家族の増加などでモノは年を重ねるごとに増える傾向にありますよね。また、モノの「シェア」の方法も、ひとり暮らしと家族暮らしとは異なることも。さらに昨今、感染症対策でモノのシェアも見直す声があり、何やら複雑化?
今回は、そんな不安が上がる中、「どこに何を置くか妄想する力」を駆使する収納計画を立て方についてお話ししたいと思います。

東沙織

東沙織

1988年生まれ、兵庫県相生市出身。有限会社ひまわり工房取締役 暮らしの設計士。 設計思想は、『家事シェアできる家』・『らくちん動線の家』。適材適所の収納計画も定評あり。毎朝アイデア発信するインスタグラマー。

モノの「レンタル」「シェア」でモノが減らせるのは一人暮らしの時だけ?

暮らしにまつわるさまざまなレンタルサービス。賃貸住宅で一人暮らしをする人は、レンタルサービスが充実してきたことで、モノをわざわざ場所をとって所有するより、必要な時に「レンタル」「シェア」するという、家のソトから都度借りてくる選択をする人も多いですよね。

《レンタルできるアイテム事例》
・客用布団
・キャリーケース(スーツケース)
・家具
・アウトドア用品
・自動車

たしかにこういうサービスを使うと、持ち物を自己管理・自己所有する量が減ることにつながるので、住まいのコンパクト化が図れますね。

ところが同居人が増えて2人暮らし以上となり、家族とモノを共有するという選択をした場合、使用頻度によっては、家のソトから都度借りるよりも、家族の持ち物として所有したほうが効率的に暮らせるという考え方もあります。
そうなると、持ち物を自己管理する収納空間が必要になってきます。

コロナ渦の中、モノの「共有」を見直す声

この記事を書いている2020年7月現在もなお、感染症対策として日々、人が触れるモノへの消毒に余念がない世の中が続いています。
また同時に日常生活の持ち物に対して、こんな声も聞こえてくるようになりました。

・人と物を共有することへの不安
・消毒されているのかどうかといった不安
・自分所有の持ち物への、衛生的な安心感

これからの時代、一旦レンタルやシェアというモノの持ち方から、自己所有に戻っていく流れを感じます。
持ち物を自己所有するということは、やはり管理する場所が必要です。とはいえ、やみくもに広い部屋を計画して暮らすというわけではなく、ここはあえて「モノの持ち方を妄想してみる」ということをオススメします。
なぜなら、それが収納計画の第一歩につながるからです。

所有するモノの理想の配置は? 理想を妄想することが収納の第一歩

わたしのもとに注文住宅の設計相談に来られる依頼者さんには、よくこんなお話をします。
「今の暮らしの中で、所有しておかねばならないものはどんなものでしょう?逆に、レンタルできるものや使いまわせるものってどんなものでしょう?」と。

そして「持ちものシート」という名のリストをお渡しして、自宅にて持ち物を管理する場所を考えてみたり、妄想していただいています。 

《アイデア妄想例》
・アウトドア用品は、今は実家に置いているが、新居の土間収納で管理したい
・子どもの登園持ち物は、乱雑にならない程度に玄関近くで管理したい
・買い物食料品は、玄関から短距離で運べるように食品専用部屋を計画したい
・下着やリネン類の収納は、洗濯室からすぐの場所で専用管理したい
・壁掛けテレビ仕様にしたいから、周辺機器の専用収納を壁に造りつけたい

いくつか事例を挙げてみました。

モノが増えていく可能性が高いこれからの時代。
シェアでOKなモノ、所有していたいモノの区別から、所有していたいモノはどこにどう置くのが暮らしやすいのか。
皆さんも、これからの暮らしに合わせた収納アイデアを妄想してみてはいかがでしょうか。
変わりゆく時代には、モノの持ち方もアップデートが必要かもしれません。

「もっとほかにもたくさんのアイデアが知りたい!」という方がいましたら…
今回のような暮らしづくり&家づくりのアイデアは主にInstagram(@himawari_kobo)やブログ(azumasaori.com)に掲載しています。
手前味噌ですが、今や全国で共感の嵐が湧き、2020年7月現在は4万人を超えるファンの皆さんに関連するSNSをフォローして見守っていただけるまでになりました。よろしければ、そちらも合わせてご覧いただければ幸いです。

6回目のアイデアはここまで。
お届けいたしましたのは、暮らしの設計士「あず」こと東沙織でした。