今回は整理収納教育士認定講師の石山可奈子さんに「収納失敗したな」と思ったエピソードと解決法を伺いました。プロでも収納を常に見直すことを大切にしています。あなたも今一度周りを見渡して、より暮らしやすい収納を見つけてみませんか。
きょうだいで違う収納用品を買ったワケ
わが家では「無印良品」のスタッキングシェルフに息子と娘のモノを収納していますが、きょうだいによって使用している収納アイテムを変えています。
変えているのには訳がありまして。
わが家の子どもたちの年齢は2歳差。息子のおもちゃ入れや学習机などが必要になったタイミングで、「どうせ買うんだし」「同じモノの方が揃っててキレイに見えるし」と、娘も同じモノを購入していたのです。その考えが失敗でしたね。甘かった、完全に。
同じお腹から生まれてきたきょうだいといえども「特性」や「性格」がぜんっぜん違うってことを、収納アイテムを購入するときに親の私たちが完全に忘れていたことで起こったこと。
それは「出しっぱなし」「やりっぱなし」でした。
見た目では散らかっている、それだけにフォーカスしがちなのですが、このふたつの「ぱなし」は「できないシグナル」として出ることもあるんですね。
こどもが片付けできないシグナルを察知する
なんか使いにくいとか、しまいにくいとか、違和感があったとしても、その細かな思いを言葉で表現して伝えるには、まだ大人よりも経験やボキャブラリーが少ないこどもには難しいこと。シグナルが出たということはきっと負担だったんだと思います。
こどもの片づけられない原因にはこういった「収納」にあることは、わが家もしかり、整理収納教育士認定講師として伺ったお客さまのおウチでもよく見られることでした。
限られたスペースにどうやって上手に収納することができるのか? なんて、こどもにとってめちゃくちゃハードル高いですよね。大人だって難しいのに……。ここはこどもの特性や性格がわかっている親の出番です。
どうすれば片付けやすいか、こどもたちにヒアリング
上段が息子、下段が娘のスペースです。どちらも「無印良品」収納のアイテムを使っていますが違いがあるのがお分かりでしょうか?
こちらは息子の収納方法。「いちいち箱に入れるのは面倒くさい」と、すぐに取れることを優先した結果、アクリル仕切りスタンドを使用したオープン収納です。
そしてこちらが娘の収納方法。紙製のダンボールファイルボックスの素材と色が好きということを優先。そして、使う用途・モノに分けてボックスごとにまとめられることで、箱ごとに引き出せて便利だそう。
こうやって比べてみても収納用品の素材や色、手触り、こだわり、使い勝手はやっぱりそれぞれで、一人ひとりヒアリングしてみるとやっぱり違うことがわかりました。
おかげさまで出しっぱなし・やりっぱなしはなくなり、こどもも快適、大人も快適です。たくさんの収納アイテムがありますが「使う人にあわせて」選んでみてくださいね。