整理収納や、家にまつわるプロの、リアルな暮らしを紐解く連載企画。片づけとどのように向き合っている? 家事に対する考え方は? 私たちの生活にすぐ落とし込める、生き方・暮らし方のコツをお届けします。
こども収納 テーマと目的は年齢に合わせてアップデート
整理収納研究家として、テレビなど幅広く活動している米山真央さん。プライベートでは4歳のこどもを子育て中です。
「幸いにして、娘はお片付けが大好きだと言ってくれています。性格もあるかもしれませんが、片付けることに抵抗がないのは、年齢に合わせた仕組みづくりを行ってきたせいだと思います」
米山さん宅では、娘さんが0歳の頃からこどもアイテムをリビングにまとめて収納。柔らかい素材のボックスにお気に入りおもちゃだけを入れる状態からスタートしました。
「無印良品」のパイン材ユニットシェルフを購入してからは、とにかく「出しやすい」ことにこだわって収納。好奇心を刺激して、さまざまなモノに手を伸ばしてもらうためです。
「言い聞かせて片付けをさせるような年齢ではないので、とにかく興味を持ってもらうための収納を心がけました。絵本は手の届く高さで表紙が見えるように。おもちゃもつかんで取り出しやすく。親の片付けやすさではなく、好奇心を育てることを重視しましたね」
2歳ごろからボックスを本格的に活用。戻す場所をつくってあげる
こども自身が片付けることを意識して収納を整えたのは、2歳ごろから。出しやすさはそのままに、「使ったら元に戻しやすい」収納にチェンジしたそうです。
「同じ『無印良品』のシェルフで、中身だけをマイナーチェンジ。高さのないボックスにおもちゃを分けて入れ、使ったら戻すんだよ、と声をかけ始めました。娘も“ここに行けばおもちゃがあるんだな”“使ったらここに戻すんだな”と少しずつ認識してくれたようです」
おもちゃは月ごとに見直す。今の1軍と親が遊んで欲しいモノに絞るのがコツ
4歳の今は、さらに自分自身で出し入れができるようになっています。おもちゃや絵本からさらに興味も広がり、お絵かきセットなどがシェルフに加わりました。ただし、まだまだ収納はごくごくシンプルに。細かく分類しないようにしています。
収納のテーマと目的は少しずつ変化しているものの、赤ちゃん時代から米山さんが最も意識しているのは「出しておくモノの量を絞ること」だそうです。
「こどもは、おもちゃや絵本がたくさんあると目移りします。あれもこれも、と出してはみるものの、遊びきれていない気がするので、リビングに出しておくのは今最も興味があってよく遊んでいる1軍おもちゃがメイン。それと親が使ってもらいたいと思っている知育おもちゃを少しだけ。棚の上でおもちゃがぎゅうぎゅうになっているより、数を絞ってゆったり収納すれば、すべてを見渡せて遊びやすいと感じています」
おもちゃだからといって、持っているモノをすべて同じ場所に収納する必要はない、と米山さんは言います。
「新しいおもちゃを迎え入れたら、以前使っていたモノやそれほど遊ばなくなっているモノは一時的にクローゼットにしまいます。新しく増えたタイミングでおもちゃを手放すことを私は“ところてん方式”と呼んでいて、1ヵ月を目処におもちゃを入れ替えているんです」
未就学のこどもは片づけられなくて当たり前。楽しく取り組み、「部屋がきれいでうれしいね」と伝えています
お片付けが好きだという娘さんですが、毎日毎回、完璧にできているわけではありません。
「戻しやすい仕組みを意識しているからやるだけであって、気が乗らないときも当然あります。そもそも、未就学児は片付けができなくて当たり前だという気持ちで私は娘と向き合っているんです。片付けなさい、と怒ると片付けをつらいもの、頑張らなければならないことだと無意識のうちに感じるかもしれない。でも片付けは本来イヤイヤするものではないはず。楽しいこと、気持ちのいいことだと認識してもらいたいんです」
お片付けを一緒にやるときは、「はい、これからおもちゃを戻すよ。よーいどん!」などとゲームのように声かけ。終わったら、「きれいになったね。気持ちいいね!」とハイタッチ。「うれしいね」「楽しいね」と、片付いた部屋の心地よさを感じてもらえるような一言を必ず添えているそうです。
「小さい頃から続けてきたおかげでしょうか、“散らかっているより片付いている部屋のほうが、気持ちいいから好き”とよく話してくれます」
片付けの方法や収納の具体的なコツを参考にするのもいいですが、本当に大事なことはこの心地よさをこどもに実感してもらうことなのかもしれません。
今回教えてもらったのは……

-
米山真央さん
整理収納アドバイザーの資格を持ち、整理収納研究家として幅広く活動。「家も私もキレイを諦めない暮らし」がコンセプト。広告モデル、パーツモデルとしても活躍中。
Instagram