夏休みが終わり、ようやく涼しい秋風が吹くころ、中学受験が控える6年生たちは本格的に「志望校過去問」に取り組むことになります。塾のテキストに加え、複数の志望校の、数年分の問題を繰り返し解くことになるため、プリントも恐ろしい量に……! 「ここからは、非常時。家の一部がプリントの山になっても、やむをえないと割り切って!」とエールを送ってくれるのは、長男が関東トップクラスの私立中学校に通うMさん。秋から直前期までの整理方法についてアドバイスをしてくれました。

HOUSTO 編集部

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志望校過去問の整理はルールを決めて

塾にもよりますが、秋からはほとんどの受験生が「過去問」に取り組みます。3〜5校ほどの志望校の過去問をそれぞれ3〜10年分ほど、人によっては繰り返し何度も解く場合があります。過去問の冊子は縮小されているため、記載されたパーセンテージを参考にしながら拡大コピーをして、実際の試験さながらに解くという練習を繰り返すのですが、このコピー作業はほとんどの場合、親の仕事になります。

100均のファイルボックスにザクザク振り分けて進捗を確認

「複数の学校の過去問を一週間に併行して解いたりするので、親はスケジュールとプリントの整理が大変。専用のノートを作ったり、エクセルやスケジューラなどを活用して管理をしている親御さんが多いと思います。わが家でも、過去問専用のスケジュールを組み、私がせっせとコピーをしました。リビングに置いたコピー機はフル稼働です。どの学校の過去問がどれくらい進んでいるかを、100均のファイルボックスにザクザク振り分けながら把握しました。また、塾に提出するための『過去問ノート』も別に作り、先生に問題点をチェックしてもらいながら復習をしました。ノートは教科によって色分けして、パッとわかるように工夫しました」(Mさん)

こどもと同じ進捗確認ルールを共有する

これから手をつける問題、済んだ問題、復習が必要な問題。それぞれプリントはどのファイルに入れるか、こどもと一緒にルールを作って進めることで混乱は防げる、とMさん。

「どこに何が入っているか、親とこどもとが共通認識を持つことが大切だと思います。やるべきプリントがどんどん減っていくと、こどもにも達成感があるようでした」

この時期は、家の一部が散らかっても仕方がない! と腹を括って

「今はこの通り、次男のルーティーンのテキストを整理しているだけなので整って見えると思いますが、長男の受験直前期は、このあたりはカオスでした(笑)。終わったテキストやプリントがうず高く積み上がり、壁に沿ってタワーがいくつもできていました。どのご家庭でも、似たような状態になると思いますよ。親はとにかく、カオスの中にも一定のルールをつくって、『あれどこにある?』という状況を防ぐこと。こどもの弱点を見つめて、その穴を埋めるために動くという感じです」

「勉強スペース」は死守!ほかの日用品は置かない徹底を

リビングの一角、カウンターテーブル付近を「受験コーナー」と決めて、そこ以外にはなるべくモノを置かず、シンプルに整え、こどもが気分転換できるように努めていたそう。

「大人も、空間が全体的に散らかっていたら、ストレスですよね。こどもだって同じだと思うんです。毎日、何時間も、いろんな学校のさまざまな問題に取り組んで、頭の中がいっぱいいっぱいなこどもたちには、休憩時間くらい息を抜いてほしい。そう思って私も片づけを頑張りました。息子はよく床の上で大の字になって休んでいましたよ(笑)」

集中して勉強したら、スッキリ片づいた空間でのびのび休憩。このメリハリが、いい効果を生むのかもしれません。

学用品以外のモノはノイズに。なるべくしまう収納に

テレビの下につけた造作収納には、コピー機のインクのストックや、コピー用紙などが整理されているそう。

「ストック品など、ごちゃごちゃしたものはなるべく目に入らないようにして。ただでさえ紙類で散らかっていきますから、ノイズはできるだけ排除するように努めました。またこれから次男の受験期がくると思うと、ちょっと怖いですが、まあ、一時期のことと腹を括って、取り組もうと思います(笑)」

受験期、親の最大の役割は「病気を予防すること」

受験期間、親は過去問コピーにテキスト・プリント整理など、これまで以上に関わりが増えていきますが、「一番大事なのは学習サポートではないと思う」とMさん。

「プリントの整理などは、一度ルールを作って、それに乗っていけば、流れ作業のようになっていきます。学習についても、一番頼りになるのはやはり塾の先生。親が教えたり、過剰に管理しようとすると、うまくいかないと感じます。これは、多くの受験生の親御さんの共通認識だと思いますが、受験期の親の最大の役割は、家族の健康管理です」

どれだけ勉強を積み重ね、準備をしても、当日に体調を崩してしまっては、もとも子もありません。

「だからせっせと家を片づけ、清潔を保つ。手洗いうがい、消毒など、家族全員で徹底して、受験生を応援する。長男の受験を振り返ってみても、これが一番大切なことなんじゃないかな、と思います。トイレや洗面所まわりは、特にきれいにしておくことを心がけましたね」

整理整頓は受験生の気分転換にも、中学の自走を促すツールにもなる

親はできる限りのサポートをして、本番は、こどもたちを信じて待つのみ。
受験当日、会場に向かっていった長男の背中を思い返すと、今でも涙がでそうになる……とMさんは思い出を語ってくれました。

「家がきれいに整っていること、片づける作業そのものが、私の気持ちを楽にしてくれたと思います。こどもの受験にはストレスがつきもので、不安もいっぱいですが、整理整頓は気分転換にもなります。テキスト整理などのルールづくりをこどもと一緒にすることも、中学生になって自走をするのに役立つと思います。ぜひ、早いうちから取り組まれるといいですね。私もまだあと2人、受験を控えていますので、まだまだ勉強することばかり。こどもたちと試行錯誤しながら、私も成長できたらいいなと思います」

家も、心も整えて、こどもたちをリラックスさせてあげてください、とMさん。
今年度の受験生が、みんな元気で、健康に、最後まで走り抜くことができますように。
桜咲け!

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