮影した作品は、ドイツのアーティスト、HARTMANN BERNHARDによる写真です。このシーンでは劇場の内装に使われているゴールドやブラック、ブラウン、ターコイズブルーなどの色を、チェアやテーブルなどの家具、照明、ほかに飾ったアクリルマウントの写真で用いることで、全体を調和させています。そして、ほかに組み合わせた写真の額縁には、ブラウンの木製フレームで統一しています。

このように、飾る写真や額縁のカラーを部屋に置いてある家具と揃えてみるというのは、 インテリアに統一感も持たせ、綺麗にみせる簡単な手法のひとつです。
国内の家具メーカーさんでも、販売しているチェアやテーブルなどの家具と同じ樹種の木材を使って額縁をオーダーで作ってくれるところもあります。
好きな写真を見つけたら、色や素材、形を選んで額縁を探したりオーダーして組み合わせ、出来上がったら部屋に飾る。ちょっと手間に感じるかも知れませんが、この行程はなかなか楽しいものです。
何もなかった壁にたった一枚の写真がかかるだけで、部屋の印象は激変するのです。

さっそく、お気に入りをみつけに。

今回触れた「イエローコーナー」は、これからインテリアとして写真を飾りたいと思っている人には注目のギャラリーです。定形サイズの作品はマット紙込みで売られていて、オリジナルの額縁もインテリアに合わせやすいものが揃っています。
現在、有楽町の無印良品で「イエローコーナー」のポップアップストアが開催中(3/31まで)なので、興味のある人は是非行ってみてください。
雑貨と同じ感覚で、もしくはレコードや本をジャケ買いするのと同じような感覚で、お気に入りの写真を見つけるのも楽しいですよ。

ではまた!