大掃除、進んでいますか? 年末年始のホリデーは、気になっていたクローゼット収納を見直すチャンス。何年も着ていない衣類は山ほどあるのに、コーディネートはいつもワンパターン…そんな悩みを「ヒルナンデス!」でもおなじみのカリスマスタイリスト、金川文夫さんが解決!
クローゼットのスッキリ収納と、バリエーション倍増のコーデ術を一挙両得で教えてくれました。前編では、目からウロコの洋服セレクト方法を学びます。
10着で24通りの着まわし!洋服の量を減らせる洋服の黄金ルールとは?
つい同じデザインのトップスばかり買ってしまう。「いつか履ける日が来るかも」とサイズアウトしたボトムスが山積み。一目惚れで買ったアウターだけど、一度も着ていない…など、クローゼットの中身、ゴチャゴチャしていませんか?
「コーデがワンパターンになるのは、持っているアイテムに偏りがあるからなんです」と、人気スタイリストの金川文夫さん。大切なのは、アイテムの数ではなく、アイテムの「比率」だと明言します。
「黄金比率は、1:4:3:2。具体的には、アウター1、トップス4、ボトムス3、靴2の10アイテムがあれば、最大24コーデが可能になるんです。みなさん、実際はこれ以上に洋服を持っていると思います。でも使うものはごく一部。着まわしもできず、タンスの肥やしを増やす一方では? 極端に言えば、この10アイテムで1シーズンは十分いけるんです。毎日フル活躍するワードローブが、収納もスッキリさせるコツなんですよ」。
リアル私物から金川さんが選ぶ10アイテム!
さっそく、金川さんの「黄金比率」に従いながら、旬を感じられるコーデを目指し、実際にクローゼットの中にあった洋服を整理してもらうことに…。
編集部員が自宅のクローゼットから持ち出した私物の洋服が、こちら。
一つの洋服ラックも、ご覧の通りギュウギュウです。
冬服だけでざっと40着+靴4足。
これを、まずは
・コート 1
・トップス4
・ボトム 3
・靴 2
の全10アイテムに絞っていただきました。
かかった時間は、ものの10分!
あっという間に、セレクト完了です。
金川文夫さんが選んだアウターはコレ!
羽織るだけで今年っぽくなる、オーバーサイズのチェスターコートをセレクト
「今年顔のアウターを選ぶなら、ジャストサイズよりもオーバーサイズ。着こなしの汎用性を考えて、チェスターコートが便利です。これが黒だと、意外と合わせるのが難しくなってしまうので、色はグレーやチャコールグレーなどのダークカラーがオススメです」
金川文夫さんが選んだトップスはコレ!
着まわし重視でオーバーサイズ&ジャストサイズを両方セレクト
「冬のベーシックカラーは、白・チャコールグレー・ネイビー・黒・ベージュです。これだけだと暗く見えがちなので、一色差し色を加えてみました。今年風のオーバーサイズに加え、タートルネックセーターなどインナー的に着回せるジャストサイズもあると便利です」。
各アイテムのセレクトポイントをチェック!
定番の長袖ボーダーTシャツ
「家で洗える定番のボーダーは、日常使いにもおしゃれ着にもなる優れモノ。一枚は必ず欲しいアイテムです」
黒のビックシルエットセーター
「着丈が長く、お尻まですっぽり隠れるオーバーサイズのドロップショルダーニットは、今年の流行アイテム」
赤のVネックニット
「冬のベーシックカラーとも相性のいい赤ニット。モノトーンに赤いリップが映えるように、一点ポイントになってくれます」
グレーのタートルニット
「首元も暖かく、重ね着に重宝するジャストサイズのタートル。使いやすいグレーのチョイスが正解です」
金川文夫さんが選んだボトムはコレ!
細・太2種類のパンツとワンピースをセレクト
「流行のワイドパンツと、細身のジーンズ。印象の異なる2つのボトムスに加え、シンプルなワンピースをセレクトしてみました。この3点があれば、カジュアルにも、お出かけ着にも、年末年始のあらゆるシーンにバッチリ対応できますよ」
各アイテムのセレクトポイントをチェック!
カーキのワイドパンツ
「これもコットン素材で、扱いが楽なタイプ。一見カジュアルな印象ですが、女性らしい靴にもよく合います。シルエットも今年風です」
ブラックスキニーデニム
「ボトムスの中で、必ず1本はジーンズが欲しい。ブラックデニムなら、カジュアルだけでなく、エレガントな着こなしにも使えます。家でも洗えて、手入れが楽なのもポイント」
グレーのワンピース
「きれい目なワンピースが1つあれば、レストランやお子さんの学校行事など、ちょっときちんとしておかなくちゃ、という時の装いに重宝します。組み合わせによってはカジュアルにも使える、シンプルなタイプがオススメです」
金川文夫さんが選んだ靴はコレ!
ヒールあり・なしを両方セレクト
「ヒールのあるブーツと、ストラップのあるフラットシューズを選んでみました。ヒールのある・なしは、コーデの印象を分ける重要なポイント。できれば両方持っていたいですよね。色は、どちらも汎用性が高くて間違いのない黒で決まりです」
各アイテムのセレクトポイントをチェック!
5cmヒールのショートブーツ
「冬はタイツを履きますから、ブーツはマストです。女性らしいフォルムのショートブーツは、カジュアルシーンはもちろん、きちんとした印象も与えてくれるので、ぜひ1つは欲しいところ」
ストラップ付きフラットシューズ
「トレンドは、フラットシューズです。こういうフラットシューズには、タイツではなく、あえてホワイトソックスを合わせれば、さらにおしゃれに見えますよ。パンツスタイルには、ぜひ取り入れて欲しいスタイルです」
金川さんが選ぶ、「お別れ」アイテムとは?
タイトなシルエットのトップス
「ジャストサイズのシャツは、ちょっと時代遅れを感じます。シャツをインナーで着るスタイルも、あまり流行っていません」
甘々なレースシャツ
「甘めのレースシャツは、見た目はかわいいんですが、他のものとのバランスが取りづらいため着まわしは難しいですね」
洋服を思い切ってセレクトすると、クローゼットはこんなにコンパクトに!
金川さんがセレクトしたアイテムだけを残してみると…ぎゅうぎゅう詰めだったラックが、ほら、この通りスカスカに!
ワードローブはこんなにスッキリとして、何があるのかが一目瞭然です。
「洋服ってかさばりますからね。でも、使うものって、実際は少なくても十分なんですよ。ぜひ、黄金比率を参考に、クローゼットの中を見直してみてください。そこで注意しておいて欲しいのが、同じようなアイテムは選ばない、ということ。せっかく黄金比率を守っても、似たようなアイテムを残してしまうと、コーデが単調になりがちです。色やシルエットなどに違いがあるアイテムを選んでみてくださいね」
次回、後編では、セレクトした10アイテムで作れる24通りの組み合わせの中から、毎日が楽しくなる7daysコーデをご紹介します。お楽しみに!
今回教えてくれたのは…
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金川文夫(かながわふみお)
パーソナルスタイリスト。ソーニョスタイリングオフィス代表。広告・イベント・タレントのスタイリングのほか、女性に特化した男性パーソナルスタイリストのトップランナーとして活躍。「ヒルナンデス!」などのTV番組や雑誌でもおなじみ。インスタグラムではフォロワー4万を超え、上品でおしゃれなファッションのヒントが多くの女性に支持されている。
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