「⼈⽣を好転させるために⽚づけをしている」というタレントの平野ノラさん。20代後半からはじめた家中の整理整頓とモノの選別を徹底的に⾏う「⽚づけ期」は現在7クール⽬に⼊っているそう。「⽚づけるたびに、そのときに合った⾃分の適量がわかってきます」というノラさん。ついつい増えてしまう洋服や、こどものアイテムなどは、どう整理しているのでしょうか? 具体的な⽚づけのポイントを教えてもらいました。
平野ノラ プロフィール
お笑いタレント。1978年、東京都出⾝。バブル時代をテーマにしたネタで⼈気を博し、バラエティ番組や CM などで活躍。特技は、⼩学⽣から⾼校⽣まで熱⼼に取り組んだバレーボール。著書に『部屋を⽚づけたら⼈⽣のミラーボールが輝きだした。1⽇15分のノラ式実践法』(KADOKAWA)。雑誌『ESSE』のウェブサイトで、⽚づけや暮らし に関するエッセイを連載するなど、「⽚づけの達⼈」としても活動の幅を広げている。
https://www.instagram.com/noranoranora1988/
https://www.youtube.com/@noranoranora1988
https://ameblo.jp/hiranonora/
⼤好きな洋服との付き合い⽅
バブリーな芸で⼀躍⼈気者になったタレントの平野ノラさんは、もともと洋服が⼤好き。毎年少しずつ時間をかけて洋服を減らす中で、嗜好の変化を感じているそうです。
千円の服を10着買うより、⼀万円のお気に⼊り1着を⼤切に

シンプルなファッションに派⼿めアクセサリーが今の気分(撮影:平野ノラ)
「仕事がら『⾐装』としても着れる洋服を持っていなければならないんですが、少しずつ減らす事でより心地良さや、新たに新鮮なコーデが生まれたりしています。昔の汚部屋時代は1000円の服を10枚買っても満たされなかったけど、片付けてからは一枚、1万円の服をお手入れしながらガンガン着て⼤事にするようにもなりました。その価値もわかるようになりました。仕事ではカラフルな洋服を着ますが(笑)、プライベートでは着回しができて子育てしやすいシンプルな服を好みます。今はシンプルな服にアクセサリーを組み合わせて、コーデするのが楽しいです」
そうしているうちに、ノラさんは⾃分⾃⾝が「洋服」よりも「アクセサリー」の⽅が好きだということに気づいたそう。
「最近、思い切って25着ほど洋服を処分しました。『これは絶対ずっと着るだろうな』と惚れ込んでいた一軍の洋服も、数年経つと、違和感を覚えたり、着心地良さや好きなモノが変わってたりして。整理してみたら、アクセサリーの⽅が魅⼒的に思えてきて。こういう変化も、⽚づけてみないと気づけないんですよね」
洋服は手放した瞬間にすぐに似合うと思う相⼿に『お嫁⼊り』させる

整理したのち、誰かにあげる(嫁⼊りさせる)洋服たち(撮影:平野ノラ)
ノラさんの洋服の処分⽅法は、人に譲る、寄付する、リサイクル、リメイクなど嫁ぎ先をたくさん確保しているそう。前はフリマアプリなども利用していたそうですが、手間と時間がかかることから、やめてしまったといいます。
「不用品と言う名の在庫が売れるのを待っている間も、人にあげよう、ゴミに出そうと思っていながら、ずっと家に陣取ってるモノってありますよね。手放すと決断した瞬間に人に譲るなり、送るなり一旦保留にせずに、すぐに家から出すことにしたんです。洋服はアイテムによって、似合う人へお譲りしたり、リサイクルに送ったり、あげる相⼿を『嫁ぎ先』って呼んでまして。嫁ぎ先のために袋を⽤意して、次に会った時にあげる、その回転を早くしています。こども服も同じです。サイズアウトしたら紙袋に⼊れていき、それがいっぱいになったら、嫁ぎ先に連絡をして、お渡ししています」
こどものモノは増えていくから、こどもも⼀緒にお⽚付け
前編でノラさんは、園から持ち帰ったり⾃宅で作る「作品」は、リビングの壁に飾って「バブ子美術館」を作ることで、こどもの気持ちを満⾜させていると語ってくれまし た。4歳の娘さんには、物⼼ついたころから「⽚づけ」についての考え⽅を話してきたそうです。
「捨てなさい」より「あげようね」で⽚づけモチベーションがアップ
「こどものおもちゃとか作品って、どんどん増えていきますよね。私は娘にいつも『⼿放すから⼊ってくるんだよ』と伝えるようにしています。『バブ⼦(娘さん)もいろんなものをいただいて、嬉しかったよね。じゃあ、バブ⼦が使わなくなったものを誰かにあげたら、誰かも嬉しいよね』と。だって、『捨てろ、捨てろ』って⼤⼈だった⾔われたら悲しいじゃないですか。でも、『あなたももらったんだから、誰かにあげようね。何かがなくなれば次にまた⼊ってくるよ』と⾔えば、スッと納得してくれます」
クリスマスや誕⽣⽇など、⼤きなイベントの前は、「⽚づけを促すチャンス」。
「『使っていないおもちゃが散らばってたら、サンタさんが新しいプレゼントを置く場所がなくなっちゃうよね』の⼀⾔で、こどもは⽚づける気まんまんに(笑)。こどもは純粋ですから、やる気を引き出すのは簡単。⼤⼈も同じように『新しい何かを引き寄せよう』という気持ちで、⽚づけを促してみるといいかも!」
⼝出ししたい気持ちをグッと堪えて、こどもに「残すモノ」を選ばせる

本棚は7割収納を⽬指して、使いやすく(撮影:平野ノラ)
「こどもとの⽚づけで私が⼼がけているのは、なるべく『こども⽬線』に⽴つこと。収納やワゴンの⾼さも、本⼈が⽚づけやすい⾼さにしています。⾃分で⽚づけると達成感があるみたいですね。本棚も、きっちり詰まっていたら取り出しにくいので、子どもでも出し入れしやすい7割収納の本棚にしています」
年齢が上がるにつれ、卒業していく絵本が増えていきます。ノラさんは、本棚が溢れる前に、娘さんと⼀緒に選別をしているそう。
「いったん、すべての絵本を私が床に並べて、残すものだけを選ばせる。『これは⾚ちゃんにあげようか』と話しながら。親からすると、『これは読んでほしいな』って思うものもありますけど、そこは絶対に⾔わずに、ぐっと堪えて、本⼈の意思に任せる。そうすると、満⾜するわけです。満⾜すると、⼿放しやすくなる。満⾜していないから、執着が残るんですよ、⼤⼈もそうですよね?」
⼦育ては「待ち」の連続。こども⾃⾝に選ばせている間、ついイライラしてしまいそうですが……。
「⾃分のスイッチをオフにして、休んでおこう、と考えるんですよ(笑)。イラッとしそうになったら、半⽬になってオフです。誰かに勝⼿に選ばれたり、捨てられたら⾃分も嫌だから、絶対に人のモノは勝手に捨てません。こどもって、⼤⼈に原点を教えてくれる存在ですよね。⽚づけについても、私が教えているようで、教えられていると感じることがたくさんあります」

赤ちゃん時代の大切に残したい思い出グッズは、厳選して小さな BOXへ。(撮影:平野ノラ)
「どんな部屋でどんな自分でありたいか」を先に置いて、⽚づけに取り組んで
たくさんの⽚づけポイントを教えてくれたノラさんですが、「⽬先のテクニックだけにとらわれないで」ともアドバイスしてくれました。
「⽚づけることそのものを⽬的にしてしまうと、⽚づけられない⾃分を責めてしまいがちですよね。でも、逆の発想なんです。⽣きていれば、モノは絶対に溜まっていく。でもそれらを処分すると、また⼊ってくる。それをやれば『いいこと』が⼊ってくると体現している私にとって、⽚づけは無条件に『やればこうなる』シンプルな実践法です。だから、まずは『⽚づけなければ』ではなく、『どんな部屋でどんな自分でありたいか』を 先にイメージしながら片付けるといい。ほとんどがまだ着れる服だったり、使えるモノだったりする中で、自分にとって心地良いか?好きか?なりたい自分か?そんな風にモノの選択・決断を通して、自分が本当にやりたかった事に出会ったり、自分が好きになって、自分を信頼できるようにもなっていきます。ぜひ実践を!」
⽣活に⽚づけが⾃然と組み込まれて、少しずつうまくなっている⾃分を実感できている、とノラさん。「⽚づけは、⼀歩ずつ⼭を登っていく感じ」と表現していたのが印象的でした。
⾃分⾃⾝のモチベーションを盛り上げつつ、⼈⽣を好転させるための⽚づけに、さっそく取り組んでみたくなりました!