経年で出る独特の風合いが人気の真鍮の家具。今回のワークショップでは鍛金の技法を使い、真鍮のランプシェードを手づくりします。鍛金とは、金属を叩いて鍛え、好きな形に加工する伝統工芸の技法。ひたすら手を動かし叩いていると、いつしか無心になれる、ものづくりの魅力が詰まった人気のワークショップです。

HOUSTO 編集部

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今回教えてくれたのは
鎌倉駅からほど近い閑静な住宅街にあるアトリエショップ「WATO」の斉藤里司さんと小笠原加純さん。お二人とも、鍛金技法をベースにした作家として、またデザイナーとして、暮らしに息づく日本の新しいものづくりを発信しています。

作品を鑑賞しながら、ものづくりの可能性を感じられるアトリエ

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有孔ボードを利用した壁面収納は、ひと目で何がどこにあるか分かって効率的!プロのものづくりの道具は、見ているだけでワクワクします。

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アトリエに並ぶ食器や花器などWATOの作品、パートナーシップ作家の作品は、暮らしを彩るインスピレーションを与えてくれます。もちろん購入もできますよ。

さっそくワークショップを開始!

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ベースになるのは、丸くカットした真鍮の板。これをひたすら叩いて形を変化させていきます。

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まずは叩く金鎚を選びます。というのも、金槌によって表面の鎚目の柄が変えられるからなんです!見本にあるたくさんの柄の中から選べるなんて、イメージが広がりますね!

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ほとんどがの柄はWATOのオリジナルで、金鎚の打面の多くは手づくり。一番人気のシンプルな丸い柄から、モダンな小さい格子柄や動きの出る花柄まで、金槌によって幅広い表情が作れるなんて、楽しみだけど悩みます…。

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本番の前に、端材で練習。先生のお手本通りに、まずは叩いてコツを掴みます。

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コツを掴んだらさっそく本番。しっかり板を支えて、金鎚をまっすぐ振り下ろしていきます。けっこう力がいるので、気合いを入れて取りかかります!

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中心から外側に向かってひたすら打っていきます。カンカンと響く音を聞きながら黙々と打ち続けていると、いつのまにか無心になり、自分の世界に集中できていました。

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叩いているうちに板が曲がってくるので、しっかり支えながら作業。集中して叩くこと15分ほどで、全体に鎚目が付けられました。

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全体を叩いたら、裏面をチェック!よく見ると叩きムラがけっこうありました…。今回は全体的にしっかり鎚目模様をつけたいので、裏面を確認しながら、隙間を埋めるようにふたたび叩いていきます。

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鎚目の模様を付け終えたら、次は成形に進みます。叩いて固くなった板を700度で熱することで、柔らかくなり、加工しやすく変化します。

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バーナーで全体的にムラなく熱していると、だんだんとパールのような輝きを帯びていきます。加工している感覚が楽しい!

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冷めた板は、手でも曲げられるくらい柔らかくなっていてびっくり!最初に比べてマットな色合いになっているのは、焼くことで表面に酸化膜ができたから。

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窪みのついた木の型に木槌で叩きつけて、成形していきます。カンカンと力いっぱい打っていると、いつのまにか溜まっていたストレスもすっきり!

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くまなくきれいに丸く叩いたら、もう完成間近。

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ふちを金鎚で叩いて、金属板の厚みを活かした仕上げにします。こちらがBefore。

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こちらがAfter。叩いた部分が平らになって、キラキラしているのが見えますか?ちょっとした一手間で完成度アップです!

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先生のお手本には遠く及ばないけれど「最初の一枚の味は、二度と出せないものだから」と、うれしい一言。思い出の作品になりそう!

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いよいよ仕上げ。焼いたときに付いた酸化膜を、酸とクレンザーで磨き、重曹で中和して洗い流します。

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水滴が残ると跡になるのでしっかり拭き取って。指の脂も跡になるので、できるだけ直接触らないように丁寧に拭きます。

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最後に、中心の穴に真鍮製のソケットを取り付けたら、完成!

手づくりランプシェードが完成!

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手づくりならではのあたたかい雰囲気をまとう真鍮ランプシェード。これから風合いが増していく様も楽しみです。

まとめ

まさか初心者でも金属の雑貨を作れるなんて、自分でも驚きです。月日が経つごとに味が出る真鍮だから、新居の記念にご夫婦で作る方もいるそう。その日に完成できるから、ワクワクをそのまま持ち帰れるのもうれしい。たくさん叩いた腕はくたくたで、2日後に筋肉痛がやってきましたが、無心で叩くとかなりのストレス発散に!達成感のある手づくりランプシェード体験でした。

  • 難易度 ★
  • 時間 2H
  • 満足度 ★★★
  • 金額 12,000円(税抜)

今回教えてもらったのは…

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    • WATO
    • 住所 神奈川県鎌倉市大町 2-5-35
    • 営業時間 不定期営業のため、事前連絡必須
    • 問い合わせ
    • 0467-39-6179
    • https://www.wato-design.com