東日本大震災以降、高まる地震対策への意識。けれど、住まいの家具類の耐震をお忘れでは?
ここでは耐震収納の必要性と正しい知識を紹介。毎日の生活に無理のない範囲で安全性に配慮した美しい収納をめざしましょう。

HOUSTO 編集部

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家具類の転倒、落下が地震によるケガの大半

近年発生した地震でけがをした原因を調べると、約30〜50%の人が住まいにおける家具類の転倒、落下、移動によるものでした。家具類の転倒、落下、移動は直接当たってケガをするだけでなく、つまずいて転ぶ、割れた食器やガラスを踏む、避難経路をふさぐなどさまざまな危険をもたらします。

※出典:東京消防庁『家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック(平成25年8月)』

災害リスクアドバイザー・松島康生氏によると「耐震収納の目的は、生命と安全の確保、物的(財産)被害の軽減、被災後の生活への配慮などです。日本全国、大規模地震はどこでも起こりうる。大きな震動による家具類の転倒によって大ケガをする、下敷きになって身動きが取れなくなる、さらに、避難の妨げになることも考えられます。室内の対策は重要です」

大規模地震に備えるには? まず、はじめに行うこととして家具類の「安全な配置」を考えることがポイントのようです。「出入り口周辺に転倒、移動しやすい家具類を置かないようにし、避難経路をふさがない配置にします。また、なるべく寝室に家具を置かないこと。置く場合には寝ている場所に倒れないように置き方を工夫しましょう」。耐震化を進める上で、住まい全体を把握し危険度の高い場所からはじめていく必要がありそうです。次回はより具体的な対策のノウハウを伺っていきます。

家具類は、倒れたときに避難通路をふさがないように配置します

窓際には重量物や転倒、落下、移動しやすいものを置かないようにします

座る頻度の高い場所に家具類を置くときは、背の低い家具にするなどの工夫をしましょう

寝室にはなるべく家具類を置かないようにします。置く場合は、寝ている場所に倒れないように配置を

(つづく)

ゲストプロフィール

松島 康生さん


東京都出身。災害リスク評価研究所代表。災害リスクアドバイザー。これまで行政向け防災コンサルタントとして地震被害想定調査や地域防災計画、ハザードマップの業務に携わる。現在は災害リスク評価研究所を設立し、住宅や企業向けに地震や風水害が発生した時の危険度をあらかじめ調査し、防災対策のアドバイスを行う。
→http://www.saigai-risk.com

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