収納について考えるとき、つい忘れてしまいがちなのが「安全性」への意識。
大事なのはどうしまうかではなく、いかに安全に取り出しやすく使いやすい環境を整えるか。住生活アドバイザー すはらひろこさんに、ものを安全に心地よく使うための収納法を伺います。安心収納のキホンを押さえ収納プランを考えていきましょう。

すはら ひろこ

すはら ひろこ

株式会社アビタ・クエスト代表。一級建築士、インテリアコーディネーターの資格を活かした整理収納アドバイスに定評がある。

https://ouchisuteki.com/

【キッチン編】

第1回目はキッチン。毎日の食事をつくるキッチンは、器や食材、調理器具、調味料など、たくさんのものが溢れる空間であり、そして、食材を洗う、切る、炒める、盛りつけるといった、さまざまな作業を行う空間でもあります。作業効率をあげるためにも、動線やハンディゾーン*をふまえ、適正なものの収納場所と適正な収納方法を考えていきましょう。ゾーンごとにポイントを意識すると危険を避けるとともに、使いやすいキッチンに進化させることができますよ。

ZONE1:シンクまわり及びシンク下

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  • 水まわりのスペースでは調理家電をできるだけ置かないようにします。またシンク下には、お米のような繊細な食材や使いかけの調味料を保管するのは避けましょう。湿度が高い場所なので、虫やカビの発生を防ぐことが必要です。 お米を保管するなら冷蔵庫の野菜室がおすすめ。基本的には常温保存で大丈夫ですが、梅雨や夏の時季は食べきれる分量に減らすなどの配慮を。

ZONE2:コンロまわり

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  • 料理をする際の使い勝手を考えて、調味料をコンロまわりに収納する方が多いと思いますが、オイルは別の場所を選ぶ方が良いでしょう。とくにペットボトル、ポリボトルに入ったオイルは要注意。コンロの熱で高温になると容器の変形してしまったり、酸化や劣化が進む可能性があるので冷暗所で保存します。コンロの奥に調味料等を収納する際は、調理中に手を伸ばしたときの火傷などの心配がないように確認も欠かせません。

頻繁に使用するフライパンやお気に入りの鍋をつり下げて「見せる収納」にすると、省スペースで効率的なだけでなく料理の時間が楽しくなります。その場合、耐荷重を調べるなど、頑丈なフック選びが大切。吸盤タイプは急に落下してくる恐れがありますので、ときどき状態を点検して危険性の少ない場所に吊るすと安心です。

ZONE3:戸棚など高い場所での収納

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  • 戸棚にものを収納する際は、高い場所に重たいもの、大きなものは置かないことが基本です。使用頻度の高いものは、ハンディゾーンに。高い位置にしまう場合は、取り出しやすいように、取っ手つきのケースに入れてケースごと引き出せるようにする、クリアケースを使って中が見えるようにする、ケースにラベルを貼るなどの工夫を行うと良いでしょう。

保存用器や弁当箱、水筒などは、直接入れるのではなく種類別にケースにまとめて収納するとバラバラになって散らかるのを防げるとともに、うっかり滑るようなことも避けられます。

ものの落下を防ぐために戸棚の開き戸部分に耐震ラッチの取り付けが欠かせません。オープンラックの場合には滑り止めシートを活用することをおすすめします。

ZONE4:作業台

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  • 作業がスムーズに行えるように、作業台にはできるだけものを置かず、包丁などの刃物は扉のある収納スペースにしまいます。

    作業台に置く場合、刃物用スタンドなどを活用しましょう。

ZONE5:床

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  • 調理中に動きまわるので、床にはものはできるだけ置かないように配慮を。

    直置きではなく、収納したいものの種類ごとにケースなどにまとめて収納するように工夫を行うと見た目もスッキリ。

ZONE6:床下

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  • 床下収納を活用するときは、取り出すときのことを考えて収納するものを決めましょう。腰に負担がかからないように、重たいものをしまうときには注意が必要です。

+ワンポイント!

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  • 大切なお子さんやペットへの配慮として、利用したいのがフェンスやベビーガードなど。目を離した隙にキッチンに入ってケガをするといったアクシデントを入り口からシャットアウトできますよ。

*ハンディゾーンとは…

  • 頭から手を下ろした指先までの範囲のことで、立ったままの姿勢でものを出し入れできる最も使いやすい収納スペース。