毎日届く新聞やダイレクトメール、買い物のたびに受け取る領収書、思い出の手紙…絶え間なく増えるペーパーアイテム。ついついキッチンカウンターやダイニングテーブルの上に置きっぱなしにしていませんか? 散らかった書類は部屋を雑然と見せる元。生活研究家・阿部絢子さんにペーパーアイテム整理のコツを教わります。

阿部 絢子

阿部 絢子

生活研究家、消費生活アドバイザー。整理収納から食、掃除など、生活全般に渡る知識を生かした著作多数。

http://ayakoabe262.jp/

部屋に入れる前に、まず分類

生活研究家・阿部絢子さんをしても「ペーパーアイテムの整理と収納は、難易度が高い」といいます。保険の証書からチラシまで種類が多く、郵便物等、毎日送られてくるものもあるため、どうしても次から次へと量が増えがち。その結果、家のあちこちに紙類が散乱する事態になってしまうのです。

「この流れを断ち切るには、家の入り口で必要な紙類だけを取り入れる努力が必要です。後でまとめて片づけようとするとめんどうになってしまうので、その場で要・不要を判断できるようにマイルールを設けると、迷わず処理できるようになります」

阿部さんは「チラシは基本、見ない」「ダイレクトメールは差出人によっては未開封のまま捨てる」などのルールを決め、郵送物に関しては郵便受けから出して部屋に入るまでの間に確認し、不要な紙類は部屋に入ると同時にゴミ箱へ。

「居住空間に入ってくる書類をすべてすみずみまで確認しようとするのは大変で、時間をムダにしてしまいます。書類を目にした時点でルールに沿って間引くことで、室内に入ってくる書類の量を抑えることができるのです」

書類は種類ごとに収納スペースを決める

次に考えるべきは、マイルールに従って必要と判断した書類の整理と収納について。

基本的な考え方は、①書類を「動きが多いもの(たとえば、仕事関係の書類、子どもの学校のプリント、通帳など)」「動きが少ないもの(たとえば、保険の証書、土地の権利書などの重要書類)」に分ける ②種類ごとに収納スペースを決め、そこからあふれるものは処分する、の2点。

ここからは種類ごとに見ていきましょう。

まずは、動きが少ない権利書や保険証書などの重要書類から。

「重要な書類は収納方法云々より、むしろいざというときに自分以外の人でもわかるようにしておくことが大切。もしも自分に何かあったときに土地の権利書や保険証書などの所在が家族にわからないと、混乱してしまいます。それを防ぐには、1箇所にまとめておくことと、保管場所を家族に伝えておくことです」

阿部さんは出版契約書などの重要書類は1冊のファイルにまとめ、わかりやすい場所で管理しています。確認の必要が出てきたら、そのファイルを参照すればよいので、あちこち引っくり返さずに済むのです。

「重要書類は長期保存は必要でも、めったに見る必要は訪れないので“動きの少ない”紙類といえます。だから取り出しやすさよりもしっかり保管できることを優先して場所を決めるといいですね。逆に進行中の仕事関係の書類や、子どもが通う学校関係のプリント等は“動きの多い”ものとして、一定量を保管できる場所を定め、保管場所がいっぱいになったら処分します。ファイルに入れて並べるなど、すぐ手に取れるような工夫を行うとよいでしょう」

(つづく)

ペーパーアイテム収納