独自の美学と世界観を携えた建物や空間を作るプロたちに、収納に対する思想とルールを聞くこのコーナー。第二回目はランドスケープデザイン事務所「EARTHCAPE」を訪れ、オブジェの収納術をうかがいました。
団塚栄喜さん
ランドスケープデザイン事務所「EARTHCAPE」代表

緑豊かな庭園付きの大邸宅をリノベした、サロン型シェアオフィス「THE FORUM」。玄関の扉を開けると、インパクト大!のゼブラ柄キャビネットが目に飛び込んできます。
ここにオフィスを構えるのは、ランドスケープデザインやパブリックアートの創作を行うデザイン事務所「EARTHCAPE」の代表・団塚栄喜さん。氏は庭でとれた木の実から、旅先のマーケットで買ったという、原住民が使っていた道具まで。本人いわく「よくわけのわからない」小さな造形物を収集、キャビネットはさしずめそれらの収納兼、ディスプレイの役目を果たしています。
引き出しの中も、飾るように収める


「ふだんは引き出しに収めておいて、いくつかは上に並べて見せる。ものは時々入れ替えて、季節感や宇宙感を表しているんです」ばらばらに集められたものが引き出しごとに区分されており、ワクワクしながら開けるたびに、みるみる世界が変わる、まるでひとつのギャラリーのよう。来訪した人の心をときめかせます。
ストーリーを感じさせる“見せ場”作り

そして団塚さんの個人オフィスへ。ここにもたくさんのオブジェが、自作の3段棚に美しく飾られていました。
工事用の足場板を白く塗り、それを支える鉄の棒をスタンド代わりに使用。そこに細かい仕切りはなく、オブジェたちがのびのびと自由に居並びます。一見、意味がないように見えて、その実コーナーごとにいろんなストーリーが隠されているのでした。

「この小さな船はおそらく子ども向けに作られたすごろくか何かのコマだと思うんですけど、みつけた時、家のオブジェのそばに置くといいなと思ったんです。ほら、こうするとベニスみたいでしょ(笑)」

「これは、アマン(世界屈指の高級リゾートホテル)で売られていた藤のうちわ。いつくか訪れていると、場所によって色が少しずつ違うことが分かって集めだしたんです」そして段ボールを重ねたものをステージ代わりにすることで、特別なムードが醸し出されて。
自分の“好き”を意識した、ゆるやかな分類


その他、目を凝らしてひとつひとつ見ていくと、いびつなガラス、プリミティブなウッド、紙が束ねられたものなど、同じ色や素材、形によって寄せられていることに気づきます。「性みたいなものなんだと思います。好きで無意識に集めているものが、似たようなものになる」それをこうして並べることで、だんだん整理されてくるという団塚さん。
自分の「好き」に忠実に集められた「使い道のない」ものは、どうしても行き場所に困りがち。このようにきちんと見せ場を作り「救済」することで、集めることも楽しくなるかもしれません。