HOUSTO編集部が「今、気になる本」をシェアするストレージレビュー。今回はモノを買わずに部屋の印象を変えるためのルールブック、『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』をピックアップします。

HOUSTO 編集部

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インテリアコーディネートの基本はずっと変わらない。トレンドやブームは関係ないのかも?

新年度が始まって数週間。環境だけでなく、住まいもリフレッシュしたい! と考えるのはごく自然なことですよね。そんな気分で手にとったのが『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』です。引っ越しせず、新しく何かを買うことなく手軽に印象を変えるためのルールが紹介されています。

著者の荒井詩万さんはインテリアコーディネーター。個人宅からオフィスまで多数のコーディネートやリフォームを手がけてきたプロです。
出版されたのは2019年。実は最新本ではありません。それでも重版を重ね、累計44,000部(電子書籍含む)も売れているということは、トレンドや時代が変わっても多くの人に支持され読まれ続けてきた証拠。インテリアコーディネートの基本は変わらないのだ、と改めて気づかされます。

なんとなく家具を置き、なんとなく小物を飾るからイマイチな部屋になる

インテリアコーディネートの指南本や解説書には、「自分らしさを大切に」「ライフスタイルに合わせて」とよく書かれています。好きなものを好きなように配置して飾る。それで満足できればいいですが、しっくりこないから変えたいと思うはずだ、と荒井さんは言います。

「感覚的に」「個性的に」「自由に」部屋をつくってきたこと。それが満足できない部屋になっている原因だと、私は思います。

しかし、インテリアコーディネートのルールを学び実践すれば、そこに自分らしさや個性はおのずとプラスされていくのだそう。基本レシピを知っているからこそアレンジができる。荒井さんは料理に例えながら、詳しく説明してくれています。

「自分らしさ」という言葉には、反論の余地を与えない絶対的な強さがあると感じます。よく考えないで安易に使ってしまうパワーワードです。でも、自分らしさは基本ルールの延長線上で表現してこそ引き立つものなのですね。

買い足さないでセンスよく仕上げるルールは、「見せ場をつくる」

本書で紹介されている素敵な部屋づくりのルールは、新しくモノを買わないということが大前提。要はモノの置き場所を変えたり、モノのグルーピングを見直したりするという内容ですが、知っているようできちんと把握していなかったことばかり。

たとえば、ドアを開けて部屋に入ったときにまず何が目に入るか。人は空間に入ると無意識に一番遠い場所に目を向けるとされています。その法則に則り、ドアの対角に主役となる家具やインテリア小物を置くといいというルール。人の目線を操って見せ場をつくるのです。とても論理的で、腑に落ちるように分かりやすく説明されています。

おしゃれに見せようと思ってオブジェを買う。きれいに片づけようと思って収納ボックスを買う。でも、それは根本的な解決にはなりません。モノを増やさずとも、置く場所を変えるだけで印象が変わる。それはもうセンスうんぬんではなく、知識の問題。そう考えると、インテリアコーディネートも一種の技術です。学んでこそセンスは磨かれていくのです。

「狭いから」「賃貸だから」「お金がないから」「小さいこどもやペットがいるから」。言い訳せずに、まずやってみる

センスのいいあか抜けた部屋をつくるのに、部屋の条件はそれほど関係ない。これは、本書を通して荒井さんが強く訴えていること。ないモノねだりをする前に、今ある環境でできることにまず着手する4月にしてみませんか?

書籍情報

今あるもので「あか抜けた」部屋になる。
荒井詩万 著
サンクチュアリ出版
https://www.sanctuarybooks.jp/book/detail/1058

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