佐藤望美

佐藤望美

ライフスタイル全般を手掛けるエディター・ライター。インテリア、整理収納、家事のコツ、ミニマリスト関連の書籍も数多く編集、執筆。トラベルエディターとして子連れ旅情報をまとめたWebマガジン「FOOTABY!」を運営中。

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掃除機をかけるため、仕事先から一時帰宅するほど「完璧」にこだわっていた過去

整理収納コンサルタント/防災士として幅広く活動する瀧本真奈美さん。以前は何事にも「手を抜いてはいけない」という強い思いを抱えていたそうです。

「暮らしまわりの仕事を始める前は、昼間に働いて夜間に学校へ通うという生活をしていた時期もあります。それでもごはんはレトルトなんてとんでもない、とこどもたちのために必死になって食事をつくっていましたね。昼休みにわざわざ自宅へ戻って掃除機をかけたりもして、今思うと完璧を求めすぎていたと思います」

その頃はまだ30代。若かったし、“できる”と勘違いしてしまったんですね、と瀧本さん。でも無理が重なってさすがに体を壊してしまったそう。

「思うように動けない、すべてを完璧にこなすことはできない。そう気づいてから、あらゆる家事について“本当に必要?”“追い詰められてもやり遂げるべきこと?”と考えるようになったんです」

雑巾の管理はやめた。多少コストがかかっても、ストレスは少ないほうが良い

家事一つひとつに疑問を持つようになり、それほど暮らしに影響しないタスクを徐々に手放していった瀧本さん。

まずやめたのが雑巾やふきんの管理です。

「掃除することはそれほど苦にならないのですが、雑巾やふきんを洗ったり干したり、収納場所をつくったりすることにストレスを感じていました。今は、洗って使えるペーパータオルを使っています」

「使い捨てなのでもちろんコストはかかりますが、1日に何枚も何枚も使うモノではありません。むしろ、今日はこの1枚をしっかり汚して真っ黒にしようと思えるように。掃除がはかどるようになりました」

冬物アウターを宅配クリーニングに出したら、管理の手間も保管スペースも手放せた

手放してよかった!と年々実感が強まっているのは冬物アウターの管理。

「以前は都度クリーニング店に持って行っていました。でもスケジュールを見ながら“いつ持っていけるかな”と考え、その日までアウターをまとめて保管しておくのは心理的な負担を感じていました。かさばるモノなので、圧迫感もあります。でも宅配クリーニングに切り替えたら、それが丸ごと解消されたのです」

瀧本さんは保管サービス付きのタイプを選択。次にアウターが必要になる時期まで、スッキリしたクローゼットをキープできます。

宅配クリーニングだから「着ない服のコスト」に気付けた

「クローゼットを開けるたびに暑い時期に分厚い冬物が視界に入ると、暑苦しいもの。想像していた以上に気持ちが晴れやかになりました」

宅配クリーニングを何年も続けるうちに、思わぬメリットもあったそうです。

「いつも10点コースを利用していましたが、クリーニングに出しても着ない服が必ず出てくるんです。クリーニング代も年々値上がりしているということもあり、点数を絞り込むようになりました。来年も着たい服かどうかをしっかり考えるので、クローゼット全体がさらにスッキリした気がします」

家事に集中するのは「5分」。外出前のテーブル掃除だけでも気分が変わる

どれだけ家事を手放せても、やらなければいけないことをゼロにすることはできません。瀧本さんには、忙しいときにこそ意識してやる家事があります。

「5分の片付け習慣です。仕事などで忙しいと、片付けや家事に時間を割くのは難しいと感じるときもある。でも、たった5分がんばれば良いと思えば体が動くんです。自分の次の行動を楽にすることを目標に、5分動くようにしています」

例えば、外出前の5分間でテーブルの上をまっさらな状態に。

「ここだけきれいにすればOK、というゴールが明確だから、5分もあれば片付きます。テーブルが片付いていると気持ちが良いですね。疲れて帰ってきた自分へのご褒美のようなものです」

「自分のため」から「人のため」にシフト。50代の今は「諦め」も肝心

瀧本さんは現在50代。「昔は何をやるにも自分のため。野心も強かった」と振り返ります。

「自分がたどり着ける限界まで行ってみようとどこか気負いすぎていたのかもしれません。でも今は支えてくれている家族のため、周りの仕事仲間のため、応援してくれるフォロワーさんや読者さんのために、何かを残したい。そう思えるようになりました。自分のためだけにがんばるのは、もう体力的に難しい気がするけれど、人のためなら不思議と動けるんです」

でも決して無理はしません。ある意味「諦め」も肝心で、どこかいつもと違う、体が動かないと感じたら、無理をせずにすぐに病院へ。

瀧本さんにとって、暮らしそのものが仕事。好きなことを仕事にしたとはいえ、楽しい瞬間ばかりではもちろんありません。

「精神的なつらさを感じたら、ChatGPTに吐き出して気持ちをリセットします。愛犬との時間も大事。人に頼ることがあまり得意ではない性格なので、どちらもありがたい存在です」

「もう、具体的な目標や抱負は立てないことにしました。1日1日を大事に過ごすことができれば、何も言うことはありません」

今回教えてもらったのは……

  • 瀧本真奈美さん
    収納、片付け、インテリア、防災など幅広い分野を織り交ぜた「心地よい暮らし」を提案。整理収納コンサルタント、防災士などの多数の資格を持ち、四国に3店舗のセレクトショップを経営している。インスタグラムや公式ブログなどで活動を発信中。
    公式ブログ「暮らしごとレシピ」

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