切り絵作家のYUYAさんと料理家のスパロウ圭子さんは、大の民芸品ファン。アトリエを兼ねたリノベ住宅で、夫妻が各地で買い集めたたくさんのかわいいモノたちが出迎えてくれました。
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HOUSTO 編集部

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プロフィール

Name:YUYAさん スパロウ圭子さん
SNS:yuya_chokkin_kirie
Hobby:器・民芸品収集
Place:東京都中野区
House: リノベ一軒家/3DK(69平米)
Family structure:夫婦2人

たくさんのモノも圧迫感なく飾るコツ

前編でもご紹介した、民芸品のディスプレイ棚。この棚だけでも、置かれた民芸品はざっと300点以上。ふつうは物量に圧倒されてしまいそうですが、なぜか重たさを感じさせず、この棚全体が一つの絵のように見えてくるから不思議です。

YUYAさん「国別、ジャンル別にするとか、何かルールを決めているわけではありません。なんとなく『これは一緒に置いたら合いそうだな』というものをまとめているという感じですね。デザイン、色、形、テイストが似ているものを並べています。もともと、あまり主張の強いものが好きではないので、似たような雰囲気にまとまるという感じでしょうか」。

共通しているのは、夫妻が好む「素朴さ」。カラフルなモノも多いのに、きつい印象がないのは、そのあたりに理由がありそうです。

世界の動物シリーズ。YUYAさんも圭子さんも、動物モチーフが大好きだそう。

カラフルなモノが並ぶ棚の中段には、落ち着いた色合いの花器とピッチャーを集めて。このコントラストも素敵です。

国内でも楽しめる! 世界の民芸品集め

YUYAさんと圭子さん夫妻のコレクションを眺めていると、どのアイテムにも独特の表情があり、なんだかワクワクしてきます。「さぞかし、いろんな国を旅したのでしょうね」と尋ねると、国内でも探せばたくさんありますよ、との言葉。

YUYAさん「海外で買ったものもありますが、多くは日本の各地で見つけたものなんですよ。都内でも、骨董市やマーケットがあれば見にいきますし、リサイクルショップで宝探しをすることも。こういうものが好きだということを知っている人から譲ってもらうこともあります。僕たちは、好きなものをポツポツ集めているだけで、筋金入りのコレクターというわけではないので(笑)。でも、長く続けていたら、これだけ集まってしまったという感じです」。

ずいぶん規制緩和がされたとはいえ、コロナ禍でまだまだ海外旅行がしづらい今。国内旅行で、好みの民芸品を探してみるのも楽しそうですね。

どちらも日本で見つけたメキシコのもの。左はペイント画、右はクッションカバー。

カラフルな壁飾りは、ブリキでできています。「古いものではなく、ペルーで今もつくられている民芸品のようです」。

本棚にもさりげなく猿の人形が。イタリア人デザイナー、ブルーノ・ムナーリのデザインです。

民芸品は、眺めているだけで毎日を楽しくしてくれるモノ

たくさんのモノに囲まれながらも、すっきりとした空間を保って生活されている夫妻。集めてきたものは、どのように取捨選択しているのでしょうか。処分することはありますか?

圭子さん「民芸品に関しては、処分することはほとんどないですね。器は、どうしてもスペースがなくなってきたら、アトリエ開放の時に放出することもあります。本やCDなどは、定期的に整理して、溜めすぎないようにしています」。

縁あってこの家にやってきて以来、ずっと大切にしている民芸品の数々。2人にとって、どういう存在なのでしょうか。

YUYAさん「ほとんどのモノが、作家がつくったモノではなくって、素朴なんですよね。名もなき人たちの手によってつくられ、地元に伝わってきたデザイン。その素直な感じがとても好きです。僕も、それ自体を描いたりすることはありませんが、作品づくりにいいイメージをもらえる。大切な存在です」。

圭子さん「毎日を楽しくしてくれる、和ませてくれるモノ。これらがかっこいいから飾る、というよりは、あって当たり前という感じがします。なんというか、一緒に暮らしているという感じです」。

「名もなき人の手」、「一緒に暮らしている感じ」。2人それぞれの言葉からは、民芸品への愛情が溢れていました。

鳥も夫妻の大好きなモチーフ。窓辺に鳥の民芸品をたくさん並べて、賑やかな雰囲気です。

夫妻のアトリエでは不定期にイベントを開催しています。また、YUYAさんは今年12月に神戸で個展を開催されます。詳細は、インスタグラムをチェックしてみてください。

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