こんにちは! 今年も残りわずかとなってクリスマス直前のタイミングでございますが、今回はお子様へのプレゼントにも最適なアイテムも豊富に揃う、青山にオープンしたインテリアブランド、<カルテル>のショップをご紹介させて頂きたいと思います。 新登場となった子供向けのキッズコレクションのほか、便利でお洒落な収納アイテムも盛り沢山ですよ!

川合 将人

川合 将人

雑誌や広告、住宅メーカーのモデルルームなどで活躍中のインテリアスタイリスト。近年はコンサルティングや空間演出等も展開。

http://kawaimasato.com/

南青山にオープンした<カルテル>のフラッグシップショップ

青山・カルテル

今年の10月に表参道駅すぐ近くの南青山エリアに<カルテル>のフラッグシップショップがオープンしました。地下を含めて全3フロアからなる店舗の設計は、世界各地のカルテルのオフィシャルショップや製品デザインも多く手がけているデザイナー、フェルーチョ・ラヴィアーニ氏によるものです。

<カルテル>は、1949年に設立されたイタリアのブランドです。プラスチックを素材にした家具やインテリアアクセサリー、照明などを製造していますが、インテリア好きであれば誰しもがその存在を知っている”超”の付くほど世界的にも有名なブランドですね。

自分もインテリアショップで働いていた時には<カルテル>の家具をたくさん売りましたが、特にアンナ・カステッリ・フェリエーリがデザインしたスライド式の扉がついた円柱型の収納、《コンポニビリ》は人気が高かったロングセラー品です。日本でも様々なショップで見かけますね。
そんな定番品はもちろんですが、ショップには今年のミラノサローネで発表された新商品のキッズコレクションが入荷していましたよ。

コンポニビリ

店内1Fの入り口付近は、レッドやオレンジなどのヴィヴィッドなカラーの家具で構成されたエリアです。棚には名作《コンポニビリ》のほか、フィリップ・スタルクの小人シリーズ《ニョメス》など、オブジェとしても魅力的なアイテムがたくさん並んでいます。

注目の「カルテル キッズ コレクション」

子供たちのために開発された「カルテル キッズ コレクション」は、3歳から8歳までを対象として作られたもの。今回はサローネでの発表時にも大きな話題を呼んだプロダクトが早くも販売開始となっていたので、まずはショップの1Fに置かれているその2つについて触れたいと思います。

エイチホース

エイチホース

ではひとつめは、大活躍を続けるデザインオフィス、nendoの佐藤オオキ氏がデザインしたロッキングホース、《エイチホース》です。
お子さんが跨がって座り、ロッキングチェアのような要領で前後に揺らして乗る遊具です。木製のロッキングホースを製造しているブランドはこれまでにも多くありましたが、このような洗練された透明のオブジェのようなデザインは初めてではないでしょうか。
いわゆるキッズ向けに作られたというキッチュな雰囲気は全くなく、ハイセンスなモダンなインテリアにも溶け込んでくれる美しい造形。本体の構造は建築材料として使われている鋼材のH型鋼柱からヒントを得ているそうですが、「なるほど〜!」と、思わず唸ってしまいました。

ディスコボランテ

ディスコボランテ

さて次は、個人的にサローネで見た時にキッズコレクションの中では一番に心を惹かれたアイテム、ピエロ・リッソーニ氏がデザインした《ディスコボランテ》です。
自分が子供の時に貰ったとしたら相当にテンションが上がったであろうと思う、ピエロ・リッソーニ氏がデザインした車の玩具《ディスコボランテ》は、実際に座ってハンドルを握り、乗って遊べる仕様になっています。いや、しかしお洒落なデザインですね!
名立たる世界のトップブランドから製品を発表しているデザイナー、ピエロ・リッソーニですが、近年ではキッチンメーカーの<ボッフィ>や、家具メーカーの<デパドヴァ>のディレクションも務めている実力派です。
彼のデザインの特徴ともいえる無駄を削ぎ落としたシャープな造形ラインがここでも見て取れますが、どこか愛嬌があって、そしてやっぱり上品! 綺麗ですね。
実はこの《ディスコボランテ》、技術的な部分で<カルテル>としては、これまでにない挑戦が試みられていて、本体のアクリル樹脂に車輪やハンドルなどを駆動させる金属構造を組み合わせて作られているのが特徴です。

Kartell goes SOTTSASS A TRIBUTE TO MEMPHIS

1Fには、ほかにも再評価を飛び越してもはやトレンドとしても認知された感のある80年代のポストモダンのデザインを代表する人物、エットレ・ソットサスのトリビュートコレクション「Kartell goes SOTTSASS A TRIBUTE TO MEMPHIS」のアイテムもありました。
ソットサスは生前の2004年にカルテルの為に8つのプロダクトをデザインしたそうで、そのうちスツール2つとフラワーベース1点が初の製品化となって販売が開始されたほか、同コレクショにはソットサスが率いた「メンフィス」から発表されたテキスタイルを張り地に使用したチェアなども揃います。

カラー別の美しい陳列に心が踊る家具フロア

インテリア・チェア

では今度は2Fへ。開放感のある店内は、ブラック、ホワイト、シルバー、ゴールド、クリアなど、カラー別でアイテムが陳列されていて、とても見やすくなっています。特に照明を内蔵した什器に並べられたクリア色の製品群が印象的でした。
カラーの違いで全く印象が異なるので、こんな風に実際に比較できる空間はコーディネーター的にはかなり有り難い空間ですね。

ラルゴ

ほかにも2Fには、大型のソファやユニークな収納家具も展示されていました。まずはソファですが、これはピエロ・リッソーニのデザインした《ラルゴ》になります。
ソファもかなりの数をデザインしているリッソーニですが、細い脚の上にスクエアなアームやシートクッションが配されたこのモデルは背もたれが低く、開放感のある空間を演出してくれます。
同シリーズとして、2シーターと3シーターがありますが、ほかにもコーナー型を組み合わせL型に組んだかなり大型の仕様もオーダーすることが可能だそうです。お邪魔した時にはクリスマスのディスプレイでプレゼントBOXがアレンジされていました。

ブックワーム

そして驚いたのは、壁面に設置されたブックシェルフ、ロン・アラッドがデザインした《ブックワーム》です。こちらは新製品ではないのですが新色が登場したようです。
この《ブックワーム》も昔インテリアショップで働いていた時に販売させてもらっていたアイテムなのですが、まだ現行品で作っているのですね!
棚板となるプラスチック製の板を自在に曲げて、ブックエンドのような仕切りのパーツで固定していくという、斬新なデザイン。日本の住宅事情を考えるとなかなか設置するのが難しい大きさでもありますが、やっぱり見ると楽しくなりますね。

色とりどりの美しい照明で構成された地下フロア

カルテル・照明

では最後にB1Fにも触れさせて頂きます。地下のフロアは照明を集めた空間になっていて、とても華やかです。かなりラインナップも増えていて、ペンダントにフロア、テーブルランプと、種類も充実しています。
本体カラーもプラスチックの特性を生かしたカラフルなものが多く、空間のアクセントになるようなタイプが目立ちます。過去にはカスティリオーニ兄弟やガエ・アウレンティなどが照明をデザインしていましたが、近年は非常にきらびやかでゴージャスなデザインのものが多いですね。

照明については吉岡徳仁氏のデザインした照明などもありますが、製品化されているのは、かなりの数がフェルーチョ・ラヴィアーニ氏によるデザインです。
奥の壁にはパトリシア・ウルキオラがデザインしたコートハンガーや小さな棚など、壁付け収納の新作も展示されていましたよ。

以上、今回は今年の10月にオープンした<カルテル>のフラッグシップショップから、新作のキッズコレクションなどの展示アイテムをご紹介させて頂きました。 実物をご覧になられたい方は、是非ショップに行ってみてほしいです。 では、また!

shopdata

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  • カルテル 東京
  • 東京都港区南青山5-5-4 CURIO554ビル
  • 11:00〜19:00
  • 定休日 水曜(祝日の場合は翌木曜)
  • 問い合わせ
  • 03-6419-1040
  • http://kartell.co.jp