賃貸住宅より分譲や注文住宅の方が高スペックとは限らない!? 賃貸住宅の間取りから見る、暮らしやすさの秘密とは?
なぜ賃貸住宅の間取りは暮らしやすい?
まずは、賃貸アパート暮らしのなかで見つめなおしてみたい点を挙げてみました。
将来住み替えを考える時、住み替え先がたとえ注文住宅であれ分譲マンションであれ、下記の4項目のチェックポイントを見つめなおしてみるとより、じぶんたちに似合った豊かなまどりの家になりやすいとわたしは考えています。
チェック1: アップダウン動線の少ない暮らしに対して、優先順位はどうか。
チェック2: モノの購入に対して蓄積型か、取捨選択型か。
チェック3: 子育て中心の暮らしなら、何歳頃まで子どもと同居するイメージか。
チェック4: 老後中心の暮らしを希望するなら、「老後」とは何歳のイメージなのか。
※チェック3~4に関しては、次回のエッセイコラムで詳しくまとめていきます。
今回は、チェック1~2についてふれてみることにします。
チェック1 アップダウン動線の少ない暮らしは、優先順位が高いかどうか
階段は好きですか?それともない方がいい?
これがまず、間取りを考える上で最初に考えることです。
理由や意図があれば見解は変わりますが、わたし個人的に階段なしのフラットなまどり(平屋的な暮らし)に憧れます。
とはいえ、土地を購入して家を建てる場合、購入土地が小さい場合など平屋計画にするまどりが困難なこともあります。
その場合、家にいちばん長く住み続けるであろう家族を想定して、主要階である1階にLDK+主寝室を計画することをオススメします。
そして2階にはこども室を計画します。(下記のまどりイラスト参照)
こどもたちが成長して独立したあとも、こども室は柔軟に使用の仕方を変更してつかえる空間に。例えば「孫たちの遊び場」としても使えますよね。
賃貸住宅の住みやすさに、「階段のなさ」を感じているけれど、階段付きの家に住むことになった場合には、部屋の割り振りを上記のように変えるだけで、納得して暮らせますよ。
チェック2 モノの購入に対して蓄積型か、取捨選択型か。
賃貸住宅の間取りは好きだけど、収納スペースの少なさには不満……という方のお声をよくいただきます。
そういう方には張り切って、注文住宅の良いところをオススメします!
注文住宅の設計計画には、『適材適所の収納計画』をじぶんたちのためだけに考えて作りつけてあげるメリットがあります。持ち物の特徴や量を設計士と打ち合わせして確認できるとさらに理想的ですよね。
賃貸住宅にお住いの方でも、できれば購入の際、取捨選択して新しいアイテムを入れ替えられるようにすると持ちモノの量を維持できて良いですよね。
とはいえ、こども用品のように、周囲の人たちからもらうモノが多かったり、思い出深いために捨てられず増え続けていくのもまた事実。
時にはデータベースにして残したり「期限を決めて残す」と家族でルール化するなど、各自の持ちモノの取捨選択を積極的に言いあえる関係性になれるのも理想的ですよね。
理想のまどりを手に入れるために、目の前の暮らしで実験してみる
住み替えを考えるには、いろんなきっかけがあると思います。
こどもの成長や部屋の手狭感、家賃関係など。
住み替えを考える際にはぜひ、今暮らしている家のなかで『こういう動線は良い/いやだからこうしたい』などを挙げてみてください。賃貸アパートのまどりは、住み替えの際のヒントになるはずです。
「動線(収納動線含む)」。 家の中の動線というのは、毎日使うので、わたしもデリケートに向きあいます。動線は一度決めてしまうと暮らしながら変更することはほぼ難しいものです。だからこそ、住み替えを考える際には、今目の前にある暮らしを実験台にして判断材料にしてみてくださいね。
意外と今暮らしている動線(収納動線含む)は…わるくないかもしれません。(笑)
賃貸アパートは、ひとつひとつの空間が狭かったりもしますが、意外と見え方を変えれば、あなたにとっては 最高に合理的なまどりかもしれません。
「灯台下暗し」とならぬよう、今ある暮らしを そっと冷静に、見つめなおしてみてください。
「もっとほかにもたくさんのアイデアが知りたい!」という方がいましたら…
今回のような暮らしづくり&家づくりのアイデアは 主にInstagram(@himawari_kobo)やブログ(azumasaori.com)に掲載しています。 手前味噌ですが、今や全国で共感の嵐が湧き、2020年3月現在は4万人を超えるファンの皆さんに 関連するSNSをフォローして見守っていただけるまでになりました。 よろしければ、そちらも合わせてご覧いただければ幸いです。
2回目のアイデア まずはここまで。
お届けいたしましたのは、暮らしの設計士あず『東沙織』でした。
ではまた、次のエッセイコラムでもお会いしましょう。