2人の幼い子どもを育てながら家事に奮闘する、ママのために新築された家。建築家が自身の家をモデルにしながら見直しを重ねたというその家は、主婦にとって嬉しい収納のテクニックがいっぱいでした。

HOUSTO 編集部

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刈谷昌平さん

「刈谷建築設計事務所」代表

アイディアを詰め込んだ、福島県新白河の広々一軒家

アイディアを詰め込んだ福島県新白河の広々一軒家

那須塩原を拠点に活躍する、建築家の刈谷昌平さん。出身は岩手県で、金沢の大学から、大阪、東京での勤務を経て独立。結婚を機に那須塩原へ移住し、設計事務所を設立しました。

「一般住宅のほか、宿泊施設や店舗の設計も手がけます。最近は東京からの移住者も多いですよ。エリア的に土地が広く、ゆとりのある住宅を設計できるのは面白いですね。今回ご紹介するこのお宅も、敷地面積は300㎡弱あります」(刈谷さん、以下同)。

お邪魔したのは、刈谷さんが設計した福島県新白河の新築注文住宅。延床面積は約160㎡(駐車場込み)、4LDK+和室というゆとりの広さ。ここに、オーナーのSさん夫妻と、男の子(3)、女の子(1)の4人家族が暮らしています。

和室

廊下が庭に面し、縁側の風情がある和室。床の間の横には、来客用の布団が収納できる広めの収納がつけられています。

スタディスペース

2階の吹き抜け前には、スタディスペースが。現在は夫婦のPCルームになっていますが、将来的には子どもたちの学習場所にしたいそう。

窓枠を加えた壁で、キッチンの目隠しを

窓枠を加えた壁でキッチンの目隠しを

キッチンはオープンではなく、窓を設けた壁を立て、リビングと緩やかに仕切られています。これは、見せる・隠す収納のバランスを考えての仕様だとか。

「これだけ広さがありますから、アイランドキッチンも十分可能でした。でも、完全なるオープンなキッチンは、急な来客時など、片付けが大変。こんな風に壁があれば、生活感はある程度見せずに作業ができます」。

キッチン

キッチンの内側は、壁面を使ったオープン収納に。カゴやプラスチックのケースを使って、食材や小物の整理。悪目立ちしやすいゴミ箱の位置も、あらかじめ設計されています。

オープン収納棚ディスプレイ

冷蔵庫も壁で仕切って、くぼみにはめ込むように設置することで生活感をカバー。ふだんよく使う皿や小物類は台の上に出して並べ、オープン収納棚のディスプレイを楽しんでいます。

ママの要望に応えたオリジナル収納

刈谷さんは、Sさん夫妻に、持ちものの量と理想のしまい方についてのヒアリングを何度か行いました。そのなかで、奥様が要望された収納アイディアがいくつかあり、とても参考になったそうです。

「一つは、廊下の突き当たりが明かり取りのガラスになっているのですが、そこにディスプレイ専用の棚が欲しいと言われました。花を飾るのが趣味なので、花瓶をいくつか入れられるような大きさがいい、と。花瓶をまとめて収納できる場所は、意外と困るという女性の意見は、参考になりましたね」。

ほかにも、玄関の土間続きのワークスペースや、洗面所の収納アイディアも、奥様の要望でした。

高さと奥行きのある収納棚

さまざまな形の花瓶がまとめてしまえる、高さと奥行きのある収納棚。花に合わせて花瓶を選び、さっと取り出して飾ることができます。

玄関からすぐの土間スペースに造られたワークスペース

玄関からすぐの土間スペースに造られたワークスペース。ご主人の趣味である釣り道具、奥様の趣味のキャンドル作りなどに活用されています。

洗面下収納

Sさんが収納ケースのサイズを指定したという造作の洗面下収納。ワイヤーネットやケースの素材等、アイテムが揃っていて、すっきりした印象です。向かって右側には扉つきの収納があり、洗剤のストックや掃除道具など、見せたくないものがしまってあります。

洗濯がグンと楽になる、ワードローブの収納実例

ワードローブの収納実例

Sさん宅のワードローブは、家族全員の衣類がまとめられたファミリークローゼット。ウォークインで、そのまま洗濯スペースのサンルームにつながっています。サンルームは明るい窓際に面していて、洗濯機とハンガーパイプが設置してあります。

「これは、私の自宅でも採用しているアイディアですが、本当に便利なんですよ。洗濯して、その場で干して、ハンガーのままクローゼットへ。動線が良くて、洗濯の時間がかなり短く済むと好評です。子どもの衣類など、シワが気にならないものは、畳まずにポイッと籠の中へ。使うのもしまうのも楽々です」。

サンルーム

クローゼットから続くサンルーム。洗濯機のすぐ上に天井から張り巡らされたL字のハンガーラックが部屋干しに便利。2面に窓があり、通気もバッチリです。

家事が楽になれば、子育てはもっと楽しい

リビング・ダイニングの一角に読書スペース

刈谷さん自身も、6歳・3歳・0歳の姉妹を育てている現役のパパ。自邸をモデルにしながら、「ここはこうした方が便利だな」と気づいた家事動線の工夫を、新たに設計する家に投影し、より暮らしやすい家づくりを目指していると話します。

「Sさんのお宅には、リビング・ダイニングの一角に、読書スペースをつくりました。壁一面に絵本等をディスプレイしながら収納した、家族のライブラリーであるとともに、お籠もりスペースでもあります。ほんの少しのくぼみが、子どもたちの秘密基地になったり、大人の休息空間にもなる。引き出し収納も加えてより使いやすくしてみました。ママが暮らしを楽しめる仕掛けがたくさんあるほど、子どもたちもイキイキと育つと思うんです」。

家事動線の良さは、子育てを楽にする、と刈谷さん。優しい工夫があちこちにめぐらされた家には、温かい家族の笑顔が満ちていました。