「食と酒と旅を愛する編集者」として知られるツレヅレハナコさんは、新居として注文住宅を建てました。自他ともに認める食いしん坊の彼女が家づくりにおいて一番こだわったのは、やはりキッチン。ジャンル別に仕分けられ、使いたいものがサッと取り出せる収納計画はさすがの一言でした。ハナコさん流のインテリアも必見です!

HOUSTO 編集部

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今回教えてくれたのは…

  • ツレヅレハナコ
    お酒とつまみと台所道具がある場所なら、日本各地・世界各国を飛び回る料理編集者。著書に『女ひとりの夜つまみ』(幻冬社)、『ツレヅレハナコのホムパにおいでよ!』(小学館)など多数。10月24日、河出書房新社より、一戸建てをつくった経緯を描く『女ひとり、家を建てる』が発売予定。
    http://www.kawade.co.jp/np/search_result.html?writer_id=00365

収納、動線、採光。すべてにこだわった、ツレヅレハナコさんの新居キッチン

旬の食材を塩梅よく、パパッと気の利いた一品に仕上げるそのセンスはいつも注目の的!
著書も多く、毎月たくさんの雑誌・WEB連載を抱える料理編集者・ツレヅレハナコさんの新居にお邪魔しました。

緑豊かでのどかな都内某所。商店街やスーパーも近い便利な住宅街に佇む、2階建の注文住宅。ツレヅレハナコさんといえば何と言ってもキッチン!まずは2階にあるキッチンへと案内していただきました。

キッチンを入口側から。中央に設けた仕切り壁の周りは、ぐるりと回遊できる。

「以前住んでいた賃貸マンションのキッチンがとても気に入っていたので、新居設計の基準はそこに置き、良かった点を踏襲し、使いづらかった点の改善策を加えてつくったのが今のキッチンです。クローズドキッチンで、パントリーも兼ねた料理に専念できる空間に。収納、動線、採光、一切の妥協をせず希望を全部盛り込みました」。

ステンレス加工が得意な厨房機器メーカー「タニコー」にオーダーしたオリジナルキッチン。コンロ部分は作業台から一段低くなっており、鍋を真上から覗き込める絶妙な高さに。

パントリーの仕切り壁には小窓を配し、採光とヌケ感をプラス。好きな部分にモノを吊るすことができる有孔ボードが便利。

最高のキッチン各所に設えられた、ツレヅレハナコさんの目からウロコの収納テクニック

調理器具や撮影用アイテムを、素材別に整理したオープンシェルフ。

「調理器具はすぐに取り出せるよう、基本的にはオープン収納です。かご類、ステンレス、アルミなど、なるべく素材別で分け、同じジャンルのモノを吊るしたりして、置き場所をわかりやすく。食器がホコリを被らないように、吊り戸棚にアクリルの引き戸をつけてもらいました」。

ツレヅレハナコさんが新居のキッチンで実現させたかったのが、パントリーの「見える化」。以前のキッチンはパントリーが離れており、かつ見せないタイプの収納だったので、どうしても「死蔵品」が出てしまったそう。

製薬会社の薬棚がヒントになったという、オリジナルのパントリーカート。

「賞味期限が切れてしまったり、あることを忘れて同じものを買ってしまったり……。新しい家では、パントリーをキッチンのそばに置いて、きちんと管理したいと思いました。そこで、建築家さんが提案・デザインしてくれたキャスター付きのカートを、大工さんにつくってもらいました」。

オリジナルキッチンに組み込んだワイドな引き出しには、スパイス類が一目でわかるように整理されている。

青森で出合った古い食器棚。見ていて楽しくなる食器を選んで並べているそう。

リビングの隅に置かれたアンティークの棚は、ハナコさんが実家から持って来たもの。試食用の食器類がきれいにまとめられている。

“食周り”と“それ以外”を潔く切り分ける!メリハリのある家づくり

玄関の引き戸を開けると、そこはまるで小さな居酒屋のよう。実はこのお宅、1階にもコンパクトなキッチンがあるのです。「いつか何かできたらいいなと思って」と、店舗営業の許可が取れるように設計してあるのだそう。

とことん“食周り”にこだわった新居。「それ以外は、逆にどうでもよかったんですよね」とハナコさん。1階セカンドキッチンの奥に、プライベート空間をギュッと詰め込んだそうです。

「寝室、サニタリー、書斎は『こだわらないエリア』として、予算もあまりかけませんでした。小さな寝室は、ベッドを入れたら蟹歩き(笑)。書斎も穴蔵みたいな感じで、デスクと椅子だけ。浴室もシャワーのみです。近くに銭湯もあるし、毎日湯船につからなくても平気なので」。

人が集まって食事を楽しめるリビングダイニングは2階につくった

大切な“食周り”と“それ以外”を潔く切り分けることで予算もクリア。家づくりは、自分の中の優先順位を見極め、何が大切なのかを改めて確認する作業だった、とハナコさんは話します。

「おいしいものを囲んで仲間とワイワイやるのが大好き。だから、自然と食周りのアイテムは増えます。でも、減らすことを考えたことはありません。私が持っているモノは、すべてストーリーがあって、なんでこれがあるの?と聞かれた時に、答えられないものしか持っていないんです。自分の好きなものが家の中にたくさんあるのは楽しいし、多くても気になりません。」。

カウンターに置かれた印象的なランプは「これは実家から持ってきた古いもの。ラクダの皮でできています」。

取材中も、ハナコさんにアイテムについて質問をすると、「ポルトガルのフリーマーケットで買った鍋」や「モロッコのクスクス専用鍋」など、旅の記憶を交えながら教えてくれました。

今何が必要で、何が不要なのかを判断すること。選りすぐったモノたちに出番を与え、大切に手入れをすること。整理整頓は得意ではないと自己分析をするハナコさんですが、たくさんのモノに囲まれながらも窮屈感を感じさせないのは、モノ選びへの明快なルールがあるからなのでしょう。

時間が経つほどに、使い勝手よくカスタマイズされていくであろうツレヅレハナコ邸。このキッチンから紡ぎ出されるメニューの数々が今から楽しみです。

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