前回、「ものが活躍する収納」について考えましたが、いよいよ実践。まずはキッチンから始めるのがおすすめです。中でも食器棚は、油断するとすぐに散らかってしまう危険ゾーン。これから何かと自宅に人を呼ぶ機会の増える季節が来ます。まずは食器棚をきれいにして、気持ちよく春を迎えましょう。生活研究家・阿部絢子さんにポイントを伺います。

阿部 絢子

阿部 絢子

生活研究家、消費生活アドバイザー。整理収納から食、掃除など、生活全般に渡る知識を生かした著作多数。

http://ayakoabe262.jp/

まんべんなく使ったら、指定席に戻す

食器の指定席が決まったら、後は「使ったら必ず同じ場所に戻す」というシンプルな習慣を身につけましょう。これだけで、食器棚が散らかることがなくなります。

「よく食器を洗った後、水切りかごに入れっぱなしにしてそこから取って使う人がいますが、それではキッチンは片づきません。使う→洗って指定席に戻す→また使うというサイクルを守りましょう」(阿部さん)

食器を重ねて収納している場合は、戻すときは上に載せるのではなく、同じグループの一番下へ。前後に並べている場合は、手前ではなく一番奥へ。こうすると同じ食器ばかりを使うことなく、手持ちの食器をまんべんなく活用できます。奥行きの深い棚で、奥の食器が取り出しにくい場合は、トレイに載せて引き出すようにすると簡単に取り出すことが可能。

メンテナンスして常に快適な食器棚を

こうして、いつもきれいで使いやすい食器棚が完成しました。しかし、これで終わりではありません。「この状態をずっと続ければよいとは限りません。年代によって食の好みも変わり、使う食器の種類も数も変わってきます。何も考えずにそのまま使っていると、いつのまにか使わない、不要な食器が生まれます」。阿部さんは「非日常」の食器も含め、定期的に食器棚を見直し、位置の入れ替えを行っています。その際、あまり出番のない食器を処分したり、非日常の食器を日常使いに変えたりすることも。

今の暮らしに沿って細やかにメンテナンスしていくことで、常に使い勝手のよい快適な食器棚にし続けることができるのです。

(おわり)