第6回目は、インスタグラマーの桒原(くわばら)さやかさんにお話を伺いました。築40年の中古住宅を購入し、理想のおウチへセルフリノベーション。お手入れしながら、暮らしに合わせて夫婦でリノベに取り組んでいるという桒原さやかさんに、実際にかかった時間やセルフリノベにこだわった理由を教えてもらいました。

桒原(くわばら)さやか

桒原(くわばら)さやか

スウェーデン人の夫とこども2人で暮らすインスタグラマー。 松本の雄大な土地で築40年の中古住宅をセルフリノベ。

https://www.instagram.com/kuwabarasayaka/?hl=ja

注文住宅を購入するには予算オーバー、そこで選んだセルフリノベという手段

現在のキッチン

私たち夫婦で選んだ中古住宅は、誰も住んでいなかった期間もあり、傷んでいるところがたくさんありました。歩くと床がきしんだり、お風呂の天井は湿気でぐわんとたわんでいたり。水回りも古びていて気持ちよく使えなさそうだったので、リノベーションすること前提で購入しました。

リノベ前のキッチン

もちろん、最初はリフォーム業者に見積もりをお願いしました。しかし、元々がほとんど畳の部屋で雰囲気はよかったのですが、使いやすさを考えてフローリングに変えたい部分があったり、キッチンも綺麗にしたかったり、いろいろ直すと結構おおきな金額になってしまうことが分かりました。

おウチを買うこと自体あきらめようかな……と思ったときに、夫の実家であるスウェーデンではセルフリノベがあたりまえで、それを楽しんでいる人が多いことを思い出したんです。私たちも自分でやってみればいいのかも.!と気づき、セルフリノベに挑戦することにしました。

普段から理想の暮らしを夫婦で共有

作業中の和室

セルフリノベにあたり、資料などをまとめたりはしていませんでしたが、賃貸に住んでいたときに「ここが使いにくい!」などの思いを夫婦で常に共有していたので、そういった今までの不満だった部分を解消するおウチを目指しました。

夫は簡単なDIYの経験がありましたが、本格的に取り組むのは初めて。「畳からフローリングに変更」「漆喰のきれいない塗り方」など、YouTubeで作業動画を調べながら進めていきました。わが家と同じような痛み具合だったり、和風の部屋の改装の様子は分かりやすくてとても参考になりました。YouTubeを見ていなかったら、ここまでできていなかったんじゃないか……というくらいお世話になりました。

家族みんなが楽しく、気持ちよく暮らせるおウチづくり

おウチを購入する前から、外でバーベキューをしたり、コーヒーを飲んだりするスペースがほしいと思っていたので、もともと小さなテラスだったところを、家族でゆったり座れるようなテラススペースにリノベーションしました。

このテラスからは北アルプスが見えるので、座るたびに気持ちいいねぇ、作ってよかったねぇと夫と話しています。今では家族みんなのお気に入りの場所になって嬉しいです。

キッチンは高さを最大まであげました。以前から日本のキッチンが低くて腰が痛い〜と夫が嘆いていたので、悩みを解消できてよかったです。窓もすりガラスから透明のガラスへ変更し、キッチンに立ちながら自然の景色が楽しめるようになっています。

失敗しながら手探りの作業で、暮らせるようになるまで4ヶ月!

リノベ前の廊下

キッチンを入れ替えたり、床を直したり、壁の漆喰を塗ったりと、なんとか住める状態になるまでは4ヶ月くらいかかりました。

失敗した部分をやり直す作業は予想以上に時間を取られました。例えば、ダイニングルームの漆喰の壁を石膏ボードに変更する際、隙間を埋めるパテが乾くと大きなひび割れがはいってしまったり、キッチンの天井のペンキがなぜかぺりぺりとはがれてしまったり。プロではないので、すぐに原因がわからず苦労しました。

リノベ後の廊下

しかも中古住宅を購入したとき第二子を妊娠中で、生まれるまでになんとか住める状態にしようという目標があり、かなり厳しいスケジュールで進めないといけませんでした。引き出しの色はもっとこだわったカラーに挑戦してみたかったな、棚板の位置をもっとゆっくりシュミレーションすればよかったな、というような後悔はいろいろとあります。けれど、それも今後ゆっくり直したり、つくっていくことが楽しみのひとつです。

セルフリノベで必要なのは材料費のみ。もちろん失敗することも。

床の張り替え作業

床の張り替えだけでも、リフォーム業者にお願いすると約15〜20万円かかるところ、セルフリノベの費用は材料費の5万円くらい。場所や作業内容にもよると思いますが、全体をみても、おそらく3分の1から2分の1くらいの費用でした。

キッチン作業中の夫。

自分たちもできるかどうかわからないというところから、おウチに合いそうなリノベ方法を調べ、たくさんある種類から適切な材料を選んで、作業をするというのは、毎回不安でなかなか度胸がいる作業だったなと思います。

壁がデコボコしているところがあったり、床がうまくに張れていないところもあったり、失敗した部分ももちろんあります。その場では落ち込んだりもしたのですが、住んでいるうちにびっくりするくらい気にならなくなってきて、傷跡さえも「あのころ、頑張ったねぇ」といい思い出に(笑)。

最後に

日当たりの良いリビング

おウチをいつでも好きなように自分で変えられる!というセルフリノベ経験は、おおげさかもしれませんが、生きる力を身につけたようでとても心強い気持ちです。やってみたいなと思ったらぜひ小さなところから試してみてください。楽しくてきっとハマってしまうと思います。

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