前回、一番のお悩みだった増殖する夫の「あきひろランド」がすっきりとまとまりました。(第一回はこちらから)今回は、多種多様で形状もバラバラな食材を、様々な収納にどう合わせていくと使いやすいのかを考えます。
前回に引き続き、このたびの収納迷子さん

なつこさん(仮名)
・東京都在住
・3LDK73.76㎡のマンション
・サッカー大好き夫、小6長女、年少長男の4人家族
調理台下、食器棚、レンジラックに散っている食材。管理しやすくするにはどうすればいいですか?
袋に入ったモノ、缶詰、瓶詰、パウチと食材の形状は多様ですね。中身もまた、飲料、粉もの、乾物、お菓子と様々です。
前回もお伝えした通り、食材管理のうえで大切なのは何より「わかりやすさ」。使いたいときに使えること、また消費期限内に消費するために必要なことです。
そのためには、「食材」がなるべく1~2か所で見渡せる状態がベスト。
まずはすべての食材を収納から出して、種類ごとに分類してみましょう。何がどれだけあるかがわかって初めて、どこにどう収納すれば使いやすいのかが見えてきます。
多様な食材たち、何から収納場所を決めればいいですか?

BEDORE
ストッカーのBRFORE。食料の瓶詰が混在していて、なおかつ空きスペースがある状態。
なつこさんのキッチンには、容量の大きいドリンク用の隙間ストッカーがあります。ドリンク類が多いので、まずはここに飲料を集めて「飲み物はここ」と所在を明瞭にしましょう。
このように、いろいろな食材のなかでも「ここしかない」とわかりやすいものから手を付けていきます。
ここでポイントが。
なつこさんは「小学生の娘が取れるように、調理台下の引き出しに娘のソーダ缶(箱買い)を置いているんです」とおっしゃっていました。けれども実は、娘さんの手の届く所はほかにもあります。ドリンクストッカーの下段も、そのひとつ。
つい、“そこに置いた理由が明確”なものほど、場所を変える発想にならなかったりします。ところが「ほかの所でも大丈夫」なケースがほとんど。
とくにこどものモノは、成長とともに置ける場所が拡大していきます。
発想を転換してみると、収納の可能性を広げることに繋がります。
まずはいろいろなところに散っているドリンクを、隙間ストッカーに集めましょう。
あきひろランド、調理台下などに散在していたドリンクをまとめます。別室に置かれていた買い置きのお酒もこちらに。

もともとストッカーはあきひろさんのお酒をストックするために購入。ぜひキッチンへ集結させ、選びやすくしましょう。

BEFORE
シンク下引き出しのBEFORE。「娘が取れるからソーダ缶はここ」の概念を外し、ほかの取れる場所へ。すると、この空いたスペースを食材スペースとして見やすく管理することに活用できます。

AFTER
家じゅうのドリンクストックが集結することで、飲み忘れや買いすぎを防ぐことができます。なにより、選ぶのが楽しそう!
ドリンクスペースに収まらなかったワインはどうする?
今回の発掘収納用品①「ワインを納めるソフトケース」
残念ながら高さが足りずドリンクストッカーに入らなかったのが数本のワインボトル。調理台下の空きスペースを見つけ、そこを定位置にすることにしました。
ポイントは、ただ入れるだけではなくケースに入れること。
ほかの部屋で使われていたモノをとりあえずお借りし、ボトルを数本まとめて寝かせます。こうすることで引き出しの中で転がることがなく、キュッとまとまり、さらに「ここがワインの場所です」と明確な定位置となります。

ここでみなさん戸惑われるのが、「ケースをワインに奪われた元の中身はどうなるの?」ということ。これも実は、どうとでもなります。ほかの余っているボックスを使ってもよいし、よりちょうどよさそうな収納用品をさらにほかから拝借しても。何もなければとりあえず紙袋にまとめておいてもよいのです。
すると中に入っているモノと向き合う機会ができ、なかには「これはあっちの箱に一緒にしてもいいな」「もういらないな」というモノが出て、新たな収納用品を買いに行く必要がなくなることがほとんどです。
「箱の中に入っているモノは絶対に必要なモノ」というのもまた、疑ってみてもいい固定観念ですね。
ドリンクを一か所にしてスペースを作ったことで、保存系食材を一括収納できた!
<週数回使用する保存系食品>

BEFORE
調理台の最下段の大きい引き出し。左にあるドリンクを整理して、ここをもっと活用したい。
↓

AFTER
お子さんのジュースをドリンクストッカーに移動させたことで、スペースに余裕が生まれあちこちに散っていた乾物などの食品を見やすく管理できるスペースに! 一目でストックの過不足がわかります。
今回の発掘収納用品②「ブレッドケース内を仕切るファイルボックス」
<毎日使用する食品関係>

BEFORE
ぎゅうぎゅうになりがちだった、毎日のように使う食材を入れていたブレッドケース。いつもはここにパンも入っているそう。
↓

AFTER
コンロ下引き出しでフタを立てていたファイルボックスをこちらに持ってきて空間を細かく仕切り、お茶をまとめています。置き場所に悩みがちな生協のパンフレットなど、紙類もこちらに。毎日使うふりかけ類は食器棚に移動しました(来月は食器です、お楽しみに!)。
本多さおりさんからのコメント
なつこさんの手持ちの収納ケースは、どれもシンプルに四角いモノばかりでした。こういったケースは場所や用途を変えても活躍させやすいため、無駄が出ません。そしてドリンクストッカーはほとんどの棚板を位置調整できたため、並べたいモノに合わせて効率よく空間を使い切ることができました。
収納用品や家具を選ぶ際には、ぜひアレンジしやすいシンプルさと可変性に注目してみてください。このことが、固定観念をはずして「使いやすい家」を考えていく際の一助となります。