突然ですが、皆さんは「悩みや行きづまる時」には、どうやって切り替えをしますか?どうやって「自分のご機嫌」をとりなおしますか?
今回は、わたしや依頼者さんの「心のリセット方法」をご紹介します。

東沙織

東沙織

1988年生まれ、兵庫県相生市出身。有限会社ひまわり工房取締役 暮らしの設計士。 設計思想は、『家事シェアできる家』・『らくちん動線の家』。適材適所の収納計画も定評あり。毎朝アイデア発信するインスタグラマー。

わたしに合ったおウチ時間

わたしはお酒が飲めず、コーヒーで自分の機嫌を取り戻すことが多いです。眠気を覚ましたい時、悩んだ時、息がつまる時、アイデア不足で頭や心が疲弊する時、活気づけたい時、うまくいった時……。

「一日3杯までの楽しみ」と決めていますが、コーヒーと向き合うあの時間が好きです。できれば豆を挽く行為も含めて大事にしています。
いつも大抵、コーヒーを頼りに「自分の機嫌」をとってきました。

そんなわたしは過去に幾度か、自分仕様にブレンドコーヒー(#AZUBLEND)を焙煎士さんに調合してもらい販売をしました。そして現在も2度目のブレンドを販売中です。
オリジナルのブレンド名「COFFE WITH IDEAS」アイデアがわくコーヒーという思いで発案しました。これからもコーヒーとは長く深いつきあいになっていきそうです。

家族それぞれが機嫌をとれる、おウチのカタチって?

上で紹介したように、人には人の「自分の機嫌のとりかた」がありますよね。

・もので機嫌をとるのか(例:コーヒーやスイーツなど)
・空間で機嫌をとるのか(例:一人きりになれる時間をつくるなど)
・体験で機嫌をとるのか(例:ヨガや読書、映画を楽しむなど)
ほかにも機嫌のとりかたは、実にさまざまだと思います。

ちなみに、わたしが注文住宅の設計相談の依頼を受ける層として多いのは「20代~30代のご夫婦ご家族」なのですが、その方々から最近よくこんなことを言われます。

「狭くてもいいので、ひとりになれる場所がほしいです。書斎とかそういう本格的な作業部屋として使うわけではないのですが、できればその空間で気持ちをリセットしたい」と。
これはまさに上記で挙げていた事例のうち、「空間で機嫌をとりたい」に該当しますよね。

2020年5月にこの記事を書いているのですが、学校が休校になったり在宅勤務になったりなど「おウチで過ごす時間」が例年よりも圧倒的に増えているのは言うまでもありません。
家族同士が休日以外にも長く一緒に居続けられることは嬉しい反面、増えてしまいがちなストレスが少しでも減るようにと、各家庭での「暮らしの創意工夫」が求められていますよね。

同時に「家でひとりになれる場所」も、ますます重要になるな、とも思います。
わたしはより一層、ご家族が心をリセットしやすい暮らしづくりのアイデアを創出し、応援したくなるのです。

「おこもり部屋」という選択肢

そんなアイデア創出のひとつとして、好評いただける事例があります。それが「おこもり部屋」という、床面積わずか1~2帖の大人用の小部屋です。
共用空間(LDK)に隣接して設計計画をするのですが、「普段は収納空間」として使われることが多いです。収納部を可動棚にすることが多いので、テーブルにしたり収納棚にしたり、用途替えも比較的簡単にできます。
1~2帖でも別の角度から設計計画できれば、ちょっとした「こもれる空間」「一人になれる空間」にもなり、人によっては「心のリセット」ができる空間としても活用できているようです。

ダイニングに計画した1帖スペースの収納スペース兼おこもり部屋

キッチンに計画した1帖スペースの収納スペース兼おこもり部屋。立っても座っても使用できる。

キッチンに計画した1帖スペースの収納スペース兼おこもり部屋。立っても座っても使用できる。

「機嫌をとる=心の問題」だけではない! 家づくりで叶えるリフレッシュ空間

複数人で一緒に暮らすというのは、家族でも容易なことではありませんよね。ゆずりあう心が無くなってしまうと、いつか気持ちのすれ違いで心が疲れてしまうこともあるかもしれません。
「機嫌のとり方」というと、心の問題と捉えられてしまいがちですが、心の問題だけではなく住まいの設計にも大きく関係しているのかもしれません。これから新しい暮らしや住み替えを考えている方にとって、ぜひ「自分で自分の機嫌をとる暮らし」という点も意識してみていただければ嬉しいです。

廊下からつづく小屋裏空間。漫画好きなご家族のための趣味部屋として『漫画部屋』を計画した事例です。部屋にぎっしりと漫画や作品が詰めこまれた様子は、漫画好きの方にとってまさに至福の空間であり、気持ちよく機嫌をとれる大切な空間ですよね。

「もっとほかにもたくさんのアイデアが知りたい!」という方がいましたら…
今回のような暮らしづくり&家づくりのアイデアは 主にInstagram(@himawari_kobo)やブログ(azumasaori.com)に掲載しています。
手前味噌ですが、今や全国で共感の嵐が湧き、2020年6月現在は4万人を超えるファンの皆さんに関連するSNSをフォローして見守っていただけるまでになりました。よろしければ、そちらも合わせてご覧いただければ幸いです。

5回目のアイデアはここまで。
お届けいたしましたのは、暮らしの設計士「あず」こと東沙織でした。
ではまた、次のエッセイコラムでもお会いしましょう。