キッチンにあふれる食器、増え続ける服や本…。暮らしにおけるものとの付き合い方に悩んでいる方は多いはず。部屋をきれいに、上手に片付けられるようになるにはコツがあります。覚えればこの先ずっと活用できる重要なポイントを、生活研究家・阿部絢子さんに教わりました。春先の新生活に向けて、快適な住まいに変えてみませんか?
「どう暮らしたいか」をプランニングする
生活研究家・阿部絢子さんの自宅兼仕事場であるマンションには、余計なものは一切ありません。書斎には壁面棚に書籍や資料がたくさん並んでいますが、打ち合わせにも使うリビングには、目につく大きな家具は座卓ぐらい。いずれも、阿部さんが「必要なもの、使うもの」だけを選び抜いてきた結果です。
必要なアイテムのみが存在する部屋は、すっきりとしてとても居心地がよさそう。どう片付ければ、このような快適な空間を作ることができるのでしょうか?
「部屋を片付けるというと、目の前のものをいきなり動かし始める人が多いですが、それではただものを移動しているだけ。真っ先にするべきは、『どう暮らしたいか』というプランニングです」(阿部さん)
「プランニング」は、効率的に片付けを進めるための重要なポイントです。
1.問題点を洗い出す
2.どこから手をつけるか決める
3.改善方法を検討する
4.アイテムごとの量と収納するスペースを把握する
5.青写真を描く
6.スケジュールを作る
の順で進めていきます。これらは実際に紙に書くことで頭の中を整理することができるので、「ターゲット絞り込みシート」を参考に書き出してみましょう。
たとえば①では、自分(や家族)が困っていることを把握します。阿部さんの場合、①今の住まいに服の収納スペースがなく、取り出しにくさがストレスになっていたそう。そこで、②服の収納改善→③寝室にクローゼットを取り付ける ④服の量と寝室のスペースを確認…と進めていき、コーディネイトしやすい理想のクローゼットを手に入れました。このように問題点を改善することを繰り返すうち、家中が快適になっていきます。きちんと考えてから実行に移すため、適当に収納グッズを買ってサイズが合わないといった失敗も防げます。どこから手を付けていいかわからないときは、冷蔵庫や引き出しなど小さな空間から始めるのがおすすめです。
「快適な暮らしは、家庭ごとに違うはず。見栄や世間体にとらわれることなく、理想を自分の頭で考えることが大事です。そのためのルートマップが、プランニングなのです」
プランニングをしっかりと行うことは、一見手間がかかるように見えても、実は理想の部屋作りへの近道といえるでしょう。
(つづく)
新生活をつくろう。リバウンドなしの快適収納
- 成否のカギはプランニング
- 住まいの動線を知る
- ものの指定席を決める
- ものが最大限活躍する部屋に -限りある空間を有効に使うには-