無印良品が提案するCompact Lifeには、4つのステップから成る独自のセオリーがあります。今回は「使うことを考えてしまう方法」について、インテリアアドバイザーに伺いました。
生活の動線を考えて「しまい方」を決めよう
これまで、自分にとって必要なものを選別し、収納のかたちを考える…というところまで、インテリアアドバイザーの佐伯栞さんに教えていただきました。いよいよ、具体的に収納をしていくためのテクニックを伺います。
佐伯さん 「モノにはすべて、適した置き場所があります。いつも決まった場所に配置してあれば、動きのルーティーンが決まり、どんな作業もしやすくなるのです。しまい方を考える上で大切なのは、自分と、家族それぞれの動線。生活動線に沿った収納を、2ステップで進めてみましょう!」
ステップ1:「人」「目的」「場所」でまとめる
「その場がきれいになればいい」と、収納ボックスの中へ何でも無作為に放り込んでいませんか? 一見、その空間はきれいになったように見えても、いざ使いたいときになかなか出てこなかったり、取り出しづらかったり……。結局また散らかって、リバウンドの繰り返し。これは、「まとめ方」にルール付けをしていないから、と佐伯さんは指摘します。
佐伯さん 「すべてのモノは、場所・目的・人ごとにまとめてみましょう。どこで使うのか、何のために使うのか、誰が使うのか。それぞれきちんとまとめて、そのモノたちの居場所をつくってあげるといいですよ」。
「場所」でまとめる
使いたい場所に、そのモノがあることが大事。「リビング」「キッチン」「洗面所」など、家の中のそれぞれのスペースに、きちんと合ったモノをまとめて置くようにします。当たり前のことのようですが、意外と、「あれっ? 探していたモノがこんなところにあった!」なんてことも多いのでは?
使う場所から出ていかないように気をつけるだけで、散らかりづらくなるのです。
「目的」でまとめる
目的別でモノをまとめると、作業効率がグンとアップします。たとえば、キッチン。調理器具があちこちに分けて置いてあったら、料理のたびに動き回ることになり、不便ですよね。また、めったに使わない調味料を出しっぱなしにしたりしていませんか?
「見た目もすっきり、使いやすく整えるには、目的別のグルーピングがおすすめです」と佐伯さん。
キッチンでのグルーピング例
●よく使う調理器具
●よく使う調味料
●お弁当用アイテム
●お菓子用など、たまに使う調理器具
●たまに使うスパイス
佐伯さん 「ほかに、ハンガー、クリップといった洗濯物に使うグッズも、洗濯物を干す場所にまとめておくと便利です。見た目もナチュラルな籠に入れれば、インテリアを損ねることもあり ません」。
「人」でまとめる
人ごとにまとめる一番の利点は、モノが発見しやすくなるということ。家族が多いほど、「人」ごとにモノをまとめる重要性は上がります。
特に、子育て世代におすすめしたいのは、子どもそれぞれに収納スペースをきちんと与え、自分たちで整理をさせることです。
家族それぞれが責任を持って所有物を管理することで、家全体が散らかりづらく、毎日の家事もスムーズに進むようになります。
ステップ2:収める場所に印を付ける
場所、目的、人別にまとめたモノたちを、いよいよ適した収納スペースに収めていきます。使用する収納ボックスや引き出しには、使うことを考えて、印を付けていきましょう。
テプラなどがあれば便利ですが、マスキングテープに油性ペンで書く方法で十分。思い立ったときにすぐに張り替えられる手軽さもいいですね。
たとえば衣類をしまう場合。まず、そこが誰のスペースであるかをきちんと決めた上で、「靴下」「下着」のマークなどを付けます。子どもには、キャラクターのシールなどを使って、整理整頓のモチベーションを上げてあげるのも手。家族それぞれのマークをつくって、ルールを共有してみましょう。
佐伯さん 「大切なのは、そのマークがあるところには、ほかのものを入れないと決めること。そうすることで、モノを探す手間はかなり省けるはずです。また、ジャンル別にまとめることで、現在、自分が何をどれくらい持っているかを把握することができます。余計な買い物をしなくて済み、節約にも繋がるんですよ! それから、印付けには、見た目がオシャレになるという理由で、英字を使ったりするパターンもありますが、お子さんのいるご家庭にはオススメしません。使う人がパッとわかるマークであることが大切です」。
場所・目的・人別にまとめたら、わかりやすい印を付けた収納スペースにしまう。そして、出したら必ず元の場所に戻す。
この繰り返しが、散らかりリバウンドを防ぐ最大のコツです、と佐伯さんは教えてくれました。
次回は、すっきりと整った部屋に、もう一工夫。「暮らしの彩りを考える」をお届けします。
画像提供:無印良品
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