今回は整理収納アドバイザーの齋藤裕子さんに「収納失敗したな」と思ったエピソードと解決法を伺いました。プロでも収納を常に見直すことを大切にしています。あなたも今一度周りを見渡して、より暮らしやすい収納を見つけてみませんか。

齋藤裕子

齋藤裕子

埼玉県在住。普段は接客販売で働くかたわら、整理収納コンサルタントの資格を取得。片付けコンサルサービスからイベントでのこどものお片付けワークショップなど、幅広いフィールドで活動中。

https://lino-style-8.amebaownd.com

リビングから私物を無くしてスッキリ空間を目指す!

現在、78歳の父と69歳の母と3人暮らししている私。

数年前、リビングのソファーを買い替えたタイミングでリビングに置いてあるモノの見直しを家族と一緒にしました。今までリビングに置いてあった私物を各個室へ移動し、モノを少なくすっきりさせよう!と思い立ったのです。

その際気をつけたことは、各部屋でも動線を考えて取り出しやすく、使いやすくすること。私物でごちゃごちゃしていたリビングはすっかりモノが減り、スッキリした空間になりました。

両親も私物が個室にあった方が暮らしやすいと思ったのに……

「これなら急な来客があっても大丈夫!」と思っていた矢先、父が元に戻してほしいと言ってきました。

理由は長年の行動習慣が体にしみついていて、自分の部屋にあるよりリビングにあったほうが使いやすく、忘れないで済むとのこと。客観的にみて父の部屋に置いてあったほうが使いやすいはずでしたが、父にとっては多少不便でも無意識のまま習慣で使える方がいいとのことでした。

使いやすい動線か、習慣化された動線か

その時気がついたことは、私の親世代にもあたる高齢者は、日々家の中でルーティーンがあるため、その行動ルーティーンを崩さないようにしたほうがいいんだなということ。そして、そのほうが忘れ物も防ぐことができるようです。

それ以来、すぐに父のモノをリビングに戻し、リビングの中でも父の行動動線を考えて父のモノ置きの定位置を決めました。

こちらが今のリビング、父のモノの定位置です。

ストレスなく暮らすための収納を考える

この経験から一般的な「使いやすさ」は行動習慣に勝てないこともあるのだなと学びました。「モノがなくすっきりした部屋が正解」ではなく、そこに住む本人がストレスなく暮らせることが一番です。

整理収納は失敗だらけ、こういう経験が快適に暮らすヒントになっていることが沢山あるのですね。

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