収納について考えるとき、つい忘れてしまいがちなのが「安全性」への意識。
大事なのはどうしまうかではなく、いかに安全に取り出しやすく使いやすい環境を整えるか。住生活アドバイザー すはらひろこさんに、ものを安全に心地よく使うための収納法を伺います。安心収納のキホンを押さえ収納プランを考えていきましょう。

すはら ひろこ

すはら ひろこ

株式会社アビタ・クエスト代表。一級建築士、インテリアコーディネーターの資格を活かした整理収納アドバイスに定評がある。

https://ouchisuteki.com/

【リビング/ダイニング編】

第2回目はリビング/ダイニングの安全性について考えます。住まいにおいて大切なくつろぎの空間といえるリビング/ダイニング。毎日食事を摂り、ゆっくり趣味を楽しんだり、家族とともに心地よい時間を過ごしたり、もっとも滞在時間が長いスペースといえるのではないでしょうか。適正なものの収納場所と適正な収納方法を知って、安全で快適な空間を手に入れたいものです。ゾーンごとにポイントを意識して危険を避けるとともに、見た目も美しくスッキリとした空間へと変えていきましょう。

ZONE1:食器棚のまわり

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  • 住まいの中でも、大きな家具を配置する可能性が高いリビング/ダイニング。特に食器棚を置かれているご家庭が多いようです。安全性と見た目、両面から考えると背の低いカウンタータイプのものが望ましく、自分の背丈よりも背が高い食器棚はできるだけ置かないことをおすすめします。

もし背の高い、大きな食器棚を置く場合は、転倒防止の工夫を行います。また、天井との間に隙間が空いているからといって、食器棚の上に物を置かないようにしましょう。

ZONE2:ダイニングテーブルまわり

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  • 人が座って食事を摂るダイニングテーブルの背後には、食器棚やオープンラックなど背の高い家具の配置を避けましょう。 ソファの背後も同様にご注意を。

ZONE3:オープンラックのまわり

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  • オープンラックにものを収納する際は、高い場所に重たいもの、大きなものは置かないことが基本です。使用頻度の高いものは、ハンディゾーンに、本や雑誌などたくさん収納したいものはなるべくテーブルの高さより下の位置に収めましょう。上段には軽いものを配置するようにし、ものをぎゅうぎゅうに詰めるのではなく、飾るようにゆとりをもってディスプレイすれば、安定感があり、見た目も楽しめる空間演出を実現。

また、オープンラック手前の床に、ラグを敷くなどの工夫を行えば、ものが落下したときに壊れるリスクを軽減できます。

ZONE4:壁面

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  • 壁面を利用した収納は、効率的なスペース活用ができ、ディスプレイを楽しむ方も多いはず。けれど、確認していただきたいのが固定金具を取り付ける位置。直接壁に固定できる場合は、壁の下地がしっかりしている場所に固定金具を付ける配慮を行いましょう。ホームセンターなどで市販されている、「下地探し」といった壁の厚みをチェックする便利アイテムを使用すると良いでしょう。

また、本や食器などをまとめてしまう棚は、耐荷重についての確認も必要です。棚板の強度を調べ、収納するものの重量とのバランスをしっかり把握します。可動式の棚の場合は、重みで板が落下しないように留め具の強度も点検しておきましょう。

ZONE5:引き出し・開き戸

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  • 引き出しや開き戸はチャイルドロックを取り付けるとお子様がいるご家庭でも安心。併せて、テーブル角にクッション材を付けると危険を回避できます。

ZONE6:床

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  • 人が移動する動線箇所にものを置かない工夫を行います。バラバラに直置きするのではなく、種類ごとに箱やカゴなどに入れて、動線の邪魔にならない所に置くといったひと手間で、リビング/ダイニングのスペースがスッキリし、見た目も美しく維持することが可能です。

日々のキレイのための「安心収納計画」の記事はこちら

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