バブリーな⾐装に⾝を包み、個性的な芸⾵で⼀世を⾵靡した平野ノラさん。2021 年に出産を経験し、ママとしての顔も持つノラさんは今、“⽚づけの達⼈”として知られ、多くのメディアで引っ張りだこです。「部屋を⽚づけたことで、⼈⽣が好転した」というノラさん が、これまでの⽚づけ遍歴と、⽚づけがもたらした不思議な効果について語ってくれました。
平野ノラ プロフィール
お笑いタレント。1978年、東京都出⾝。バブル時代をテーマにしたネタで⼈気を博し、バラエティ番組や CMなどで活躍。特技は、⼩学⽣から⾼校⽣まで熱⼼に取り組んだバレーボール。著書に『部屋を⽚づけたら⼈⽣のミラーボールが輝きだした。 1⽇15分のノラ式実践法』(KADOKAWA)。雑誌『ESSE』のウェブサイトで、⽚づけや暮らし に関するエッセイを連載するなど、「⽚づけの達⼈」としても活動の幅を広げている。
https://www.instagram.com/noranoranora1988/
https://www.youtube.com/@noranoranora1988
https://ameblo.jp/hiranonora/
⼀冊の本をきっかけに、「汚部屋」とサヨナラ
著書『部屋を⽚づけたら⼈⽣のミラーボールが輝きだした。 1⽇15分のノラ式実践法』(KADOKAWA)が話題に。雑誌のウェブ連載でも毎⽇の⽚づけと快適な暮らしを公開している平野ノラさんは、バブリー芸⼈から片付け本の出版や学生時代に情熱を傾けていたバレーボールの仕事、美容やファッションなどマルチに仕事の幅を広げています。
20代の後半からはじめた徹底的な⽚づけとモノの整理は、現在「7クール」⽬に⼊っているそう。若いころは⽚づかない「汚部屋」暮らし。メンタルも限界⼨前だったノラさんを救ったのは、⼀冊の本でした。
「27歳のころ、カレン・キングストンさんの『ガラクタ捨てれば⾃分が⾒える』を読んで、衝撃を受けました。まさに⾃分はいらないものに囲まれて、未来が⾒えずにがんじがらめになっていたのです。そこから⼀念発起。まずは部屋にあったゴミを捨てるところからはじめました。傘なんか 10 本以上あったんですよ。ありとあらゆるもの、紙類にも⼿をつけはじめて。いつか取得しようと思っていた資格試験のテキストとか、いろいろとあったんです。⾒るたびに『ああ、やらなきゃ』って思うだけで、やれない⾃分を責めていました。読みかけて読まない本も、どんどん⼿放していったんです。その間に、『私、やっぱり芸⼈がやりたいんだ』って気づいて。⼀度は諦めていた芸⼈にチャレンジする気持ちがわいてきました」
「やらなければ」と思い込んでため込んでいたテキスト類や、積んであるだけの本。⼼当たりがある⼈も多いのでは……? ⽚づけといらないモノの整理は、⾃分の中にある思いの整理にもつながる。ノラさんがそう気づいた瞬間でした。
結婚前提の彼⽒からのプロポーズも断って、⼈⽣をやり直した⽇
現在、絶賛第 7 次⽚づけ期間に⼊っているというノラさん。⼤胆な⽚づけをすると、新しいことが⼊ってくるという確信があるといいます。
「もう、⼈⽣を変えるぐらいの⼤がかりな⽚づけを、7クールもやると、わかるんです よ。乗り越えたら、何か新しい仕事や出会いが絶対来るんですよね。だから逆にいうと、ステージを上りたい、⼈⽣を変えたいという時は、思い切っていろんなものを処分する。最初にブレイクしたのも、⼤きなものを思い切って捨てたからだと思っています」
31歳のころ、ノラさんには結婚前提で同棲していた彼⽒がいたそうです。しかし芸⼈になることを志したノラさんは、プロポーズも断って同棲を解消し、狭い⼀⼈暮らしの部屋で⼀から出直しました。
「いらないモノも、それまでの⽣き⽅も彼⽒も、⼿放して。でも、希望と根拠のない自信はあった!そこから芸⼈になって、また衣装やネタや小道具にいろんなものが溜まっていくわけです。私には当時、バブルのキャラクター以外にも、いろんな持ちネタがありました。オーディションによって使い分けていたんですが、どうも今ひとつ突き抜けてブレイクしなかった。そこでまた片付けます。全てのモノを並べて向き合い片付ける中で気付いたんです。いろんなネタは私の武器だけど、私にはバブルで売れる!と言う覚悟が足りなかったという事に。 捨てたのはモノだけど、自分にとっての保険や逃げ道も全て捨てました。確信が覚悟に変わった瞬間でした。それ以外は、全部捨てようと。必要な時は、未来の自分が何とかすると、自分を信頼する事にしたんです。更にバブルネタと真剣に向き合って、そしたら、その翌年、皆さまに知っていただけるようになりました」
必要がないと思えるモノを捨てれば、本当にほしいモノが⼊ってくる……? これは、⽚づけの⼤きなモチベーションになりそうです。
こどもと⼀緒に⽚づけの哲学を学んでいく

こども⾃⾝が満⾜するまでモノを愛でる。人形を観客に見立てて、定期的にこどもの作品で「バブ子美術館」を開催(撮影:平野ノラ)
ノラさんの娘さんは4歳。片付けが嫌いにならないようにこどもでも片付く仕組みを考えゲーム感覚で楽しんでいます。
「こどもは絵や⼯作など、たくさんの作品を持ち帰ってきますよね。どんどんたまっていきます。でも、全ては残してあげられないので、気に入ってる自信作や厳選した作品などを一旦、壁に飾ってバブ子美術館として開催し、ぬいぐるみをお客さんにしてごっこ遊びをしながら作品を愛でています。娘も嬉しそうに話してくれます。そしてまたしばらく溜まったら、『次のを飾ろうか?』と⾔うと、『うん』と納得する。それで、⼿放しやすくなる。飾る事によって満足するんですね。自己肯定感も上がり、遊びながらより片付けやすくなります」
⽚づけは、執着を⼿放すこと。こどもはあまり執着がなく、素直なので、こどもからたくさんのことを学んでいる、とノラさんは⾔います。
次回は、「⽚づけても何度もリバウンドしてしまう……」という⼈、必⾒! 「ノラさん流、簡単に⽚づけを続けるポイント」を、具体的に教えていただきます。