HOUSTO編集部が「今、気になる本」をシェアするストレージレビュー。今回取り上げるのは、いつもの暮らしがもっと楽しくなるヒントが詰まったコミックエッセイ『自家製はエンタメだ。』。調味料から加工食品まで、自宅で手づくりするワクワク感が満載です。

HOUSTO 編集部

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「買うしかない」と思っていたあんなモノまで!? 少しがんばれば家で手づくり可能

『自家製はエンタメだ。』は、イラストレーターとして活動する浜竹睦子さんによるコミックエッセイ。タイトルはもちろん、帯文の「これは大人の自由研究です。」という言葉にも強く心惹かれます。

本書では、「なんでもつくってみたくなっちゃう病」だという浜竹さんが、さまざまな食品づくりに挑戦する様子が描かれています。つくるものの幅広さ、そしてチャレンジ精神は尊敬に値するレベル。

手づくり、と聞いてまず思い浮かぶのは、みそやポン酢、ドレッシング、梅干し、少しランクアップしてベーコンなどではないでしょうか。本書ではありとあらゆる調味料を手づくりで網羅。そして加工品や乳製品、小麦製品へと広がっていきます。

豆板醤、オイスターソース、ロースハム、しめ鯖、かまぼこ、キムチ、クラフトジン、モッツァレラチーズ、中華麺…。読者の想像を超え、「それ、家でつくれるものだったの?」と思う食品がどんどん登場。

例えば、かまぼこはタラなど白身魚の切り身をミキサーにかけ、砂糖、塩、みりん、酒、卵白、昆布出汁、片栗粉と合わせてすり鉢でしっかり練ります。整形して蒸せば完成。

つくるのは浜竹さんですが、レシピのほとんどは食のプロが監修。肉や魚、調味料は人気ビストロのオーナーシェフ、麺類は製麺所やうどん屋の代表、というふうに、それぞれの知見をもとに、素人でもつくりやすいように調整してくれています。だから安心してマネできる!

わざわざ買わなくていい。ということは、収納スペースがあき、在庫管理もしなくていい

手づくりの魅力は、原材料を自分で選べて安心・安全を確保できること。そして、欲しいと思ったときに必要な分だけつくれること。

とくに調味料は、あれこれそろえるとなると収納スペースを圧迫します。数種類のドレッシング、ポン酢、麺つゆなど、たくさん並んだ瓶やボトル。しかも、それぞれサイズや形状はバラバラです。同じボトルに詰め替えるとすっきりしますが、ボトルの購入代は見過ごせないほどだし、ラベリングや容器の洗浄だって必要。
そのうえ賞味期限のチェックやストック管理までしなければならないのです。

これらは紛れもなく、名もなき家事のひとつ。チリツモで負担に感じるかもしれません。

かくいう私も、ストック管理は苦手。マヨネーズのストックはまだあると思っていたのに見当たらなくて、「今日はポテトサラダをつくろうと思っていたけど、やっぱりやめよう」とトーンダウンしてしまうことも。でも、マヨネーズだって自分でつくれるんです。本書によると、必要なのは卵黄と酢、塩胡椒、サラダ油だけ。多くの家庭でいつもそろっている材料ではないでしょうか。

「冷蔵庫の調味料ポケットはいつも満杯」「管理しきれず、賞味期限が切れて廃棄することもしばしば」「パントリーの整理収納に時間を取られている」…。そんな人にこそ、手づくりに挑戦してほしい!

「ていねいな暮らし」じゃない。「つくる」を楽しめば、暮らしはもっと充実する

手づくり、自家製という言葉は、否応にも「ていねいな暮らし」を連想させます。これほど自家製の沼にハマっている浜竹さんですが、そんな素敵なものではないと言っています。

手づくりはほぼ実験。だから時々、盛大に失敗もする

食品づくりは、発酵や温度管理など、科学的な要素も大きいもの。小難しいことは分からないし、失敗もするけれど、とにかく楽しいからやるんだ。そんな思いが本書にはあふれているのです。

そう、楽しむことが何より大事。お金を出せばなんでも買える時代、あえて手間をかけるのは、ていねいに暮らすためではなく、暮らしを豊かにするためなのだと改めて実感します。

長かった夏休みも終わり、こどもを持つ親はホッと一息つけるタイミング。自分時間がようやくとれるようになったなら、大人の自由研究と称して手づくりに勤しんでみてはいかが?

書籍情報

自家製はエンタメだ。
浜竹睦子著
サンクチュアリ出版
https://www.sanctuarybooks.jp/book/detail/1563

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