HOUSTO編集部が「今、気になる本」をシェアするストレージレビュー。今回取り上げるのは、レビュー高評価を獲得している片づけ指南本『人生がきらめくスモールフィット片づけ〜ペン1本から始める部屋と心が整う習慣』です。
年間120回の片づけ講座で「整える楽しさ」を伝える著書

家を整えることに興味がある人なら、一度は整理収納のプロによる片づけ本を読んだことがあることでしょう。今回ご紹介する書籍の著者は、整理収納アドバイザー阿部静子さんです。阿部さんは元フリーアナウンサー。アドバイザーの資格をとり、現在は片づけ講座を年間120回以上実施しています。
本書は阿部さんが提唱する「スモールフィット片づけ」について詳しく説明したものですが、なんとAmazonのレビューは星5.0(7月9日現在)をキープ。他書とどこが違うんだろう?と興味をそそられ、手に取ったのです。
シンデレラフィットは上級者向け。ビギナーにはハードルが高すぎるかも
スモールフィット片づけとは、完璧を目指さず、小さく少しずつ進める片づけのこと。阿部さんは、シンデレラフィット(収納スペースにものがぴったり収まった状態)と対極にある片づけ法として紹介しています。
シンデレラフィットは美しく整って見えますが、実はものすごく難易度が高いもの。不要なものを処分し、収納の構想を練って、種類分けをして何をどこに収めるか考え、入れる場所のサイズを寸分の狂いなく測り、ぴったり合う収納用品をリサーチし、購入して実際に収納して微修正をする。これだけのプロセスと手間がかかる、上級者向けの片づけ方法です。
片づけが苦手な人にとってはハードルが高すぎますよね。
一方で阿部さんのスモールフィット片づけは、取り出しやすく片づけやすくなればOK。一気に終わらせようとせず、少しずつ進めていけばいいと話します。
片づけの起点はリビングでもキッチンでもなく、玄関。1分でできることは意外とある
後半部分では、スモールフィット片づけの具体的な実践方法が詳しく解説されています。阿部さんによれば、片づけ習慣を身につけるためには「すぐにできる」「取りかかりやすい」「成果が見えやすい」場所から始めることが大事。
玄関は広すぎず、アイテムの種類が限られているため、モノの取捨選択がしやすいのだそうです。確かに!
さらに阿部さんは、1回1分の片づけ習慣をおすすめしています。1分でも意外と効果が高く、隙間時間でやれるうえ継続しやすいのです。ゴールデンタイムは外出する前、夕食の支度前、入浴の前、そしておやつを食べる前。何かをする前なら、集中してやる気になれるし生活のリズムも整います。例えば片づけとおやつをセットにしてしまえば、ルーティン化しやすそうですね。
玄関をはじめ、リビングやキッチン、書斎など場所ごとに1分でどんなことができるか詳しく提案してくれているのも、「読んで終わり」にさせない著者の優しさを感じます。まるでお片づけ講座に参加しているような気分です。
片づくことがゴールではない。理想の暮らしを送るために片づける
最後に、阿部さんが提唱するスモールフィットのマインド5カ条をご紹介します。
1 完璧を求めず、「心地いい暮らし」を目指す
2 「理想の暮らし」を思い描く
3 「収納用品」を先に買わない
4 「思い出のもの」は捨てなくていい
5 「人のもの」は捨てない
どれも、「頑張らなくていいんだ」とホッとさせられるものばかり。それに、片づけの先にある楽しい生活を想像することで、モチベーションも大幅にアップしそうです。
そう、片づけることがゴールではないんですよね。「片づけなきゃ」「きれいにしなきゃ」という呪縛がいかに私たちを苦しめているのかが、本書を読んでいるととてもよく分かります。何のために片づけるのか、整った部屋でどんな暮らしを送りたいのか。それを決めることが、片づけのスタートだと言えそうです。
書籍情報

人生がきらめくスモールフィット片づけ〜ペン1本から始める部屋と心が整う習慣
阿部静子著
アルソス
https://alsos.co.jp/books/人生がきらめく-スモールフィット片づけ/