前回、「ものが活躍する収納」について考えましたが、いよいよ実践。まずはキッチンから始めるのがおすすめです。中でも食器棚は、油断するとすぐに散らかってしまう危険ゾーン。これから何かと自宅に人を呼ぶ機会の増える季節が来ます。まずは食器棚をきれいにして、気持ちよく春を迎えましょう。生活研究家・阿部絢子さんにポイントを伺います。
主力アイテムの指定席は、「90度」に
食器のサイズを測ろう
さて、手持ちの食器の種類と数が確定し、分類も終わりました。次に、これらのひとつひとつに収納場所=指定席を決めます。
まず、主な食器のサイズを測り、予定している収納スペースに収まるか確認します。もし特大の皿など食器棚に収まらないサイズの器がある場合、専用の収納スペースを別に用意する必要があります。
形やサイズがまちまちな食器は、適当に棚に押しこむとデッドスペースが生まれたり、取り出しにくくなってしまいます。何度か出し入れしてみると、取り出しやすい場所やどの食器を前後に並べたら使いやすいかなどがわかってくるでしょう。
目線から上下45度に収める
「最も出し入れしやすい場所は、目線の高さを中心に上下各45度、合計90度の範囲といわれます。この位置ならひと目で全体を見渡すことができ、手に取りやすくなります。前回分類した日常用の食器(頻繁に使用する飯碗、小皿、グラスなど)は、この範囲内に収めるようにしましょう」
棚の奥行きが深く、前後に分けて収納する場合は、手前に置く食器は高さの低いものを。奥には背の高い食器を置き、常に奥まで見える状態にします。ただし阿部さんによれば、「皿なら2列、グラス類は3列まで」が並べる限度とのこと。食器を積み重ねる場合も、下のものが動かせないほどの数にならないよう、注意してください。
次は、日常用の食器を収納した段の上下に、非日常の食器(ときどき使用する大皿、大鉢など)をしまっていきます。このとき、低い位置に重いものを、高い位置に軽いものを置くようにすると、重心が安定します。
こうして、すべての食器に指定席ができました。整然と食器の並んだ食器棚が、そこにはあるはずです。もし食器が収納スペースに収まりきっていない場合は、もう一度取捨選択を行いましょう。
指定席が決まれば、後は使ったら必ず元の場所に戻すという習慣をつけるだけ。
次回『まんべんなく使ったら、指定席に戻す』は食器棚をきれいにキープするためのシンプルなルールを紹介します。
(つづく)
人を招くキッチンへ。食器収納
- 取り出しやすく、使い忘れない食器収納を考える
- 用途、使用頻度に合わせた厳選&分類
- 主力アイテムの指定席は、「90度」に
- まんべんなく使ったら、指定席に戻す